包括的進化論 - GET( General Evolution Theory) - 前編
私たちが
「進化」
という言葉を聞いた時、ほとんどの方は
「生物の進化」
をイメージするかと思います。
まあ、最近は、
「ウェブ進化論」
「プロフェッショナル進化論」
「ブランド進化論」
「読書進化論」
といったように、
比ゆ的に使われるケースも多いので、
人によってずいぶん違ったイメージが
湧くかもしれませんね。
さて、「進化」という言葉が表す
「変化のパターン(の共通性)」
に着目し、宇宙全体のあらゆる事象に適用可能な、
拡張された概念としての、新しい「進化理論」が
提唱されているのをご存知でしょうか?
これは
包括的進化論 - GET( General Evolution Theory) -
と呼ばれています。(以下「GET」)
当理論の創始者は、ピアニストかつ哲学者の
アーヴィン・ラズロ氏。
ラズロ氏は、
「進化の総合真理」(バベルプレス)
の中で、次のように述べています。
“この新しい「進化」の概念が意味するのは、
生物の進化だけではなく、我々が知っているものと
しての宇宙のなかで、出現し、存続し、変化し、
また消滅する、すべてのものの進化である”
そして、GETについては、
“ある学問が科学と呼ばれるに必要な、
基本的な規範を満たしており、日々経験する無秩序と
思える様々な出来事の根底にある、包括的・網羅的
かつ一貫性のある意味を見出すことを目指している”
のだそうです。
ラズロ氏は前掲書において、
以下の4つの領域の進化プロセスについて
詳述しています。
1 物質
宇宙の誕生から始まる物質の形成プロセス
2 生命
生命の誕生以来、今日に至るまでの生物の進化プロセス
3 社会(歴史)
特定の関係にある人間の集合からなるシステム(系)
である社会の存続、発展、消滅のプロセス
4 精神(mind)
端的には、知覚や思考、感情、想像、価値観などの経験
を意味する「精神」の進化プロセス
さて、私が、
「GET」に対して興味を抱いた理由は2つあります。
ひとつは、今後の社会や個人の大きな変化の方向性を
予測するのに役立つだろうということ。
(それは、最終的には日々の人々の消費行動・社会行動
にも反映されてきます)
もうひとつは、「地球温暖化」、「人口爆発」など、
人間を含む生命圏全体の絶滅につながりかねない
危機的状況(人間自らが招いたものですが)
において、まさに大きな
社会的進化・精神的進化
が求められている今、
どのような進化が求められるのかという
理想像
を描くために活用可能であることです。
ラズロー氏も、
“今日わたしたちに与えられた課題は、
「いかに進化するべきかを知れ」である”
と述べています。
GETは、まだ十分に確立された理論とは言えず、
また、私自身、理解が追いついていません・・・
したがって、現時点では、
「こんな考え方がありますよ」
という紹介しかできませんが、
今後のビジネス展開においても使える理論
ではないかと思っています。
後編では、社会の進化における
3つの典型的パターンについてご紹介したいと
思います。
『進化の総合真理』
(アーヴィン・ラズロ著、吉田三知世訳、バベル・プレス)
投稿者 松尾 順 : 2009年07月23日 12:31
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