ソーシャルネットワークと共感力
女性の高い共感力は、近代よりもはるかに長く続いた
原始・狩猟採集時代に培われたと言われています。
男性が狩りに行っている間、女性たちは集落に残り、
近くの木の実を拾ったり、家事・育児をやったりといった
仕事を協力しあってやっていました。
こうした毎日では、女性同士は極めて密接な関係性が
あり、濃密なコミュニケーションが要求されるため、
相手の表情、言葉遣い、態度などから相手の気持ちを
的確に推測する力=共感力が高まったのです。
ちなみに、共感力に加え、原始時代の生活が影響している
と考えられ、今も根強く見られる女性固有の心理としては
以下のようなものがあります。
・つながっていたい
・ステイタスの差を最小限にしたい
・感情や弱みをみせる
・話すことで他者とつながる
・他者を助けることで自分の力を感じる
・協力のほうが楽しい
(出所:『女性のこころをつかむマーケティング』)
さて、女性の社会進出、すなわち、男性文化が根強い
企業で、女性が男性に伍していこうとする中で、女性の
共感性が低下していく可能性があるでしょう。
なぜなら、企業社会では、女性が本来好まない、
「競争」的発想をどうしても意識しなければならず、
共感性が高すぎると、競争を回避してしまいたく
なってしまうからです。
しかし、一方で、ソーシャルネットワークの浸透によって、
女性、そして男性の全般的な共感力を高めることに
つながる可能性があります。
ソーシャルネットワークは、そこでうまくやっていくためには
高い共感力を必要とします。お互いに認め合う、相手の気持
ちをわかりあうということができないと孤立してしまう。
孤立するのであれば、ソーシャルネットワークに所属している
意味がありません。
しかも、抽象性の高い「言語」主体のコミュニケーションから
相手の心理を的確に読まなければならない。これは相当負荷
の高い共感力養成トレーニングになるのです。
(ですから、すっかり疲れて果ててしまったり、十分な共感力が
身に付かず、ソーシャルネットワークから離脱してしまう人も
出てきます)
というわけで、全般的に言えば、ソーシャルネットワークの浸透
により、私たちはますます高度な「共感社会」に向かっていると
言えるのではないでしょうか。
投稿者 松尾 順 : 2011年02月20日 17:09
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