地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (1)一番
当シリーズ映画の基本コンセプトは、
「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな
生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、
他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」
というもの。
世界の賢人たちへの取材を通じて、
ガイアの思想が決して妄想でないことを
実感させてくれます。
今回は、1992年に公開された「一番」の中から、
印象深いところを抜粋してご紹介します。
<野澤重雄氏>
野澤氏は、たった一個のトマトの種を
巨木のように大きくし、1本のトマトの木から、
13,000個以上の実をつけることを実現した植物学者。
(普通に育てたトマトになる実は、
1本あたり60個くらいだそうです。)
トマトの巨木を育てるのに、
野澤氏は、農薬も遺伝子操作も行いません。
水耕栽培によって、
最初からたっぷりと水分と養分を与える。
すると、トマト自身がそのような環境に
あることを把握し、その生命力を大きく
発揮するのだそうです。
大事なのは、まだものごころがつかない
小さな芽のうちから、
「大きく育っていいんだ!」
ということをトマトに感じさせることなのです。
あらゆる生物は、
周囲の環境を明確にキャッチし、
その環境に適応しようとします。
小さな鉢に植えられた盆栽が、
庭に植え替えられたとたん大きく育つのは、
外部環境の「許容度」みたいなものを
ちゃんと感じていることの証拠でしょう。
野澤氏によれば、現在の科学ではまだ、
1本のトマトが13,000個もの実をつけることを
うまく説明できないのだそうです。
科学は絶対ではありません。
自然の高度なメカニズムは、
現代の科学の枠を超えたところにあります。
野澤氏は、科学者と一般人が一緒になって、
このかけがえのない地球の自然環境を守っていく
べきだと考えています。
<ラッセル・シュワイカート>
シュワイカート氏は、
アポロ9号に乗った元宇宙飛行士。
宇宙飛行士になる前は、
原子爆弾を積んだ戦闘機のパイロットでした。
当時、彼は東南アジアの有事に
備えていたのですが、
もし原子爆弾の投下命令を受けたら、
・自分は投下するだろうか
・何を基準に投下するのか
をいつも考えていました。
ただ、考えた結論は、いつも
「投下する」
ということになったのだそうですが。
(シュワイカート氏は、広島に何度か訪れて、
日本の原爆被害者に追悼を捧げています)
さて、シュワイカート氏は、
宇宙からみた地球の美しさに驚嘆し、
人生観が変わってしまいました。
彼は、宇宙で彼が感じた気持ちを説明するのに、
スペースシャトルに搭乗したサウジアラビアの
サウド王子の言葉を引用しています。
“宇宙に行って1日目、まず自分の国を探す。
3日目には、自分の大陸を指差す。
5日目、私たちはただひとつの地球を見るようになる”
シュワイカート氏は、人類が宇宙に飛び出すのは、
母なる地球という子宮から生まれ出るようなもの
と考えており、
「宇宙的誕生(Cosmic Birth)」
と言う言葉を使っています。
<ラインホルト・メスナー>
メスナー氏は、世界の8,000m級の高山すべてを
単独・無酸素での登頂に成功したスーパー登山家。
高度8,000mは、
およそ生命の存在を許さない死の世界。
なぜ、メスナー氏は、
そんな死の世界に無酸素で挑戦したのでしょうか?
山を征服したかったのではありません。
自分が登れるということを証明したかった
わけでもない。
一言でいえば、自分を知りたかった。
自分という有限の肉体、ハダカの肉体を試し、
どれだけ命の可能性を拡げられるかを
確認したかったのです。
メスナー氏もまた
極限への挑戦を通じて、
自分が大自然の一部であることを
強く実感しています。
そして彼は、人間にとって
・スピリット(霊的な魂)
・マインド(理知的な心)
・ボディ(物理的な肉体)
の3つの要素の調和が大切だと感じています。
もし、病気などボディに問題があれば、
スピリットやマインドも影響を受けます。
結局のところ、人は3つの要素のうち、
一番弱いところを基準に生きるしかないと
メスナー氏は考えているのです。
<ダフニー・シェルドリック>
シェルドリック氏は、
密猟者によって母象を殺され孤児となった
「小象」を引き取って育てる
「動物孤児院」
を数十年にわたって運営してきました。
シェルドリック氏によれば、
象の一生は人間ととてもよく似ています。
20歳くらいで成年に達し、
60-70歳くらいまで生きます。
象は、その長い敏感な鼻と大きな耳で、
人間には感知できない匂いや音を聞き分け、
また遠方の仲間たちと交信(テレパシー)を
行うことができます。
しかし、アフリカの厳しい自然で
生きていくためには、オトナの象から多くのこと
を学ばなければなりません。
象の群れを率いているのは、
面白いことに年寄りのメスの象だそうです。
長老的存在のそのメス象は、
いつ乾季がやってくるのか、
乾季の時どこに行けば水にありつけるかと
いったことを知っていて自分の群れを安全に
率いるのです。
シェルドリックが育てた小象は、
最終的には野生に戻すします。
その手伝いをしてくれるのが、
やはり2歳の頃に引き取り育てたメスの象、
「エレナ」
です。
エレナは既に30数歳となっていますが、
ひときわ母性愛が強く、シェルドリック氏の
ところで育てられ、乳離れをした2歳過ぎの
小象を預かり、大人になるまで野生の中で
彼女が育て上げてくれるのだそうです。
エレナを深く愛しているシェルドリック氏の願い、
それは、彼女が自分の赤ちゃんを産むことだと
語っています。
<エンヤ>
アイルランド出身の歌手、エンヤは、
自分自身を
“現代に「ケルトの魂」を伝える音楽家”
だと自覚しています。
ケルト人は、
ヒマラヤのふもとからヨーロッパに
移り住んだといわれる民族。
後に、アングロサクソン、ゲルマン民族などに終われ、
主にアイルランドの地でその文化を守り伝えてきています。
ケルト人は、
全ての自然現象の中に神が宿ると考え、
自然との調和を重視しました。
(日本の「八百万の神」と似ていますね)
エンヤの音楽を聞くと、
そんな自然との一体感が感じられます。
*GAIA SYMPHONY official site of jin tatsumura
http://www.gaiasymphony.com/
投稿者 松尾 順 : 2009年08月11日 14:30
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コメント
こんにちは。
部分的に反応して恐縮ですが、トマトの話。
「ハイポニカ農法」ですね。
徳島にある大塚製薬の能力開発研究所に、同農法で作られた「巨大トマト」があってなかなか壮観です。
同社は普通の土に植えれば普通の大きさにしかならないトマトを、水耕栽培することによって巨大に育つ。「普通の土」とは日常生活の例えで、。「日々慣れ親しんだものから自らを解放し育て方を工夫すれば、まだまだ成長する可能性がある」というメッセージを発信しています。
その解釈も面白いですよね。
http://www.otsuka.co.jp/company/profile/philosophy/
投稿者 金森 : 2009年08月11日 17:07
金森さん、まいど!
はい、まさに「ハイポニカ農法」!
野澤さんの話は、
人の子育てにも通用する話かなと
思います・・・
投稿者 松尾順 : 2009年08月12日 00:51
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