「筑後うどん」ブランド化への挑戦中!

福岡県・久留米市は、

「とんこつラーメンの発祥地」

だということをご存知ですか?

ラーメンマニアの間で、
このことは周知の事実ですが。


ただ、ラーメンブランドとしては、

「博多ラーメン」

が圧倒的に有名ですね・・・


さて、近年、とんこつラーメンに続く、

「新たな久留米発ブランド」

としてその地位を確立しつつあるのが、

「B級グルメ」としての「焼き鳥」

でしょう。


「B級グルメ」は、一言でいうなら、

「安くて旨くて地元の人に愛されている
 地域の名物料理や郷土料理」

です。

このこところ毎年、
全国のB級グルメがそのおいしさを競う

「B-1グランプリ」

が行われているのはご存知でしょうか。

昨年(2008年)は、
久留米市が開催地となっています。


従来、焼き鳥といえば、

北海道室蘭市、埼玉県東松山市、愛媛県今治市

の3市が、

「日本3大焼き鳥のまち」

として知られてきました。


つまり、上記3市が焼き鳥の

「3大ブランド」

だったわけですね。

とはいえ、“3大”と言えるほど
ブランドとして十分認知されていたわけ
ではありませんが。


ある時、久留米市のタウン情報誌、

『くるめすたいる』

の編集部が、全国の人口1万人当たりの
焼き鳥店舗数を数えたところ、

「日本3大焼き鳥のまち」

よりも久留米市の店舗数が多いことを発見。

そこで『くるめすたいる』では、
2003年1月号において勝手ながら、

「焼き鳥日本一宣言!」

を行って焼き鳥店を特集。


これをきっかけとして当地では、

「焼き鳥日本一フェスタin久留米」

が毎年開催されるようになりました。


また、「久留米やきとり学会」も発足。

こうして、様々な形で、
久留米焼き鳥振興のための積極的な活動、
情報発信を続けてきています。


その結果、「日本一宣言」から
まだわずか6年ほどではありますが、

“「やきとり」と言えば、久留米だよねぇ”

というブランド連想が既に、
かなり強化されたのではないでしょうか。
(これは、私の偏見<ひいき>も含まれた仮説であり、
 アンケート調査等による検証が必要ですが・・・)


この久留米の焼き鳥のケースは、
やりかた次第では、比較的短期間で、
相応のブランドが確立できることを
教えてくれています。


さて実は、今回の記事において

「焼き鳥」

は前座に過ぎません・・・


真打ちとして登場させたいのは、

「筑後うどん」

です。

筑後とは、
福岡県南部のエリアを注します。

久留米市が中核都市。

その他には、柳川市、筑後市、八女市、
そして私のふるさとである八女郡など
が含まれている地方です。


筑後地方にはもちろん、
とんこつラーメン店があちこちあります。

しかし、ラーメン店と匹敵する
店舗数を誇るのが

「うどん屋」

なんですね。


ちなみに、純粋な「そば屋」は、
当地にはほとんど存在しません。

うどん屋に‘そば’も置いてあります。

でも、筑後にいて「そば」を
注文するのは、はっきりいって野暮です!

私自身、筑後に住んでいた10代の頃、
そばを食べるのは大晦日だけ。
つまり年1回でした。
(東京に住む現在は、そばもしょっちゅう
 食べてますけど)


話を戻しましょう。


平成16年(2004年)、
地元のうどん屋22店が中心となり、

「筑後うどん振興会」

が結成されました。

同振興会の目的は、
独自のうどん文化を持つ

「筑後うどん」

を盛り立て、

・讃岐うどん
・稲庭うどん

と並ぶ「3大うどん」として
称されるくらいのブランドに育てること。


同振興会では、「久留米の焼き鳥」と
同様のアプローチを取り

「筑後うどん祭」

を毎年開催してきています。


公式ブログも開設。

ただ、ネットなどを通じた情報発信は
傍目から見ると、まだまだ物足りない感じです。


9月19-20日に、秋田県横手市で開催される

B-1グランプリ in YOKOTTE

にも出展しないようですし。
(久留米やきとりは出展)


小さい頃から筑後うどんに
慣れ親しんできた私としては、
筑後うどんが

「全国区ブランド」

に化けてくれるよう、
東京から応援したいと思います。


最後に、筑後うどんの特徴を
紹介しておきましょう。


讃岐うどんと比べて最も大きな違いは、

「麺」

でしょう。

太く、断面が四角い讃岐うどんと異なり、
細めで丸い形状をしています。

そして、全く腰がありません。
ぶよぶよ、ぷにゅぷにゅという食感。

私は勝手に、

「柔腰(やわごし)めん」

などと呼んでいます。
(これは筑後地方に限らず、
 福岡県全般に共通している特徴ですが)


なぜ腰のない「ぶよぶよめん」なのか?

ひとつには、主食として食べられてきた香川県
と違い、むしろ、主食に添えられる

「麺入りのスープ」(汁物)

的な役割を果たしているからという説が
あります。(ですから、基本「ぶっかけ」
ではあまり食べません。)

また、漁師たちが、漁の合間に、
短時間でざざっとかき込むのに楽な、
「腰のない細めん」が好まれたから、
という話も聞いたことがあります。


トッピングとしては、

・丸天(直径10センチほどの円形のさつま揚げ)
・ごぼう天
・春菊天

などが、他地域ではなかなか食べられない
独自のものでしょう!


つゆは、透き通った色。

さっぱりと癖のない味であり、
この点では、讃岐うどんとほぼ同じです。


あなたも、久留米、八女など筑後地方を
訪ねることがあったら、とんこつラーメン
だけじゃなくて、

「筑後うどん」

もぜひ楽しんでみてくださいね!


*筑後うどん概要
 全国B級グルメスタジアム(富士山静岡空港開港記念)より

*筑後うどん振興会公式ブログ
 http://blogs.yahoo.co.jp/chikugoudonshinkoukai

*B級ご当地グルメの祭典 B-1グランプリ Blog
http://blog.livedoor.jp/b1grandprix/

*B-グランプリ in YOKOTE
 http://b-1gp.cande.biz/


(参考文献)
『「B級グルメ:の地域ブランド戦略』

投稿者 松尾 順 : 2009年08月27日 15:25

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コメント

群馬県の富岡の両親の実家でも、うどんと言えば細くてぶよぶよの腰の無いものでした。ざるに小玉に分けて盛り、大家族みんなで取り分けていただくのが楽しかった記憶があります。
汁はしょうゆベースで具はほとんど無く、胡麻やねぎ、七味などであっさり頂くファーストフード的なものでした。
全国のうどん分布なんて調べるとまた楽しそうです。
競合相手としては強敵の稲庭うどんをどう超えるか、ですね。

投稿者 しょうすけ : 2009年08月28日 09:45

しょうすけさん、まいど!

しょうすけさんのふるさとでも、
うどんは、汁物的なものだったんですね。

ただ、みんなで取り分けるスタイルは、
福岡にはないですね。

王者がいなかった焼き鳥と比べて、
うどんには、稲庭と讃岐という二大巨頭が
既に存在しており、筑後うどんが肩を並べる
のはそう簡単ではないでしょう・・・

投稿者 松尾順 : 2009年08月28日 10:11

久留米在住の@ヒデと申します。

讃岐うどんがしこしこ麺なら、筑後うどんの麺は、
やわごし麺とは呼ばずに、ふわふわ麺と私は言います。

でも当地で、全国的に有名なうどんは、残念ながら
久留米でなくて、近くの鳥栖市です。
それも、JR鳥栖駅のプラットホームにある中央軒の
かしわうどんが絶品で有名です。 あしからず・・・。

投稿者 @ヒデ : 2011年02月03日 18:14

ヒデさま、コメントありがとうございます!

ふわふわ麺ですね。
まあ、確かに「腰」自体ない感じですから!

鳥栖のかしわうどん、食べてみたい!

投稿者 松尾順 : 2011年02月03日 23:21

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