デュアルプロセッサ・ブレイン
ご無沙汰しておりました。
1年数ヶ月ぶりのブログ更新となります。
(メルマガも明日2日より再開します)
マインドリーディング、すなわち「マーケティング心理学」に
ついての研究は続けておりますが、やはり継続的なアウトプット
をしたほうが、自分自身の理解や考えが深まりますね。
これから、継続する決意を改めて表明するとともに、
楽しくブログ&メルマガを書いていきたいと思っていますので
よろしくお願いします。
さて、最近の私の最大関心テーマは、
「デュアルプロセッサ・ブレイン」
です。
これは、人間の脳で行われる情報処理は、
近年のパソコンが2個(デュアル)のプロセッサーが
搭載されているように、2つの異なる処理プロセスがあり、
状況に応じて使い分けられているというもの。
ひとつの処理プロセスは、ひとことで言えば
「直感的な処理」
とでも呼べるもので、直感的で、連想を駆使し、
努力を要さず、無意識のうちに行われるもの。
もうひとつは、
「合理的な処理」
とでも呼べるものです。
合理性のある一定のルールや手順に従い、
熟慮と努力を要する処理です。
具体的な消費行動で説明しましょう。
毎朝通勤途中の駅の自販機で「缶コーヒー」
を選択し購入するプロセスはどちらでしょうか?
おそらく、この消費行動はすでに習慣化しており、
購入するブランドもほぼ固定されているでしょうから
「直感的な処理」
です。
では、最新のエコカーを購入する場合はどうでしょうか?
これはもちろん、
「合理的な処理」
が行われるでしょう。
すなわち、購入検討対象となる複数のエコカーの
スペック(仕様)や価格、アフターサービスなどを念入りに
比較検討して、慎重にブランド選択を行うはずです。
このデュアルプロセッサブレインという概念は、
近年注目されている「行動経済学」の基本となる枠組み
だといえます。
行動経済学の領域では、「直感的な処理」を
‘システム1’
と呼び、「合理的な処理」を
‘システム2’
と呼んでいます。
行動経済学では、人の思考や行動は完全に
合理的なものではなく、しばしば非合理な思考・行動を
行うことがあるとみなし、こうした非合理な思考・行動を
生み出す、脳の情報処理のゆがみ=バイアスについての
さまざまな研究が展開されています。
すでにおわかりかと思いますが、
「非合理な思考・行動」
につながるのが、脳が持つ2つの処理システムのうち、
「直感的な処理」(システム1)
なのです。
では、なぜ、私たちは2つの処理方法を持ち、
使い分けるようになったのでしょうか?
端的に説明すれば、できるだけ思考する時間、エネルギーを
減らしたいという本能的な動機があるからです。
(消費するエネルギーが少ないほど、その消費されたエネルギーを
補う新たな労力(お金)が少なくてすみますよね)
「デュアルプロセッサ・ブレイン」については、
さまざまな視点から、今後詳しく解説したいと思います。
投稿者 松尾 順 : 2012年07月01日 13:25
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コメント
ブログ再開、おめでとうございます!(って何か変ですねw)
情緒×論理≠合理
という観点で、当方はレバ刺しの動向などをウォッチしていきたいと思います。
投稿者 tyama1965 : 2012年07月01日 16:18
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