ブランデッド・コンテンツ
今日も、
『教えて!カンヌ国際広告祭』(佐藤達郎著、アスキー新書)
から、興味深いキーワードをご紹介したいと思います。
「ブランデッド・コンテンツ」は、佐藤氏によれば、
“広告の形はしていないけれど、
広告としての機能=ブランドのメッセージを
ドライブする機能を果たしている一連の活動”
のことを指します。
従来の広告クリエイティブが、
「生活者にいかにメッセージを伝えるか」
という視点が根底にあったのに対し、
ブランデッド・コンテンツは、
コンテンツとしての魅力があることが最重要であり、
「商品が出てくるべき」
「商品は大事に扱う」
「商品を誉める」
「ブランドメッセージが明示的にわかる」
「広告としてわかりやすい」
といった従来の広告クリエイティブの原則に
捉われません。
佐藤氏が、ブランデッド・コンテンツの例として
挙げるのが、カンヌ・フィルム部門金賞のテレビCM
です。ソニーUKの液晶テレビ、ブラビアのCMで、
たくさんの色とりどりのスーパーボールが街の坂を
転がり落ちていくシーンが映し出されるもの。
(ちなみに、投下されたスーパーボールの数は25万個、
撮影場所はサンフランシスコ)
これは、本当にコンテンツとしてすばらしいですね。
Webサイトではメイキングなども閲覧できますし。
ブランデッド・コンテンツでは、
「メッセージが明示的に伝わらない=広告らしくない」
ことがプラスのキーワードになる、
と佐藤氏は考えています。
これは従来、
「どのブランドが、何をメッセージしているのか」
を明確に伝えるべきと考えられてきた広告作法と
真逆です。
ブランデッドコンテンツの登場は、
日々、洪水のように広告メッセージが押し寄せる中、
生活者が、「広告っぽいもの」をあからさまに忌避する
状況を踏まえ、まず、コンテンツとしての魅力を高め、
視聴者の共感を得ることへと、広告のあり方が大きく
シフトチェンジしつつあることを物語っているのでしょう。
投稿者 松尾 順 : 2011年02月08日 13:40
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