男性、女性、中性
現代は、あらゆることが
ファジー(あいまい)
になりつつある時代ですね。
たとえば、
男性と女性の境界も日毎にあいまいに・・・
先日、新しく登録した某SNSのプロフィール
の性別のところが、
○男性 ○女性 ○中性
という3択になっていてちょっとびっくりしました!
ついにこんな時代になったかと・・・
とはいえ、対象として想定されている
であろうゲイの方々にとって、
「中性」
という言葉はおそらく、
あまりしっくりこないようにも
思いますが。
投稿者 松尾 順 : 06:30 | コメント (0) | トラックバック
どっちが好き? 丸亀製麺 or はなまるうどん
うどんの話題、続けます。(笑)
最近、うどんチェーンの中で業績好調なのが、
「丸亀製麺」(セルフ式讃岐うどん系)
です。
私の行動圏にはあまり店がなく、
たまにしか食べる機会がありませんが、
東京で食べる讃岐うどん店の中では一番好きです。
なんといっても、
トッピングの天ぷらが「揚げたて」、
「サクサク」でおいしい!
一方、ここ数年、
行く度にがっかりさせられるのが、
セルフサービス式を全国に認知させた
讃岐うどんの雄、
「はなまるうどん」
です。
麺、つゆはさておき、
はなまるのトッピングは、
「揚げたて」ではないことが多く、
衣がボテッとしてます。
食べた後、
どうも胃がもたれる感じ
なんですよね・・・
たまたま私がよく行く店がそうなのか、
それとも、どの店でもおおむね同じなのか、
こんど、他の店にも行ってみようと思います。
ネットでちょっと調べてみましたが、
はなまるに対してあまりネガティブな感想は
見つかりませんでしたけど・・・
とはいえ、知人の中にも、
はなまるの味は最近落ちたという人がいます。
はなまるは、現在「吉野家」の子会社になってますが、
吉野家さんが、はなまるの
「トッピング問題」
を長年放置してきている理由がわかりません・・・
ちなみに、香川県のはなまるは、
他県のお店よりもおいしいみたいですね。
まあ、競合だらけですから、
気合入れて店舗運営してるんでしょう。
投稿者 松尾 順 : 12:22 | コメント (3) | トラックバック
「筑後うどん」ブランド化への挑戦中!
福岡県・久留米市は、
「とんこつラーメンの発祥地」
だということをご存知ですか?
ラーメンマニアの間で、
このことは周知の事実ですが。
ただ、ラーメンブランドとしては、
「博多ラーメン」
が圧倒的に有名ですね・・・
さて、近年、とんこつラーメンに続く、
「新たな久留米発ブランド」
としてその地位を確立しつつあるのが、
「B級グルメ」としての「焼き鳥」
でしょう。
「B級グルメ」は、一言でいうなら、
「安くて旨くて地元の人に愛されている
地域の名物料理や郷土料理」
です。
このこところ毎年、
全国のB級グルメがそのおいしさを競う
「B-1グランプリ」
が行われているのはご存知でしょうか。
昨年(2008年)は、
久留米市が開催地となっています。
従来、焼き鳥といえば、
北海道室蘭市、埼玉県東松山市、愛媛県今治市
の3市が、
「日本3大焼き鳥のまち」
として知られてきました。
つまり、上記3市が焼き鳥の
「3大ブランド」
だったわけですね。
とはいえ、“3大”と言えるほど
ブランドとして十分認知されていたわけ
ではありませんが。
ある時、久留米市のタウン情報誌、
『くるめすたいる』
の編集部が、全国の人口1万人当たりの
焼き鳥店舗数を数えたところ、
「日本3大焼き鳥のまち」
よりも久留米市の店舗数が多いことを発見。
そこで『くるめすたいる』では、
2003年1月号において勝手ながら、
「焼き鳥日本一宣言!」
を行って焼き鳥店を特集。
これをきっかけとして当地では、
「焼き鳥日本一フェスタin久留米」
が毎年開催されるようになりました。
また、「久留米やきとり学会」も発足。
こうして、様々な形で、
久留米焼き鳥振興のための積極的な活動、
情報発信を続けてきています。
その結果、「日本一宣言」から
まだわずか6年ほどではありますが、
“「やきとり」と言えば、久留米だよねぇ”
というブランド連想が既に、
かなり強化されたのではないでしょうか。
(これは、私の偏見<ひいき>も含まれた仮説であり、
アンケート調査等による検証が必要ですが・・・)
この久留米の焼き鳥のケースは、
やりかた次第では、比較的短期間で、
相応のブランドが確立できることを
教えてくれています。
さて実は、今回の記事において
「焼き鳥」
は前座に過ぎません・・・
真打ちとして登場させたいのは、
「筑後うどん」
です。
筑後とは、
福岡県南部のエリアを注します。
久留米市が中核都市。
その他には、柳川市、筑後市、八女市、
そして私のふるさとである八女郡など
が含まれている地方です。
筑後地方にはもちろん、
とんこつラーメン店があちこちあります。
しかし、ラーメン店と匹敵する
店舗数を誇るのが
「うどん屋」
なんですね。
ちなみに、純粋な「そば屋」は、
当地にはほとんど存在しません。
うどん屋に‘そば’も置いてあります。
でも、筑後にいて「そば」を
注文するのは、はっきりいって野暮です!
私自身、筑後に住んでいた10代の頃、
そばを食べるのは大晦日だけ。
つまり年1回でした。
(東京に住む現在は、そばもしょっちゅう
食べてますけど)
話を戻しましょう。
平成16年(2004年)、
地元のうどん屋22店が中心となり、
「筑後うどん振興会」
が結成されました。
同振興会の目的は、
独自のうどん文化を持つ
「筑後うどん」
を盛り立て、
・讃岐うどん
・稲庭うどん
と並ぶ「3大うどん」として
称されるくらいのブランドに育てること。
同振興会では、「久留米の焼き鳥」と
同様のアプローチを取り
「筑後うどん祭」
を毎年開催してきています。
公式ブログも開設。
ただ、ネットなどを通じた情報発信は
傍目から見ると、まだまだ物足りない感じです。
9月19-20日に、秋田県横手市で開催される
B-1グランプリ in YOKOTTE
にも出展しないようですし。
(久留米やきとりは出展)
小さい頃から筑後うどんに
慣れ親しんできた私としては、
筑後うどんが
「全国区ブランド」
に化けてくれるよう、
東京から応援したいと思います。
最後に、筑後うどんの特徴を
紹介しておきましょう。
讃岐うどんと比べて最も大きな違いは、
「麺」
でしょう。
太く、断面が四角い讃岐うどんと異なり、
細めで丸い形状をしています。
そして、全く腰がありません。
ぶよぶよ、ぷにゅぷにゅという食感。
私は勝手に、
「柔腰(やわごし)めん」
などと呼んでいます。
(これは筑後地方に限らず、
福岡県全般に共通している特徴ですが)
なぜ腰のない「ぶよぶよめん」なのか?
ひとつには、主食として食べられてきた香川県
と違い、むしろ、主食に添えられる
「麺入りのスープ」(汁物)
的な役割を果たしているからという説が
あります。(ですから、基本「ぶっかけ」
ではあまり食べません。)
また、漁師たちが、漁の合間に、
短時間でざざっとかき込むのに楽な、
「腰のない細めん」が好まれたから、
という話も聞いたことがあります。
トッピングとしては、
・丸天(直径10センチほどの円形のさつま揚げ)
・ごぼう天
・春菊天
などが、他地域ではなかなか食べられない
独自のものでしょう!
つゆは、透き通った色。
さっぱりと癖のない味であり、
この点では、讃岐うどんとほぼ同じです。
あなたも、久留米、八女など筑後地方を
訪ねることがあったら、とんこつラーメン
だけじゃなくて、
「筑後うどん」
もぜひ楽しんでみてくださいね!
*筑後うどん概要
全国B級グルメスタジアム(富士山静岡空港開港記念)より
*筑後うどん振興会公式ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/chikugoudonshinkoukai
*B級ご当地グルメの祭典 B-1グランプリ Blog
http://blog.livedoor.jp/b1grandprix/
*B-グランプリ in YOKOTE
http://b-1gp.cande.biz/
(参考文献)
『「B級グルメ:の地域ブランド戦略』
投稿者 松尾 順 : 15:25 | コメント (4) | トラックバック
かりんとう&カステラ
先週末、
ちょっと福岡(八女)に里帰りしました。
戻りの福岡空港。
搭乗口に向かっている途中、
「かりんとう饅頭」
の試食販売を発見しました。
かりんとう+饅頭
という一見奇妙な組み合わせが気になり、
一口食べてみたらけっこういける!
1箱買って帰りました。
この商品の正式名称は、
「花林糖まんじゅう 笑x2」
(注)笑の2乗です
鹿児島のメーカー
「美味芋本舗」
が製造してます。
ちょっと気になったので、
ネットで調べてみたんですが、
「かりんとう饅頭」
は、特に鹿児島名産というわけではなく、
全国のあちこちで作られているようですね。
どうやら、「かりんとう饅頭」は、
密かなブームになりつつあるようです・・・
さて、「かりんとう」で思い出したのが、
日経MJ連載中のコラム
「招客招福の法則」
(小阪裕司氏、オラクルひと・しくみ研究所)
に先日書かれていた内容です。
ある店が、
中華街で人気の冷凍食品、
「かりんとうドーナツ」
を仕入れたんだそうです。
これは本来自然解凍して食べるもの。
しかし、この店では冷蔵庫で解凍し、
冷たいままで食べる
「冷菓」
として店頭で売ることにしました。
見た目はかりんとうなので、
「冷やしかりんと」
とネーミング。
チラシを作り、
既存客にはDMも送付。
店の前には、
立て看板まで置きました。
ところがさっぱり売れない。
味や食感には自信があったのに・・・
そこで、20代の男性に試食してもらったところ、
“チェーン店のドーナツに負けていないですね。
もうひとつ食べていいですか”
と、実際食べてみた人の評価は高かったのです。
店主は、この男性が、
「かりんと」
ではなくてしきりに
「ドーナツ」
と言うことに気づき、
「冷やしドーナツ」
と名称を変更したところ、
急に売れ始めたのだそうです。
なぜ、ネーミングを
かりんと→ドーナツ
と変更したことが功を奏したかの理由について、
小阪氏は、次の2つの理由を挙げていました。
・ドーナツの方が、かりんとよりも食べている人が
多いから、ドーナツという言葉にピンとくる人が
多いのかもしれない
・あるいは、あたたかいイメージのあるドーナツが
「冷やし」と形容されたことで「おや」と思った
のかもしれない
どちらも理由としてはありそうですが、
やはりなんといっても、
「なじみ度合い」
の違いだと私は思います。
今の若い人は、
「かりんとう」
をあまり食べることがないため、
はピンとこないのです。
ちょっと古臭いイメージもありますね。
日本の伝統的なお菓子である
「かりんとう」
は、おそらく40代以上の方には、
小さい頃から慣れ親しんだ味でしょう。
しかし、次々と新商品が生まれ、
多種多様なお菓子にあふれた時代に育った
30代以下の人にとって、「かりんとう」は、
めったに食べる機会のないお菓子。
コンビニでもほとんど目立ちませんしね。
しかし、よけいな添加物がほとんど
含まれておらず、自然な味わいが楽しめる、
昔ながらのお菓子
が再評価されつつあるのが現代です。
ただし、昔ながらの味はさておき、
昔ながらの考え方、つまり
「職人的売り方(味がよければ売れる)」
からは、脱却する必要があります。
つまり、上述した
・かりんとうまんじゅう
・かりんとうドーナツ
のような斬新な新製品の投入や、
洗練されたネーミング、パッケージへの
変更によって、若年層を中心として新規客
を獲得する努力が求められているのです。
ちなみに、福岡空港では、
「キューブカステラ」(福砂屋)
とという製品も発見。
買って帰りました。
「キューブカステラ」は、
手にちょうど乗るくらいの大きさの
サイコロ状の紙製のパッケージ。
パッケージの色は5色あります。
見た目も楽しい。
パカっという感じで、
左右に開くとカステラが2切れ!
しっとりした食感が最高でした。
通常のカステラ一本だと、
ちょっとボリュームがありすぎ
ですよね。
自家用にしろ、贈答用にしろ、
買うのに躊躇しますが、
「キューブカステラ」
なら気楽に買えます。
長崎名産のカステラも、
とてもおいしいお菓子です。
しかし、なかなか食べる機会が
ないのが現実ですよね。
やはり、時代に合わせた
「イノベーション」
が伝統菓子にも必要なのだと、
改めて感じました。
*文中で引用した日経MJのコラム
「招客招福の法則」は、2009年8月5日掲載分です。
*オラクルひと・しくみ研究所
http://www.kosakayuji.com/
*美味芋本舗
http://www.umaimohonpo.com/
*キューブカステラ(岩田屋オンラインショップから)
http://www.iwataya.co.jp/net/foods/miyage/07/
製造元、福砂屋のHPには当商品は未掲載です。
(なんで・・・?)
投稿者 松尾 順 : 10:55 | コメント (0) | トラックバック
Webアナリスト養成講座 - Web Analytics: An Hour a Day -
今日は、
「Webサイトの調査・分析」
について書かれた、
現時点では最強!と言える教科書(翻訳書)
をご紹介します。
この本のタイトルは、
『Webアナリスト養成講座』
(原題:Web Analytics: An Hour a Day)
アビナッシュ・コーシック著、
衣袋宏美監訳、内藤貴志訳、翔泳社
です。
なお、「Webサイトの調査・分析」は、
「Web Analytics」(ウェブ・アナリティックス)
と世界的には呼ばれています。
ここでは、シンプルに和訳して、
「ウェブ分析」
と呼ぶことにします。
さて、欧米、そして日本でも一般に、
「ウェブ分析」
と言うと、
「アクセスログデータ」
などを収集して集計・分析を行う、
「ページ遷移分析」(ページ閲覧状況の分析)
のことを指します。
しかし、同書の著者、コーシック氏によれば、
ページ遷移分析はウェブ分析の
“ほんの一部分”
にしか過ぎません。
逆にいえば、ページ遷移分析では、
不十分であるということです。
なぜ不十分なのでしょうか?
それは、ページ遷移データは、
・サイト訪問者がどのページを見たのか
・どのくらいの間滞在したのか
・どの商品を購入したのか
といったこと、すなわち
「WHAT(何が起こったのか)
しかわからないからです。
欠けているのは、
「What(何が起こったのか)」
の背景にある
「Why(なぜ起こったのか)」
のデータです。
具体的に言えば、
・サイト訪問者は、なぜそのページを見たのか
・なぜ、サイトにそれだけ長く(短く)留まったのか
・なぜその商品の購入に至ったのか
といった訪問者の意識、感情、欲求などの
「心理状態」
についての洞察が、
ページ遷移分析からでは
ほとんど得られないのです。
ですから、
ウェブ分析のためにはできれば、
「What」と「Why」
の両方のデータを揃えるべきです。
そうすれば、より望ましい結果
(リピート率や購買率の向上など)
を得るために、
Webサイトをどのように改良すべきか
という具体的なアイディアを生み出すこと
が可能になります。
以上のことは、
アクセスログ分析結果のレポートしか
見たことのない方には、実感として
ご理解いただけるのではないでしょうか?
“ログ分析で現状はわかった・・・
でも、実際にどうサイトを改善すればいいのか、
レポートの数字だけ眺めてもさっぱりわからん!”
こんな風に嘆いたことはありませんか?
もちろん、ログ分析の結果からだけでも、
サイト訪問者の心理をある程度推測は可能ですが、
その推測が果たして正しいものであるかどうかを
検証することができません。
ですから、コーシック氏は、
「What」に加えて「Why」に関わるデータの
収集・分析を重視しており、
・顧客満足度調査
・ユーザーテスト
・アンケート調査
など、サイト訪問者の生の声を集めることができる
各種定性調査・定量調査をページ遷移分析と組み合わせて
行うことを提唱しています。
つまり、コーシック氏の考える
「Web分析」(Web Analytics)
とは、ページ遷移分析にとどまらない、
様々な調査・分析法を組み合わせた
「包括的な仕組み」
なのです。
コーシック氏は、
この包括的な仕組みを詳述するに当たって、
「三位一体法」
という新たな枠組み・切り口を提示しています。
「三位一体法」の目的は、
具体的な行動(端的には「成果につながる顧客行動」)
に結びつく「洞察と指標」を得ることです。
ここで「洞察」とは、
改善のための具体的なアイディアのこと、
「指標」とは、行動を定量的に把握できる数値
のことだと理解してもらうといいでしょう。
そして、Webサイト担当者は、
三位一体法で得られた
「洞察と指標」
を活用することによって、
自社のWebサイトの
戦略的な差別化と永続的な競争優位性
が実現できるとコーシック氏は述べています。
さて、三位一体法とは、
以下の3つの要素のことです。
-------------------------------------------
1.行動分析
従来の「ページ遷移分析」を主体とする「What」の分析
2.成果分析
売上、リピート率、コンバージョン率など、いわゆる
「KPI(Key Performance Indicator:主要成果指標)」の分析
3.エクスペリエンス分析
「Why」のデータが得られる各種調査・分析
(前述した顧客満足度調査、ユーザーテストなど)
---------------------------------------------
コーシック氏は、上記3つの要素のうち、
・「成果分析」は義務的なもの
と述べています。
なぜなら、成果分析は、
なんのために(どんな成果を上げるために)
Webサイトが存在しているのか
ということに端的に答えるものだからです。
これに答えることができなければ、
Webサイトの存在を説明できませんよね。
だから義務的なものなのです。
一方で、
・エクスペリエンス分析は最も重要なもの
と指摘しています。
なぜなら、
“エクスペリエンス分析を使えば、
顧客の考えていることが手に取るようにわかり、
なぜそのような行動を取るのかについて
洞察とひらめきを得られるから”
です。
私自身、マーケティング・リサーチャーとして、
これまで、様々な業種・業態のWebサイトを
対象とするウェブ分析を多数行ってきました。
その中で、実際に適切なサイトの改善を行い、
狙い通りの成果を出すことに成功しているのは、
コーシック氏の言う
エクスペリエンス分析
を重視し、相応の予算を割いている企業です。
本書は、邦題が
「Webアナリスト養成講座」
とあるように、
「分析実務」に役立つ専門的な内容が
含まれています。
したがって、分析担当以外の方には、
ちょっと難しい箇所もあります。
それでも、「三位一体法」のような、
ウェブ分析における基本的な考え方は、
企業の役員クラスの方にもぜひ理解して
おいてもらいたいことです。
ですから、Webアナリストの方は本書を読むだけでなく、
ウェブ分析の意義や役割を社内、とりわけ上層部に
理解してもらえるよう、コーシック氏の説く、
「三位一体法」
の考え方をぜひなんらかの形で伝えていくことを
お勧めします。
『Webアナリスト養成講座』
(原題:Web Analytics: An Hour a Day)
アビナッシュ・コーシック著、
衣袋宏美監訳、内藤貴志訳、翔泳社
投稿者 松尾 順 : 16:40 | コメント (5) | トラックバック
水出し茶 vs 氷出し茶
最近、耐熱ガラス製のポットを使って、
「水出し茶」
を作っています。
作るのに5-6時間かかりますが、
ペットボトル茶を買わなくてすむので
お金の節約にもなりますし、なにより
自然な味でとてもおいしい!
「水」じゃなくて「氷」にすると、
さらにおいしいみたいですね。
ただ、「水」出し茶用ポットが1,000円程度で買えるのに
対して、「氷」出し茶用ポットは5,000円ほどもします。
価格差5倍やで!
どちらかを買うとしたら、
あなたならどちらを選びますか?
投稿者 松尾 順 : 22:59 | コメント (0) | トラックバック
地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (6)六番
当シリーズ映画の基本コンセプトは、
「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな
生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、
他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」
というもの。
世界の賢人たちへの取材を通じて、
ガイアの思想が決して妄想でないことを
実感させてくれます。
今回は、2006年に公開された「六番」をご紹介します。
第六番は「音楽家特集」と言える内容です。
メインの出演者は全員外国人ですが、
日本からは、
「虚空の音」
の演奏家として以下の人たちが、
心に染み入る演奏を聞かせてくれています。
・奈良裕之(弓、スピリット・キャッチャー)
・KNOB(ディジュリドゥ、天然空洞木)
・雲龍(笛)
・長屋和哉(打楽器・磬)
<ラヴィ・シャンカール>
シタール奏者として、
世界的に有名なラヴィ・シャンカール。
ビートルズ時代のジョージ・ハリスンが
シャンカール氏の音楽に魅せられて弟子入りし、
半年ほど彼の元で修行しています。
シャンカール氏によれば、
インドでは、
「音(ナーダ)」
には次の2種類があると、
言われているそうです。
・アーハタナーダ(私たちの耳に聞こえる通常の音)
・アナハタナーダ(私たちの耳には聞こえない虚空の音)
また、インドには
「ナーダ・ブラフマー」(音は神なり)
という言葉もあります。
この世を生み出し、動かしているのは、
耳に聞こえない音の波だと考えられているのです。
インドで言う「音」とは、
おそらくすべての「波動」を含む概念なのでしょう。
こうした考え方は、
「量子理論」
の考え方(量子は「粒」と「波」の両方の性質を備えている)
に通じるものがあります。
シャンカール氏は、
私たちの耳に聞こえない「波」を美しい音楽に変えて、
世界の人々と分かちあいたいと願っています。
<ケリー・ヨスト>
アイダホ州で生まれ育ち、
その美しい自然をこよなく愛する音楽家、
ケリー・ヨストは、ふるさとの自然環境保護活動
にも積極的に関わってきています。
彼女は一切ライブコンサートを行わず、
じっくりと時間をかけて磨き上げたクラシックの
名曲を収録したCDを自費出版してきました。
ヨスト氏の透明な音楽は、
口コミで世界に広がっていったのです。
彼女は一人っ子として育ちましたが、
山の中にいると孤独を感じません。
河原にある石ころの思いや山の心を
感じることができるから。
すべてのものが「命」だけでなく、
「意識」さえ持っている。
すべてが、しかるべき場所で、
しかるべき役割を持って存在している。
ヨスト氏は、
こうした感覚を音楽の中にも
感じるのだそうです。
演奏者の使命について
ヨスト氏は次のように考えています。
“音楽には、作曲家や演奏者を超えた、
「光」にも似た偉大な力が潜んでいる”
“演奏者は、その偉大な力を引き出し、
溶け込み、自分を消し去る”
“私は、音楽の「通り道」になりたいのです。”
ヨスト氏は、音楽の「通り道」になるため、
常に自分を清め、波動を整えて透明になろうと
努めています。
<ロジャー・ペイン>
ペイン氏は、ザトウクジラの歌を
水中マイクを使って録音し、解析した結果、
人間と同じ方法で作曲し、歌っていることを
世界で始めて発見しました。
たとえば、基本の旋律を徐々に変化させながら
繰り返し、また基本の旋律に戻る
「ソナタ形式」
の歌をクジラは作ります。
また、しばしば「韻」を踏む曲さえ作ります。
ペイン氏によれば、韻を踏むのは、
長い歌を忘れないためだろうとのこと。
人間とほぼ同じ容積の脳と深いしわを持つクジラは、
私たちのような言葉は持ちませんが、独自の文化を
築いていることは確かです。
クジラの歌は、1977年に打ち上げられた
ボイジャー1号、2号に搭載されたレコードにも
収録されて、今も宇宙を旅しています。
ペイン氏は、このクジラの歌は
私たち自身に向けたメッセージでもあると
述べていました。
私たちは、今ようやく気づき始めているのです。
私たちはショーの主役ではないことに。
人類が、これからも「地球」という舞台の主役
であるかのように振る舞い続けるなら、
舞台そのものを破壊してしまうことになるということに。
*GAIA SYMPHONY official site of jin tatsumura
http://www.gaiasymphony.com/
投稿者 松尾 順 : 16:08 | コメント (0) | トラックバック
地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (5)五番
当シリーズ映画の基本コンセプトは、
「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな
生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、
他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」
というもの。
世界の賢人たちへの取材を通じて、
ガイアの思想が決して妄想でないことを
実感させてくれます。
今回は、2004年に公開された「五番」をご紹介します。
実は、第四番までの出演者のうち、
第五番の撮影開始時点で次の3人の方が
既にこの世を去っていました。
・野澤重雄
・ジャック・マイヨール
・星野道夫
五番では、彼らの霊を弔うため、
3人の名を記した「精霊船」が流される様子が
含まれています。
また2003年には過去の出演者たちのうち、
以下の4人が次々と来日。
・スーザン・オズボーン(第二番、三番の主題歌を歌った)
・ラッセル・シュワイカート(元宇宙飛行士)
・ジェームス・ラブロック(ガイア理論提唱者)、
・14世ダライ・ラマ
・ジェーン・グドール(霊長類学者)
彼らの来日の模様も収録されています。
さて、第五番のメインの出演者は、
石垣昭子氏とアーヴィン・ラズロ氏の2人です。
<石垣昭子>
草木染織作家、石垣氏は、
一度は廃れてしまっていた沖縄の伝統的な
「草木染織」
を復活した方です。
五番では、「芭蕉」という多年草から、
手作業で繊維を取り出して割き、
糸を生み出す根気のいる工程が紹介されています。
沖縄では、
「魂」のことを「マブヤー」と呼ぶそうです。
石垣氏は、糸づくり・布づくりを手間をかけ、
丹念に行うことで、芭蕉の中に元々あった
「マブヤー」
を糸や布にも残していくことが大事だと考えています。
石垣氏が染色に使う草木は
赤 → 紅露(クウル)、イモ科の自生植物
黄 → 福木(ふくぎ)の表皮
青 → 藍
などです。
山の急な斜面にしか生えない紅露を探し、
取ってくるのは石垣さんの旦那さんの役割。
必要な分だけ取り、根は残します。
新しい実がつくように。
また、樹齢数百年にもなる「福木」から、
表皮の一部を剥ぎ取る際には、次のように祈ります。
“木の神さま、私の分を分けてください”
削りとられた福木の表皮は、
数年のうちに、すっかり再生してしまいます。
石垣氏によれば、化学繊維は、
自然な草木の色には決して染まらない
のだそうです。
だからこそ、「糸」づくりにこだわる。
芭蕉を植えるところから始まり、
ようやく最後に「糸」として目に見える形に
なるまでの膨大な年月と単調な作業の連続は、
実に大変で厳しいものです。
しかし、糸になる以前の
「見えない仕事」
に手を抜かないことが、
「マブヤー」
のある優れた染織作品につながると、
石垣氏は考えているのです。
<アーヴィン・ラズロ>
幼少の頃、天才ピアニストとして
名をはせたラズロ氏。
彼は、芸術的な感性を磨いたおかげで、
「世の中を全体のつながりの中でみる」
という思考をずっとしてきました。
これは、通常の科学の思考法、すなわち
要素に分解していくことでものごとを
理解しようとする
「還元主義的な世界観」
とは異なる見方です。
ラズロ氏は、
“自然界にはなにひとつ偶然はない”
と言います。
すべてがつながっており、
全ての命が共に働き、変化し、進化し、
響き合っている。
ですから、ある場所で起きた微細な変化でさえ
遠く離れた場所に何らかの変化を着実に与えて
います。
さて、最新の量子物理学の研究成果によれば、
私たちは、とてつもないエネルギーに満たされた
「量子エネルギー場」
の中にいます。
そして、世の中のあらゆる出来事は、
この量子エネルギー場に何らかの痕跡を
「情報」として残すのだそうです。
この情報は、量子エネルギー場に
ずっと記憶され続けるのです。
ラズロ氏は、
“宇宙は記憶を持っている、だから
過去は今も生きています。”
と述べています。
ダーウィンは、生命は偶然(の変異)によって
進化したと考えましたが、偶然で進化する
確率は極めて低いのです。
むしろ、生命は、量子エネルギー場を通じ、
現在・過去の情報をお互いに交換しあうことで
効率的に進化を果たした。
ラズロ氏はこのように考えています。
*GAIA SYMPHONY official site of jin tatsumura
http://www.gaiasymphony.com/
投稿者 松尾 順 : 14:49 | コメント (0) | トラックバック
平安神宮奉納 Anointed Mass Choir ゴスペルコンサート with 綾戸智恵
今月末8/29(土)、京都・平安神宮の特設ステージで
国内最大規模のゴスペルコンサートが開催されます。
主催は今年設立10周年を迎えた、Anointed Mass Choir。
全国に拠点を持ち、総勢1000名のメンバー数のゴスペルグループです。
京都の名所でもある平安神宮がこの日、特別にライトアップされ、
大勢のクワイヤーメンバーのバックにライトアップされた大極殿が
映って見えるようです。
ゲストに人気のジャズシンガー綾戸智恵さん。
ナビゲーターに森本レオさんも登場。
滅多に見られない、この日限りのスペシャルイベントです。
みなさんの周りの方で興味のありそうな方がいたら、ぜひご案内下さい。
■ Anointed Mass Choir ゴスペルコンサート with 綾戸智恵
・日時:2009年8月29日(土)18:00開場、18:30開演
・場所:平安神宮大極殿前・特設ステージ
・共演:綾戸智恵
・ナビゲーター:森本レオ
・ゲスト:つづらのあつし(sax)、青柳誠(key)
・主催:Anointed Mass Choir (HP: http://www.anointed.jp)
・共催:京都新聞社
・チケット:前売り:8,000円、当日:9,000円
・購入方法:チケットぴあ(Pコード:331-204、受付番号:0570-20-9999)
ローソンチケット(Lコード:51585、受付番号:0570-084-005)
・お問い合わせ:080-1550-8323、090-3967-4022 または info@anointed.jp
投稿者 松尾 順 : 09:50
地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (4)四番
当シリーズ映画の基本コンセプトは、
「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな
生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、
他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」
というもの。
世界の賢人たちへの取材を通じて、
ガイアの思想が決して妄想でないことを
実感させてくれます。
今回は、2001年に公開された「四番」をご紹介します。
<ジェームズ・ラブロック>
ラブロック氏は、「ガイア理論」の提唱者です。
彼は、地球がひとつの生命体である根拠として
映画の中で2つの現象を示しています。
ひとつは、地球の平均気温が、
おおむね一定に保たれてきたことです。
もちろん、地域によって寒暖差がありますが、
おおむね生命が耐えられる温度の幅に維持されている。
実は、数十億年前と比較して、
現在の太陽の温度は30%も高くなっていることが
わかっています。
それでも気温が高くなりすぎないように、
地球はうまく自己調節してきているということなのです。
また、大気中の酸素濃度も過去8億年間、
ずっと21%に保たれてきています。
あと1%酸素濃度が高かったら、
山火事が消えることができず、
地球の森林は消滅してしまうと考えられています。
つまり、酸素濃度は、
極めて微妙なレベルに維持されてきています。
生命にとって「地球環境」は、
外部にある所与のものではありません。
生命もまた地球環境の形成・維持に
さまざまな形で寄与しているというのが真実。
ラブロック氏は、
観念的・抽象的な「神」の存在を
否定はしませんが、むしろ、
目に見え、感じ、理解することができる
「地球」
そのものを敬うことを勧めます。
そうすれば、私たちが何をすべきか、
また何をすべきでないかという道徳的な判断も
可能になると主張しています。
<ジェリー・ロペス>
ハワイ生まれの伝説的なサーファー。
彼の母親は日系3世で、
“イタクラ・ケン”
という日本名も持っています。
彼にとってサーフィンはダンスのようなもの。
サーフボードがパートナー。波が音楽。
波に乗ってダンスが始まるのです。
ロペス氏は、長年、
海という強大な大自然と共に過ごしてきた体験から、
“大自然には対抗できない。
対抗しようとすれば悲惨な結果を招く。
我々ができるのはともに歩むことだけだ”
と考えています。
<ジェーン・グドール>
ジェーン・グドール氏は、
チンパンジーが道具を使うことを
初めて発見した世界的に有名な霊長類学者です。
彼女は、実は1歳半の頃、
父親からチンパンジーのぬいぐるみをもらい、
ジュビリー(Jubilee)
と名づけて、肌身離さず大切にしてきました。
後にチンパンジー研究の道に入ることになるとは、
ジュビリーはまさに「予兆」だったと、
グドール氏は述べています。
彼女は、チンパンジーの生態観察のため、
最初、タンザニア・ゴンベの森に入り、
母親と共にテント生活をしていました。
森にずっと暮らしたおかげで、
彼女が気づいたことがあります。
それは、
森には「死」というものがない
ということです。
あるのは生命の循環だけ。
一本の木が倒れると、
そこから新しい命が育まれる。
「死」が次の「生」をもたらしてくれる
ということがはっきりわかるのです。
<名嘉睦稔(なかぼくねん)>
沖縄県・伊是名島生まれの版画家。
彼の作品のほとんどには、
伊是名島で毎日触れ合った、
豊かな色彩や奇妙な形
を持つ生物たちの独特のイメージが
刷り込まれています。
睦稔氏は、
子どもたちへのメッセージとして
沖縄に昔から伝わる、ある格言を
紹介しています。
それは、
「生(う)まりれぇー 同歳(ちゅとぅし)ん人(ちゅ)」
というものです。
この言葉は、この世に生を受けた者は、
子どもも、90歳のお年寄りも全て同じ年だと考えよ
という意味です。
なぜなら、いつ死ぬかは、
現在の年齢とは関係ないからです。
だからこそ、生きている今、この瞬間を
おろそかにしてはいけないのだということを
教えているのだそうです。
“この世界は本当にすばらしい、
世界の子どもたち皆が幸せになったとしても、
決して幸せが減ることはない”
睦念氏はこう信じています。
*GAIA SYMPHONY official site of jin tatsumura
http://www.gaiasymphony.com/
投稿者 松尾 順 : 16:15 | コメント (0) | トラックバック
地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (3)三番
当シリーズ映画の基本コンセプトは、
「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな
生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、
他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」
というもの。
世界の賢人たちへの取材を通じて、
ガイアの思想が決して妄想でないことを
実感させてくれます。
今回は、1997年に公開された「三番」をご紹介します。
<星野道夫>
アラスカの大自然や人をモチーフに
私たちの目をひきつけて離さない写真を
数多く残した星野道夫氏。
彼は、1996年8月8日、
ロシアのカムチャツカでヒグマに襲われ、
この世を去ります。
同年9月から、第三番の出演者として、
取材が始まる直前のことでした。
したがって、第三番は、
星野氏と親しくしていたアラスカの友人たちによる、
星野氏の回顧録的な内容になっています。
実は彼は、アラスカの少数民族、
クリンキット族から、
「カーツ」
という名前をもらっていました。
「カーツ」は、クマの父親、
人間の母親を持つ伝説上の存在です。
クリンキット族はクマを崇める一族であり、
星野氏は、その一族として認められたのでした。
皮肉なことに、
星野氏はクマに襲われて命を落とします。
友人たちはこの悲劇について、
“道夫は自らの命をクマに捧げたのだ”
“道夫は、クマのことを悪くは思っていない”
と考えることで、
かけがえのない友を失った気持ちの整理を
しています。
でも実際、星野氏自身は、
次のように語っているのです。
“一撃で人を倒せるクマの力を知ると、
そんな自然がまだこの地球にあると
わかって、ちょっとほっとしますね・・・”
<フリーマン・ダイソン>
天才物理学者。
弱冠24歳で、相対性理論と量子力学を統合する方程式、
「ダイソン方程式」
を発見します。
ダイソン氏は、地球は、
月の表面のように単調ではなく、
多様な命で満ち溢れているからこそ
美しいのだと述べています。
そして、ダイソン氏は、
この美しい地球を今のままで残すためには、
人類は宇宙に移住すべきであると考えています。
彼によれば、この宇宙移住は、
数千年以内に実現するだろうとのこと。
(それまで地球がもつでしょうか・・・?
私個人としてはそれでは手遅れのような気がしますが)
<ナイノア・トンプソン>
トンプソン氏は、ハワイの先住民族です。
彼が最初に学んだ言葉はハワイ語です。
そして、小さい頃は先住民族の文化に
囲まれて育ちました。
ところが、学校に入ったとたん、
ハワイ語を話したり、フラダンスを踊ると
ムチで叩かれ、止めさせられるという経験を
しています。
さて、ハワイの先住民族の祖先は、
南方のミクロネシアから、数千年前、
太平洋5千キロをはるばる航海して
やってきたと考えられていました。
しかし、そんな昔の素朴な航海技術では、
5千キロも離れた島からやってこれるわけが
ないと、この可能性は否定されていたのです。
そこで、トンプソン氏は、
太陽や月、星、風、波などの自然の様子だけで
船の位置や方角を推測し、進路を決定する
ナビゲーション技術を学びます。
そして、1980年、500年ぶりに復興した
遠洋航海カヌー「ホクレア号」のナビゲーター
として、海図や磁石、羅針盤等を一切使うことなく、
ハワイ=タヒチ間の往復航海に成功したのでした。
彼は、心の中に目的地である島をはっきりと
イメージすることの重要性を説きます。
月も星も隠された曇天の夜、
風も吹かず、波も見えない漆黒の闇の中を
漂う船上でどうやって進むべき方向を知るのか?
それは、目で見ようとすることではなく、
自分の内面に気を集め、外界の自然を感じること
によって、見えない島をビジョンとして描き出す
ことによってです。
心の中の島の存在を本気で信じることができれば、
道を失うことはありません。
トンプソン氏は、子どもたちにも、
見えない島への航海に出て欲しいと願っています。
*GAIA SYMPHONY official site of jin tatsumura
http://www.gaiasymphony.com/
投稿者 松尾 順 : 15:02 | コメント (0) | トラックバック
地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (2)二番
当シリーズ映画の基本コンセプトは、
「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな
生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、
他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」
というもの。
世界の賢人たちへの取材を通じて、
ガイアの思想が決して妄想でないことを
実感させてくれます。
今回は、1995年に公開された「二番」をご紹介します。
<佐藤初女(はつめ)>
厳格な士族の娘として生まれた佐藤さんは、
若い頃、結核に苦しみました。
ある時、「薬」では自分の病気は治らないと
悟った佐藤さんは、地元で取れる自然の食材を
使った食事を通じて健康を回復するのです。
佐藤さんが、
青森県の岩木山のふもとに開設した
「森のイスキア」
には、全国から、
苦しみや悲しみを抱えた人がやってきます。
佐藤さんは、素朴な、しかし、
自然の恵みにあふれた食事を彼らにふるまい、
ただそばに寄り添うだけです。
ところが不思議なことに、
彼らは生きる勇気をもらい元気に帰っていきます。
佐藤さんは「めんどくさい」というのが嫌いです。
何事も、ある程度の線まではみんなやる。
しかし、そこで「めんどくさい」とやめてしまう。
佐藤さんはめんどくさがらず、
その線を超えるまでがんばるのです。
また、「今日」と「明日」が同じなのもいやです。
ちょっとでもいいから違っていたい。
そのために佐藤さんは日々の生活の
細かいことにも、決して手を抜くことがありません。
この映画で紹介される
青森県・弘前の四季の移ろいは本当に美しいです。
<ジャック・マイヨール>
1983年、56歳の時、ジャック・マイヨールは、
素潜り(フリーダイビング)で
105m
という世界記録を樹立します。
ちなみに、同等の競技(コンスタント・ウェイト)
の現在の世界記録(男)は122m。日本記録は105m。
マイヨール氏は子どもの頃、
佐賀・唐津の海で海女の子どもたちと
泳いでいました。
ある日、近くに寄ってきたイルカと
マイヨール氏の目が合った瞬間、彼は閃きます。
「将来、自分はイルカと一緒になにかやることになる」
と・・・
さて、マイヨール氏は、
「生」と「死」
は、「表」と「裏」の関係だと考えています。
例えば、赤ちゃんは、
生まれる時、「死」を通過してくるのです。
すなわち、母親とつながっていた
「へその緒」
を切られます(これが死)。
しかし今度は、
「呼吸」
によって母なる大宇宙とつながる。
大宇宙という子宮に戻るようなものだと、
語っています。
彼の夢は、
「イルカの老人ホーム」
を作ることでした。
すなわち、水族館で長年人間に
奉仕させられてきたイルカたちが、
余生をゆっくりと送れる場所を提供すること。
残念ながらマイヨール氏は2001年に
自らの命を絶ち、イルカの老人ホームが
実現することはありませんでした。
<フランク・ドレイク>
ドレイク氏は、
ET(地球外生命体)
の存在の可能性を示した
「ドレイク方程式」
で有名です。
ドレイク方程式によれば、
私たちが交信可能な宇宙人(宇宙文明)の数は、
最低20万~最大200万
と考えられます。
ただ、過去半世紀にわたて続けられてきたものの、
宇宙人の存在を立証できるデータは、
まだ入手できていないようです。
ひょっとしたら、米国政府が
隠しているのかもしれませんが・・・
余談ですが、米国人が、米国政府に
開示を求める資料のトップに来るのは、
宇宙人についての極秘資料です。
ドレイク氏は、宇宙人に会いたい理由を
次のように語っています。
“自分が何者であるかを知りたいのです。
そして、これから人間はどうなっていくのか
また、地球に人間が登場した理由を教えてほしい。
彼らは我々よりもはるかに進化しているはずですから”
<14世 ダライ・ラマ>
14世ダライ・ラマは、
13世の生まれ変わりとして2歳の時発見され、
4歳で法王に即位。
法王は、自分の小さい頃を振り返り、
ダライ・ラマとしての修行は厳しいものだったが、
いつもいたずらをしたり冗談ばかり言う子ども、
つまり、
「ふまじめダライ・ラマ」
だったと自らを茶化しています。
法王は、チベット人の典型的な気質として、
穏やか、ほがらか、友好的、平和的
といった点を挙げます。
こうした気質が育まれる背景には、
仏陀の教え、特に、
「全ての生きとし生けるものに尽くす」
という大乗仏教の教えがあります。
法王の夢は、
「チベットを世界の人のための平和と癒しの地にすること」
です。
このためには、チベット人一人ひとりが
平和な心を持つ必要があります。ですから、
教育に最も力を入れているのだそうです。
法王は、
地球の未来に対してとても楽観的です。
私たち人類の知性によって、
問題は解決できると確信しています。
ただし、全ての人たちの
地球的規模での気づき
が必要だと法王は強調します。
この世界は全てがつながりあっているからです。
法王自身も、
自分にできることを精一杯やるだけ
だと語っています。
*GAIA SYMPHONY official site of jin tatsumura
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投稿者 松尾 順 : 11:15 | コメント (0) | トラックバック
地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (1)一番
当シリーズ映画の基本コンセプトは、
「“母なる星地球(ガイア)”は、それ自体が一つの大きな
生命体であり、我々人類は、その大きな生命体の一部分として、
他の全ての生命体と共に、今、ここに生かされている」
というもの。
世界の賢人たちへの取材を通じて、
ガイアの思想が決して妄想でないことを
実感させてくれます。
今回は、1992年に公開された「一番」の中から、
印象深いところを抜粋してご紹介します。
<野澤重雄氏>
野澤氏は、たった一個のトマトの種を
巨木のように大きくし、1本のトマトの木から、
13,000個以上の実をつけることを実現した植物学者。
(普通に育てたトマトになる実は、
1本あたり60個くらいだそうです。)
トマトの巨木を育てるのに、
野澤氏は、農薬も遺伝子操作も行いません。
水耕栽培によって、
最初からたっぷりと水分と養分を与える。
すると、トマト自身がそのような環境に
あることを把握し、その生命力を大きく
発揮するのだそうです。
大事なのは、まだものごころがつかない
小さな芽のうちから、
「大きく育っていいんだ!」
ということをトマトに感じさせることなのです。
あらゆる生物は、
周囲の環境を明確にキャッチし、
その環境に適応しようとします。
小さな鉢に植えられた盆栽が、
庭に植え替えられたとたん大きく育つのは、
外部環境の「許容度」みたいなものを
ちゃんと感じていることの証拠でしょう。
野澤氏によれば、現在の科学ではまだ、
1本のトマトが13,000個もの実をつけることを
うまく説明できないのだそうです。
科学は絶対ではありません。
自然の高度なメカニズムは、
現代の科学の枠を超えたところにあります。
野澤氏は、科学者と一般人が一緒になって、
このかけがえのない地球の自然環境を守っていく
べきだと考えています。
<ラッセル・シュワイカート>
シュワイカート氏は、
アポロ9号に乗った元宇宙飛行士。
宇宙飛行士になる前は、
原子爆弾を積んだ戦闘機のパイロットでした。
当時、彼は東南アジアの有事に
備えていたのですが、
もし原子爆弾の投下命令を受けたら、
・自分は投下するだろうか
・何を基準に投下するのか
をいつも考えていました。
ただ、考えた結論は、いつも
「投下する」
ということになったのだそうですが。
(シュワイカート氏は、広島に何度か訪れて、
日本の原爆被害者に追悼を捧げています)
さて、シュワイカート氏は、
宇宙からみた地球の美しさに驚嘆し、
人生観が変わってしまいました。
彼は、宇宙で彼が感じた気持ちを説明するのに、
スペースシャトルに搭乗したサウジアラビアの
サウド王子の言葉を引用しています。
“宇宙に行って1日目、まず自分の国を探す。
3日目には、自分の大陸を指差す。
5日目、私たちはただひとつの地球を見るようになる”
シュワイカート氏は、人類が宇宙に飛び出すのは、
母なる地球という子宮から生まれ出るようなもの
と考えており、
「宇宙的誕生(Cosmic Birth)」
と言う言葉を使っています。
<ラインホルト・メスナー>
メスナー氏は、世界の8,000m級の高山すべてを
単独・無酸素での登頂に成功したスーパー登山家。
高度8,000mは、
およそ生命の存在を許さない死の世界。
なぜ、メスナー氏は、
そんな死の世界に無酸素で挑戦したのでしょうか?
山を征服したかったのではありません。
自分が登れるということを証明したかった
わけでもない。
一言でいえば、自分を知りたかった。
自分という有限の肉体、ハダカの肉体を試し、
どれだけ命の可能性を拡げられるかを
確認したかったのです。
メスナー氏もまた
極限への挑戦を通じて、
自分が大自然の一部であることを
強く実感しています。
そして彼は、人間にとって
・スピリット(霊的な魂)
・マインド(理知的な心)
・ボディ(物理的な肉体)
の3つの要素の調和が大切だと感じています。
もし、病気などボディに問題があれば、
スピリットやマインドも影響を受けます。
結局のところ、人は3つの要素のうち、
一番弱いところを基準に生きるしかないと
メスナー氏は考えているのです。
<ダフニー・シェルドリック>
シェルドリック氏は、
密猟者によって母象を殺され孤児となった
「小象」を引き取って育てる
「動物孤児院」
を数十年にわたって運営してきました。
シェルドリック氏によれば、
象の一生は人間ととてもよく似ています。
20歳くらいで成年に達し、
60-70歳くらいまで生きます。
象は、その長い敏感な鼻と大きな耳で、
人間には感知できない匂いや音を聞き分け、
また遠方の仲間たちと交信(テレパシー)を
行うことができます。
しかし、アフリカの厳しい自然で
生きていくためには、オトナの象から多くのこと
を学ばなければなりません。
象の群れを率いているのは、
面白いことに年寄りのメスの象だそうです。
長老的存在のそのメス象は、
いつ乾季がやってくるのか、
乾季の時どこに行けば水にありつけるかと
いったことを知っていて自分の群れを安全に
率いるのです。
シェルドリックが育てた小象は、
最終的には野生に戻すします。
その手伝いをしてくれるのが、
やはり2歳の頃に引き取り育てたメスの象、
「エレナ」
です。
エレナは既に30数歳となっていますが、
ひときわ母性愛が強く、シェルドリック氏の
ところで育てられ、乳離れをした2歳過ぎの
小象を預かり、大人になるまで野生の中で
彼女が育て上げてくれるのだそうです。
エレナを深く愛しているシェルドリック氏の願い、
それは、彼女が自分の赤ちゃんを産むことだと
語っています。
<エンヤ>
アイルランド出身の歌手、エンヤは、
自分自身を
“現代に「ケルトの魂」を伝える音楽家”
だと自覚しています。
ケルト人は、
ヒマラヤのふもとからヨーロッパに
移り住んだといわれる民族。
後に、アングロサクソン、ゲルマン民族などに終われ、
主にアイルランドの地でその文化を守り伝えてきています。
ケルト人は、
全ての自然現象の中に神が宿ると考え、
自然との調和を重視しました。
(日本の「八百万の神」と似ていますね)
エンヤの音楽を聞くと、
そんな自然との一体感が感じられます。
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地球交響曲 -GAIA SYMPHONY- (0)イントロダクション
『地球交響曲 -GAIA SYMPHONY-』
は、現在6本(第6番)まで制作されたドキュメンタリー映画。
(最近、7本目の撮影がクランプアップしてます)
このシリーズ映画を貫いている
「メインテーマ」
は、監督の龍村仁氏によれば、
「地球の中の私、私の中の地球」
です。
様々な分野で偉業を成し遂げ、
あるいは活躍している人々への丹念な取材を通じて、
地球はひとつの生命体であると考える
「ガイア理論」
の視点から、地球の未来、今後の人類の歩むべき道について
多くの示唆を与えてくれる内容となっています。
当映画は一般の映画館で公開されたことはありません。
今も全国各地で開かれている自主上映会によって、
人々の目に触れ、多くの共感者を獲得してきています。
私も5年ほど前に自主上映会で見て感銘を受け、
後にDVD化された6本の作品を自宅で繰り返し見ています。
見るたびに新たな発見があります。
またなんともいえない不思議な感慨が、
私の胸を満たします。
おおげさな言い方になりますが、
一個人としてではなく、「ガイア」のちっぽけな
ひとつの構成員に過ぎない「人類」としての覚醒が
もたらされられるといったところでしょうか・・・
どなたでも一度は見る価値のある映画だと、
私は感じています。
そこで、今日からしばらく、
1992年に公開された第1番から最新の第6番まで、
毎日1本ずつ、その内容を簡単にご紹介していきます。
目先のビジネスには役立ちませんが、
まあ、お盆の時期くらい、仕事とは直接関係ないけれど、
私たちの未来に深い関係のあるテーマについて考えて
みるのもいいんじゃないでしょうか?
今回は、これまでのシリーズに登場した主な著名人を
紹介して終わりにします。
<第一番>
・野澤重雄(植物学者)
・ラッセル・シュワイカート(元宇宙飛行士)
・ラインホルト・メスナー(登山家)
・ダフニー・シェルドリック(動物保護活動家)
・エンヤ(ミュージシャン)
・鶴岡真弓(美術史学者)
<第二番>
・佐藤初女(森のイスキア主宰)
・ジャック・マイヨール(海洋冒険家)
・フランク・ドレイク(天文学者)
・14世ダライ・ラマ方法(チベット仏教最高指導者)
<第三番>
・星野道夫(写真家)
・フリーマン・ダイソン(宇宙物理学者)
・ナイノア・トンプソン(外洋カヌー航海者)
<第四番>
・ジェームズ・ラブロック(生物物理学者)
・ジェリー・ロペス(レジェンド・サーファー)
・ジェーン・グドール(野生チンパンジー研究家)
・名嘉睦稔(木版画家)
<第五番>
・大野明子(産科医)
・石垣昭子(草木染織作家)
・アーヴィン・ラズロ(哲学者、物理学者、音楽家)
<第六番>
・ラヴィ・シャンカール(インド音楽家)
・ケリーヨスト(ピアニスト)
・ロジャーペイン(鯨の歌を解析した研究者)
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『返金保証付き絶妙バーガー』vs『おいしさ保証付きカレー』
ロッテリアの
『返金保証付き絶妙バーガー』
は相応の成功を収めたようですね。
同社の発表によれば、
7月16日の発売開始から7月31までに、
約119万食を販売。
うち、返品は2284個。返品率は0.2%でした。
ロッテリアでは当初、返金率は、
クレーム率と同様の
2-5%
を予想していたようですが、
それをはるかに下回る数字に
なりました。
とはいえ、実数の2284個って
けっこう無視できない数字では
ありますよね。
ちなみに、
星野リゾートが再建を手がけた
「磐梯リゾート」
では、ゲレンデのレストランで
提供しているカレーを返金保証付きの
「おいしさ保証付カレー」
として販売しました。
その結果は、売上げ前年比1.5倍増、年間6万食を販売。
うち、返金を求めてきたのはわずか6件でした。
返金率は0.01%になります。
ハンバーガーとカレーというメニュー
の違いがありますし、両者の販売数も
ケタが違いますから単純に比べられませんが。
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立ち食いそうめん屋
夏になると、無性に
「そうめん」
が食べたくなります・・・
でも、残念ながら、「そうめん」が
メニューにあるお店はあまり多くないですね。
東京・赤坂には、有名そうめんブランドの
アンテナショップ的飲食店がありまして、
数年前に一度、行ったことがあります。
そうめんをメインに、各種メニューを
取り揃えている居酒屋風の店です。
メインのそうめんはおいしかったのですが、
つまみ系のメニューは味付けが濃すぎて、
もう一歩でした。
私は、そうめんだけが食べたい!
それも吉牛と同じ日常感覚で・・・!
そんな方、私以外にもいらっしゃいませんか?
コンビニにはたまに置いてありますね。
それで我慢してます。
昨夜も、残業中にそうめんが欲しくてたまらなくなり、
事務所そばのコンビニに走って行きました。
小さい頃、夏休みの昼食は毎日そうめん。
さすがに毎日だと、ちょっと飽食気味になりましたけど。
今思えば、毎年、夏ばてで食欲の落ちてしまう母は、
そうめん以外は作る気が起きなかったのです。
大き目のガラスのどんぶりにたっぷりの氷水を入れ、
そうめんを浮かべて、みんなですくって食べる。
何本か色付きのそうめんが混じっていて、
味は同じなのになぜだか色付きのめんを誰が取るかで
じゃんけんしたりして。
そうめんだけだとさすがに栄養のバランスが偏ります。
でも、我が家の場合、卵焼きときゅうりを短冊切りに
したものをめんつゆに入れて、一緒にいただくのが定番でした。
さて、ふと考えてみれば、
立ち食いうどん、そば屋はあるのに、なぜ
「立ち食いそうめん屋」
はないのでしょうか?
(立ち食いじゃなくてもいいんですけど・・・)
そうめんは、うどん、そばよりもあっさりとしていて、
繊細でおしゃれ、かつ、ヘルシーというイメージが
ありませんか?
夏は、そうめん流しが楽しめればうれしい!
最近、家庭でそうめん流しが楽しめるおもちゃが
発売されてますが、なんだかんだセッティングが
面倒そうです。
冬は温かいつゆで「にゅうめん」に。
冷たいめんつゆでいただくだけでなく、
にゅうめんもとてもおいしいですね!
ですから、「立ち食いそうめん屋」は、
通年で勝負できるんじゃないでしょうか?
ところで、先ほど走って行ったコンビニには、
そうめんの姿はありませんでした。残念。
定番のそば、冷やしうどん、冷やし中華は
たくさん並んでましたけどね。
でも、「ぶっかけきしめん」を発見!
この際、いつでも食べられるうどんやそば、
冷やし中華よりは、きしめんを食べたいと思い、
これを迷わず購入しました。
きしめんもおいしいですね。
やはりふと考えてみれば、
きしめんを置いてある店は、本場名古屋には
多いのかもしれませんが、そうめん同様、
東京には、ほとんどありません。
ですから、そうめん単品勝負ではなく、
立ち食いそうめん・きしめん屋
にすればいいのかもしれません。
いやいっそ、メジャーなうどんやそば、
ラーメンの影に隠れて存在感の薄い、
全国各地の
「マイナー麺」
を各種食べられる店を作るというのはどうですかね?
「ほうとう」って麺なのかな?
投稿者 松尾 順 : 00:53 | コメント (2) | トラックバック
買物難民を救え!
落語家の桂ざこば師匠が、
今年10月、免許証が切れるのを契機に、
「運転免許」を返上するつもりだそうです。
(桂ざこばのざっこばらん、日経MJ、2008/08/07)
ざこば師匠はまもなく62歳。
年のせいか、運転能力の低下を
感じるようになったのが返上理由です。
まだ60歳そこらなのに、
もう運転免許を返上するとは、
ずいぶん気が早いなあ・・・と思います。
でもまあ、ざこば師匠は毎日のように
酒を飲んでますし、いざとなれば、
弟子たちなどに送り迎えさせることも
できるので、自分で車を運転できなくなっても、
それほど困らないのでしょう。
しかし、地方にすむ高齢者にとって、
自分の車がない、また、自分で運転できないことは、
まさに死活問題に近いものがあります。
これは、日常の「買い物」が「おおごと」に
なってしまうという意味です。
たとえば、私の両親が住む福岡の実家は、
田園地帯の集落にあります。
近くに商店街は存在しません。
幸い、徒歩3分ほどのところに、
私が生まれる前からやってる「よろずや」的
個人商店があるものの、最寄りのスーパーまでは、
車でないととても行けません。
もし、父(75歳)が将来運転免許を返上してしまったら、
佐賀に住む弟に来てもらうか、タクシーを呼ばないと、
かさ張る系の買い物はできなくなってしまいます。
帯広大学畜産大学教授、杉田聡氏は、
歩いていける距離に商店がなく、また車を自分で
運転できないことが原因で、買い物に困っている
高齢者の実態を足かけ7年かけて調査しました。
(日経新聞夕刊、2009/08/06)
杉田氏は、買い物に困っている高齢者を
「買物(かいもの)難民」
と名づけています。
買物難民が発生した背景には、
自動車の普及によって郊外に大型店が展開したため、
客を奪われた地元の個人商店や商店街が衰退・消滅して
しまったことがあります。
全国13市町村、65歳以上の1人暮らし、または夫婦だけの
高齢者を対象に行った、杉田氏のアンケート調査結果によれば、
・買い物の行き来に苦労を感じていると答えた人が5割、
75歳以上になるとこれが6割にアップ
・車が運転できるなど、現在買物難民でない人も、
4人のうち3人が今後の買い物に不安を抱いている
といった現状が明らかになっています。
さて、以上の話を聞いて、
さまざまなビジネスチャンスの存在を
感じられた方が多いのではないでしょうか?
高齢者の買い物をサポートすることは、
社会的にも意義のあることですし、
相応の対価もいただけるでしょうから、
事業として成立する可能性も高いですからね。
大手スーパーなどが、
インターネットで注文を受け、
戸口まで配送する
「ネットスーパー」
に続々と乗り出してきているのは、
社会的要請と事業としての魅力の両方が
高まってきたからだといえます。
ただ、高齢者の場合、
ネット・リテラシーが高い人は少数派ですね。
そこで、PC経由だけではなく、
電話で注文を受けたオペレーターが、
高齢者の代りにWebサイトを操作して
注文を完了するサービスを提供している
ところもあります。
また、個人宅に商品を届けるのではなく、
自宅近くからお店まで格安料金(片道100円など)で
送迎バスを毎日運行している大型店もありますね。
「買い物付き添いタクシー」の展開もありでしょう。
(以前からやってる会社ありますが・・・)
ただ、現行の料金システムでは割高になるため、
利用が進まないと思われます。
しかし、福岡で営業している
「遠賀タクシー」
のように、独自の料金システムを持ち、
乗客がこの仕組みを理解してうまく使いこなせば
従来よりもはるかに安い料金で乗れるような
タクシー会社が増えれば、買物難民にとって
救世主になるかもしれませんね。
投稿者 松尾 順 : 14:56 | コメント (1) | トラックバック
祝福を受けた不安
先日、長期宇宙滞在から帰還した若田光一さんは、
“人類は進化できる。1カ月も経過したら宇宙の過酷な
環境にも適応できた”
とコメントしていました。
若田さんは、人類が永遠に生存するために、
「宇宙開発」
はリスクはあっても取り組む価値のある
重要な仕事だと考えています。
私の個人的な解釈ですが、
人類を含む「地球」というひとつの生命体を
存続させるためには、
「人類の一部が宇宙に移住するしかない」
という考えが若田さんにもあるのではないでしょうか?
以前と違って、もはや地球は、
過剰に増加し、また資源をムダに消費するばかりの
人類を支えきれないからです。
地球をサスティナブル(持続可能)な状態にしておくためには、
生態系として完全に循環可能なレベルまで社会・経済活動を
抑える必要があります。
もし、それが難しければ、地球外の未開拓の資源を求めて、
私たちは宇宙に新たな生息地を見つけるしかないのかも
しれません。
とはいえ、まだ希望は残されています。
現在の地球が抱える様々な問題に立ち向かっている、
草の根的な活動が世界のあちこちで活発化しつつある
からです。
こうした活動は、生命体が備えている
「免疫システム」
のようなものだと指摘するのは、
環境活動家、起業家、ジャーナリストの
ポール・ホーケン氏
です。
ホーケン氏は、著書
『祝福を受けた不安』
の中で次のように書いています。
“数十万もの非営利組織で行われている活動は、
政治腐敗、経済的困窮、環境悪化という
「外部からやってくる毒」への免疫反応として
見ることが可能だ”
“免疫システムが組織の長年にわたる永続性を
保つために内的防御を行うのと同じく、サステナビリティ
(持続可能性)の思想は人間にとって長きにわたって
存在しつづけるための戦略なのである”
天然資源破壊や、ゴミ廃棄物の増加、文化の根絶、
労働者搾取といった私たちが抱える問題は、
人体にとっての肝炎やガンのようなものなのです。
病気に対して人体は、
体内のあちこちに分散している免疫システムが
ネットワークで連携しながら対抗します。
同様に、環境運動を始めとする世界各地の社会活動は、
インターネットや携帯電話など、デジタル革命のおかげで、
実に容易に連携可能になりました。
ひとつひとつの組織は多くは小規模で、
けっして強くありませんが、お互いに連携しあうことで、
地球・人類が苦しんでいる病気に立ち向かう力を得つつ
ある、と言えそうです。
先日、邦訳が出たばかりのホーケン氏の
『祝福を受けた不安』は、ひとことで言えば、
「着実に進行している各種社会活動の最新報告書」
です。
同書で取り上げられている様々な社会活動は、
もちろんメインストリームではなく、まだ周辺部で
うごめいているだけの目立たないものがほとんど。
しかし、じわじわとその勢力を強めていることが、
同書を読むと実感できます。
『祝福を受けた不安』は、
内容自体は確かに難しいのですが、
とても読みやすく書かれています。
あまり環境活動等に興味のなかった方も
面白く読めるのではないかと思います。
今後の社会の進化の方向性を「読む」上で、
アーヴィン・ラズロ氏の著作と並んで
必読書のひとつといえるかと思います。
『祝福を受けた不安』
(ポール・ホーケン著、阪本啓一訳、バジリコ)
投稿者 松尾 順 : 13:15 | コメント (0) | トラックバック
宇宙の死!
7月30日に東京・丸ビルで開催された夕学五十講
に行ったのですが、満席の盛況でした。
夕学は、ほぼ毎回満席に近い状況になってるようですが、
事前に予約受付を締め切るほどの「満席」状態になる回は、
それほど多くありません。
ですから、
「宇宙の誕生と未来」
といった、すごく難しそうなテーマの講演で
満席になるのは珍しいと思いました。
(ロマンは感じますけどね!)
おそらく、先日の皆既日食のおかげで、
宇宙や天文に対する関心が高まっていたことが
背景にあるのでしょう。
さて、佐藤氏の話によれば、
100年前、アインシュタインが生きていた時代には
立証不可能だった、
ビッグバン理論やインフレーション理論
といった宇宙の創生・進化に関する理論が、
天文衛星や観測技術の進歩のおかげで現在は、
ほぼ完全に立証されたのだそうです。
(もちろん、まだ立証されていない理論も多数あり)
そして、まだ仮説段階のようですが、
宇宙の死
も理論的にあることがわかっています。
すなわち、百兆年後には宇宙は輝きを失い、
さらにそのずっと未来ですが、銀河が蒸発し、
陽子が崩壊し、最後にはブラックホールでさえ
蒸発してしまって、
「消え入るような死」
を宇宙は迎えると考えられているそうです。
宇宙自体にも、死が確実にやってくるんですね・・・
誕生があれば死もある。
当然のことではありますが改めて驚きました。