メンタルモデル革新

「メンタルモデル」は、自分が外部環境から仕入れる
情報(要するに経験) をどのように関係付け、整理して
解釈するかという一定の処理手順や価値体系のことです。

ひとことで言えば、思考方法のパターン、クセです。

例えば、空を見上げたり温度・湿度を肌感覚で感じて
仕入れた情報から、「午後から雨が降りそう」とった
判断を下す場合、そこにはなんらかのメンタルモデルが
頭の中で働いているわけです。
 

この天気についての予感が当たるかどうかは、
メンタルモデルの仕組みや精度によるわけですが。

さらに雨が降るという解釈の後に「濡れるといやだな」
といったネガティブな感情が自動的に湧きあがることも
あります。

これもメンタルモデルを通じて行なわれる人の情報処理
といえます。メンタルモデルは当然ながら個人差があり、
人によっては、「雨が降るとうれしい」という感情が
湧きあがるメンタルモデルを持つ人もいますね。
 

人は日常の多くの行動をそれぞれが持つ特定の
メンタルモデルに基づいて行なっています。

なぜなら、あんまり考えなくてすむから。
つまり、脳のエネルギー消費を抑えられるから。

ビジネスにおいても多くのメンタルモデルを元に、
さまざまな意思決定が行われています。

ビジネスモデルというのも一種のメンタルモデル。
現実の事象から、典型的な成功手順や組み合わせを
抽出したものであり、それは頭の中にだけ存在します。
(図形化などして、表現することは可能)


さて、固定化したメンタルモデルはまさに固定観念であり
先入観です。

メンタルモデルが強すぎると、活用すれば有益となりうる情報を
入手しても、メンタルモデルに、うまくはまらないため、無意識に
無視してしまうということが起きます。

たとえば、

「自社の競合は、同じカテゴリーの他社商品である」

という思考も固定化したメンタルモデル。

革新的な製品はしばしば、こうしたメンタルモデルから
外れたところで生まれます。

つまり、革新を起こすためには、自分のメンタルモデルを
客観視し、それから脱出する、あるいはいったん壊すことが
必要なのです。

投稿者 松尾 順 : 2011年01月12日 12:18

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