自己を「複雑化」せよ・・・複雑化社会でのサバイバル
変化が激しく、高度化・複雑化した現代の日本社会で
生きていくのは本当に大変なことですね・・・
とても便利な社会には、なりました。
しかし、社会が便利になったということは、
私たちを取り巻く環境は高度化・複雑化している
ということです。
そして、私たちは、
この高度化・複雑化した環境に適応することを
要求されています。
実際、「便利さ」を享受するためには、
PCや携帯電話、ブラウザーといった各種ツール
の使い方に習熟しなければなりません。
また、オンラインショップ、
さらにリアルな店舗においても、
一定の作法・手順(プロトコール)
を理解できていないと、
ちゃんと買い物ができません!
慣れてしまえばサクサクと済ませられる
オンラインショップでの購入も、
最初は手順がわからず右往左往する人が
多いのです。
スターバックスに初めて行った人は、
おそらくどうやって注文したらいいかわからず、
カウンターの前で途方にくれるに違いありません。
ビジネスの世界では、従来「雑用」と呼ばれてきた仕事が、
IT化の進展によってほとんどが消滅しつつあります。
以前から指摘してますが、
現場に配属された新人さんはまず、
電話番とか、コピー取り、おつかい(書類のお届け等)
といった比較的シンプルな仕事をあてがわれ、
「慣らし運転」
をさせてもらう時間がありましたよね。
ところが今の職場はめったに電話が鳴りません。
eメールのやりとりが主体ですし、
たまの電話も本人が直接出ることがほとんど。
もはや電話番は不要。
また、オンラインで書類データをやりとりすることが
増えてコピーは減り、おつかいもほとんどなし。
このため、いきなり企画立案や、
業務の運営管理などの高度な仕事を任されてしまう。
しかし、こうした仕事を仕事経験の浅い若手が
そうそううまくこなせるはずはありません。
大変なプレッシャーです。
失敗することも多いでしょう。
心が折れてしまう人が増えるのも、
仕方がないことかもしれません・・・
ですから、近頃の若者は「我慢強くない」、
あるいは、「打たれ弱い」などと批判するのは、
ちょっと一方的過ぎると私は感じています。
もちろん、大変な思いをしているのは、
若手だけではないですね。
中堅どころや、シニア社員もまた、
近年の急激なIT化によって従来の仕事のやり方が
通用しなくなり、自己変革を迫られています。
しかし、長年続けてきた仕事のやり方を
大きく変えるのは、ベテラン社員にとって
大きなストレスです。
やはり、精神的に参ってしまう人が増えるのも、
やむを得ないことかもしれません。
とはいえ、当事者としての私たちは、
このような厳しい状況において、
どのようにサバイバルすればいいのでしょうか?
至極当然のことではありますが、
第一には、変化する環境に適応できるように、
新たな能力を開発する努力を続けることです。
つまり、自分の能力を複雑化させるということですね。
ただ、これは前述したように簡単ではないし、
一朝一夕ではできないことなので、
メンタル面の工夫
が必要になってきます。
すなわち、環境適応の過程で遭遇する、
様々な苦難や失敗によって簡単に心が折れない
ようにするということです。
そのためには、どうすればいいか?
日々の過ごし方を複雑化させるのです。
具体的には、会社という単一のコミュニティに
閉じこもるのではなく、地域、家庭、そして
趣味・レジャーでの集まりなど様々なコミュニティに
積極的に参加し、自分なりのポジションを確保するのです。
そうすれば、例えば仕事で失敗して自我が深く傷ついても、
暖かく迎えてくれる趣味のコミュニティの中で、
まだ無傷の自我があることに気づくことができるので、
自信回復が可能になります。
つまり、仕事場における「職業人」以外に
「複雑な役割」
を人生において持っておくことが、
生きるうえでの各種ストレスを緩和し、
再び厳しい現実に向き合うエネルギーを
充電する助けになるのです。
複雑化し続ける現代社会には、
「能力」と「生き方」の両面の複雑化戦略で
対抗しましょう!
投稿者 松尾 順 : 2009年04月22日 14:27
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