トップセールスパーソンは、第一印象に85%のエネルギーを注ぐ!

もう一つだけ、行動観察ネタ。

抜群の成果を残すトップセールスパーソンの秘密、
本人に聞いても、

「さあ、なぜか売れちゃうんだよね」

としか答えられないことが多いのです。

しかし、トップセールスパーソンの接客や商談の様子を
「行動観察」してみると、以下のような特徴が判明したそうです。

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・ファーストコンタクト(第一印象)を大事にしている。

・お客様の話す時間が長い⇒セールスパーソンは、
 話すのではなく、カウンセラーのように客の話を上手に聞きだす。

・お客様の様子をよく観察して、個別のニーズを把握、
 適切な提案を行なう。

・お客さんに何か必ず、親切なことをする。

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上記の点は、当たり前のことばかりじゃないかと、
感じられるかもしれませんが、大事なのは「行動」として
やれているかどうかなんですよね。


さて、上記のような行動がなぜ成果につながるかについては、
行動経済学や、社会心理学の知見で理論的に説明できます。

例えば、最後の

「お客さんに親切にする」

は、影響力の武器』で解説された「カチッ・サー理論」のうち、

「返報性の原理」(人は借りができたと感じると、
返さなければならないと無意識にも感じてしまうこと)

を活用したもの。

また、一番最初の

「ファーストコンタクトを大事にする」

は行動経済学における「初頭効果」です。

最初の印象が、その後の評価に大きく
影響を与えてしまうということ。

例えば、第一印象で「いい人そう」と感じたら、
その後のやりとりも「やっぱりいい人だった」と
最初の印象を裏付けるように物事を解釈してしまう。

逆に、「なんかいやな人」と第一印象で思われたが最後、
その後も、「やっぱりいやな人だった」と最初の印象を
裏付ける証拠集めばかりをしてしまうのです。

こうした、最初の印象(先入観)に合致する情報だけに
着目してしまいがちな傾向のことは、

「確証バイアス」

と呼ばれています。


だから、あるセールスパーソンは、

「ファーストコンタクトに全エネルギーの85%を注ぎ込む」

と言っているほど。


セールスパーソンに限らず、
第一印象は大切にしたいものです。


『ビジネスマンのための「行動観察」入門』
(松波晴人著、講談社現代新書)

投稿者 松尾 順 : 2012年08月04日 15:05

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