行列のできる銀行
昨日ご紹介した‘めんどうみ活動’の
「セブンプラザ」が掲載されていた日経ビジネス
(20111.1.10)の特集、
“非効率経営”の時代
には他にも興味深い事例が、
いろいろと取り上げられてます。
‘行列のできる銀行’と形容されていた、
「大垣共立銀行」
のケースもとても面白いので、
未読の方はぜひ読んでみてください。
岐阜県に本店を置く大垣共立銀行は、
地元では絶大な支持を集めているのでしょうか?
(どうですか、岐阜出身の方?)
とにかく、同行の取り組みは極めてユニークです。
従来の銀行の枠を飛び出ています。
例えば、特集記事に出ていた同行半田支店は、
2009年9月14日にオープンしたのですが、
開店当日は、1000人超の地域住民が押し寄せ、
まさに行列ができる銀行となったのだそうです。
同店は、コンビニエンスストアと見違えるような
外見であり、店内もまさにコンビニ風。
窓際にはずらりと並ぶ雑誌。
漫画、クルマ雑誌など100種類を超えるそうです。
コーヒーは無料提供。
ゆっくり読書を楽しむ人。
待ち合わせ場所に使う人。
編み物をする婦人。
銀行自体に用はなくても、
ふらりと立ち寄ることのできるつくりに
なっているというわけです。
このあたり、セブンプラザの‘めんどうみ活動’
に似た顧客サービスの姿勢が感じられますね。
こうしたつくりの支店は「コンビニ・プラザ」と
名づけられていますが、まさにコンビニエンスストア
をモデルにしたもの。
同行の異業種研修でコンビニの店長を経験した
行員の意見が取り入れられているそうです。
ATMもすごい。
「ドライブスルーATM」というものがあり、
自動車に乗ったままATMを操作できるのだそうです。
車での移動が主体の地方圏だからこそ、
必要とされ、また喜ばれるATMだと言えるでしょう。
ATM自体には、ルーレットゲームや
スロットゲームまでついています。
待ち時間にルーレットが回り、
当たると手数料がタダになる。
スロットゲームは絵柄が3つ揃うと、
現金1,000円が当たる。
ハズレのレシートも10枚集めると
「サンクスポイント」がもらえるなど
お客さんにとっては、おもわずATMを
使いたくなる仕掛け満載です。
そういえば同行は、
中日ドラゴンズとからめた、
「VIVA!ドラゴンズスーパー打率定期預金」
などもやってますね。
証券アナリストによっては以前、
こうした業界破りの斬新なサービスは
「収益にほとんど寄与しない」
と言った人もいたようですが、
近年の業績を見るとこれは間違った判断
だったことがわかります。
同行の個人預金残高は98年3月期1兆7731億円から、
2010年3月期は2兆6567億円へと伸びています。
また、経常収支(売上高)の当期利益率は10.6%であり、
ライバルの十六銀行の8.0%を凌駕。
一見、無駄で非効率に見えるサービスを
充実させつつ、売上・利益を伸ばしているのです。
大垣共立銀行の取り組みを見ると、
既存の枠に捉われず、異業界も参考にして、
柔軟にアイディアを取り入れることで、
大きな競合差別化を生み出せ、
業績向上につなげることができるという
事実を実感させられますね。
投稿者 松尾 順 : 2011年01月20日 09:49
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