地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (4)四番
当シリーズ映画の基本コンセプトは、
「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな
生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、
他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」
というもの。
世界の賢人たちへの取材を通じて、
ガイアの思想が決して妄想でないことを
実感させてくれます。
今回は、2001年に公開された「四番」をご紹介します。
<ジェームズ・ラブロック>
ラブロック氏は、「ガイア理論」の提唱者です。
彼は、地球がひとつの生命体である根拠として
映画の中で2つの現象を示しています。
ひとつは、地球の平均気温が、
おおむね一定に保たれてきたことです。
もちろん、地域によって寒暖差がありますが、
おおむね生命が耐えられる温度の幅に維持されている。
実は、数十億年前と比較して、
現在の太陽の温度は30%も高くなっていることが
わかっています。
それでも気温が高くなりすぎないように、
地球はうまく自己調節してきているということなのです。
また、大気中の酸素濃度も過去8億年間、
ずっと21%に保たれてきています。
あと1%酸素濃度が高かったら、
山火事が消えることができず、
地球の森林は消滅してしまうと考えられています。
つまり、酸素濃度は、
極めて微妙なレベルに維持されてきています。
生命にとって「地球環境」は、
外部にある所与のものではありません。
生命もまた地球環境の形成・維持に
さまざまな形で寄与しているというのが真実。
ラブロック氏は、
観念的・抽象的な「神」の存在を
否定はしませんが、むしろ、
目に見え、感じ、理解することができる
「地球」
そのものを敬うことを勧めます。
そうすれば、私たちが何をすべきか、
また何をすべきでないかという道徳的な判断も
可能になると主張しています。
<ジェリー・ロペス>
ハワイ生まれの伝説的なサーファー。
彼の母親は日系3世で、
“イタクラ・ケン”
という日本名も持っています。
彼にとってサーフィンはダンスのようなもの。
サーフボードがパートナー。波が音楽。
波に乗ってダンスが始まるのです。
ロペス氏は、長年、
海という強大な大自然と共に過ごしてきた体験から、
“大自然には対抗できない。
対抗しようとすれば悲惨な結果を招く。
我々ができるのはともに歩むことだけだ”
と考えています。
<ジェーン・グドール>
ジェーン・グドール氏は、
チンパンジーが道具を使うことを
初めて発見した世界的に有名な霊長類学者です。
彼女は、実は1歳半の頃、
父親からチンパンジーのぬいぐるみをもらい、
ジュビリー(Jubilee)
と名づけて、肌身離さず大切にしてきました。
後にチンパンジー研究の道に入ることになるとは、
ジュビリーはまさに「予兆」だったと、
グドール氏は述べています。
彼女は、チンパンジーの生態観察のため、
最初、タンザニア・ゴンベの森に入り、
母親と共にテント生活をしていました。
森にずっと暮らしたおかげで、
彼女が気づいたことがあります。
それは、
森には「死」というものがない
ということです。
あるのは生命の循環だけ。
一本の木が倒れると、
そこから新しい命が育まれる。
「死」が次の「生」をもたらしてくれる
ということがはっきりわかるのです。
<名嘉睦稔(なかぼくねん)>
沖縄県・伊是名島生まれの版画家。
彼の作品のほとんどには、
伊是名島で毎日触れ合った、
豊かな色彩や奇妙な形
を持つ生物たちの独特のイメージが
刷り込まれています。
睦稔氏は、
子どもたちへのメッセージとして
沖縄に昔から伝わる、ある格言を
紹介しています。
それは、
「生(う)まりれぇー 同歳(ちゅとぅし)ん人(ちゅ)」
というものです。
この言葉は、この世に生を受けた者は、
子どもも、90歳のお年寄りも全て同じ年だと考えよ
という意味です。
なぜなら、いつ死ぬかは、
現在の年齢とは関係ないからです。
だからこそ、生きている今、この瞬間を
おろそかにしてはいけないのだということを
教えているのだそうです。
“この世界は本当にすばらしい、
世界の子どもたち皆が幸せになったとしても、
決して幸せが減ることはない”
睦念氏はこう信じています。
*GAIA SYMPHONY official site of jin tatsumura
http://www.gaiasymphony.com/
投稿者 松尾 順 : 2009年08月14日 16:15
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