成果につながるベタスキル

私たちが、
仕事で成果を出すために必要なスキル。

時に「コンピテンシー」と呼ばれることもある
スキルとして、あなたはどんなものが頭に浮かびますか?


・プレゼンテーション?
・論理的思考能力?
・交渉力?

などなど、いろいろ挙げられますが・・・

言うまでもなく、
こうしたスキルを高めることは重要です。

もちろん、高い成果にもつながりやすくなるでしょう。


でも、普段はあまり意識しておらず、
また、とてもスキルとは呼ばれそうもない、
ごく日常業務で求められる行動だけれど、
よくよく考えてみると、成果を出すために
重要なスキルもあります。


例えば、国際会議など、
大規模な聴衆が集まった場所で、
挙手して、講演者に質問するスキル。

語学力がまず大前提として必要ですが、
通訳がいて日本語でOKだったとしても、
なかなかできるものではありませんよね。

自分の質問が的を外れていないか、
きちんと質問の主旨を伝えられるかといった
内容面の不安に加えて、なにより聴衆の目が
自分に注がれるのがイヤですよね。


ここで行動の障害となっているのは、

「気恥ずかしさ」

という心理。

そこで、まずは、こうした心理に打ち勝ち、
積極的に手を挙げるようにする。

最初は失敗することもあるかもしれませんが、
そのうち慣れて、平気で質問できるようになるものです。


あるいは、知人が誰もいない立食パーティ等で、
見知らぬ人々が穏やかに談笑している輪に、
うまく溶け込むスキル。


これ、私もかなり苦手です。

どうやって溶け込むきっかけを
作っていいかわからない・・・

結局、壁際に立ったまま1人寂しく、
過ごしてしまいがち。

でも、これも慣れの問題です。

ここでも大事なのは、
知らない人の輪に割り込むことで生じる

「気まずさ」

というネガティブな心理に負けないこと。

そして、勇気をだして行動し、
失敗しながら、コツをつかんでいくことです。


さて、以上のような

「ベタスキル」

とでも呼びたいスキルの重要性を教えてくれたのは、
旧ルノー公団やエアリキードを始めとする、
欧州グローバル企業の要職を歴任された今北純一氏でした。


今北氏の華麗なキャリアを見ればわかりますが、
語学力は言うまでもなく、ビジネスパーソンとして
極めて高いスキルをお持ちの方。

しかし、今北氏のような人であっても、
誰もが日々の業務で直面する、ごく平凡に思える
状況をうまく乗り切るスキルを高めるために、
自分自身の心理的な弱さを認識し、
それらとの戦いを続けてきたのだそうです。


ベタスキルは、
ある意味、お辞儀や名刺交換の仕方といった
基本作法の応用版というか、より高度なものだと
言えるかと思います。

ただ、新入社員向けセミナーなどの研修で
身に付くようなものではありませんよね。

あくまで日々の実践の中で、
楽に流れようとする自分と闘い続けるしかないんです。


*以上の内容は、今北純一氏の以下の講演を
 元にしました。

「夕学五十講」
https://www.sekigaku.net/

「世界で戦える人材とは?」(今北純一氏) 
(2009年4月24日開催)

*講師紹介ページ(今北純一氏)

*受講生レポート(今北純一氏)

投稿者 松尾 順 : 2009年05月14日 17:53

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コメント

お久しぶりです。
作業を飛ばさない、というのも、ベタスキルですかね。

細かい事実の収集と、集約の作業の中からでないと、重要な真実が見えてこないものですが、中堅所になってくると、一見地味な作業を端折ろうとしてしまうことがあるなあと。

効率をあげようとしているともいえるのですが、アウトプットがまずければ、効率が良くても、期限に間に合ってもアウトなので。

自分の場合は、そういう避けられない地味な作業があったら、回転数をあげて高速で処理するようにしてます。
これもベタスキルか?

投稿者 菅原 : 2009年05月15日 09:15

菅原さん、ご無沙汰です!
コメントありがとうございます。

うんうん、わかります。

完璧主義になる必要はないけれど、
ちょっとした気のゆるみというか、
「まあいいか」という気持ち、
つまり「心の弱さ」で、仕事を
飛ばしたくなるものですよね。

私の場合、地味な作業は、
何も考えず無心で取り組むとか、
音楽を流しながらやってます。

投稿者 松尾順 : 2009年05月15日 09:31

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