マーケティングメトリックス:Web分析の新しい方法
まず、前回の記事の簡単な復習です。
マーケティングメトリックスにおいて
最も重要なのは、
「評価指標」
の取り扱いでした。
この評価指標は、
大きくは次の2つに分けて考えます。
・ゴール指標
・中間指標
ゴール指標は、
マーケティング施策全体
を総合的に評価するものです。
ですから、
・施策のどこが良かったのか?
逆に、
・どこに問題があったのか?
についての推察を行い、仮説を立て、
施策内容を改善するためにはあまり役立ちません。
そこで、ゴール指標に到達するまでの前段階で、
顧客が起こした行動や心理の変化を把握する指標が必要です。
これが
「中間指標」
です。
マーケティングメトリックスを実施するに当たっては、
多数存在する最終指標や中間指標の中から、前述したように、
マーケティング施策の目的や内容に即した指標
を選択し、指標相互の関係性を把握して、
体系化しておく必要があります。
さて、先日届いたばかりの
月刊『アイ・エム・プレス』最新号(2008.12 Vol.151)
の中の連載記事
「米国におけるeコマースの最新事情」
では、評価指標の選択に関する内容が
取り上げられていました。
今回は、その記事のポイントを簡単にご紹介します。
上記連載の今回のタイトルは、
“Web分析の新しい方法”
です。
米国のECサイト(記事中では「eテーラー」)では、
売上げと利益を伸ばし続けるためのカギは、
ビジターの行動の分析、その継続的なベンチマーキング、
トレンドの追跡だという点を理解しています。
ただ、やりかたは以前と大きく異なっているそうです。
ECサイトが従来重視していた
評価指標(記事中では「測定項目」)
は、以下の2項目でした。
-----------------------
1.コンバージョン率
サイト訪問者数に対する注文者数の割合
2.買い物の中断
商品をショッピングカートに入れたのに、
チェックアウト(注文完了)には至らなかった
買い物客の数
------------------------
しかし、最近のECサイトは、
もっと精密な測定を行うべきであることを
認識しています。
そのひとつの理由は、
コンバージョンや中断にいたる途中の経過
を知る必要があるからです。
すなわち、私の言葉で言えば、
「中間指標」
をもっと測定しないと、
具体的な改善施策を打てないからです。
そこで、最近注目されている測定項目として
以下のようなものがあります。
これらは、ECサイト向けの各種ソリューションを
提供している‘MarketLive’社が集計している
「MarketLive Performance Index」
で把握可能な項目です。
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・「ワン・アンド・アウト」ビジター
1ページだけ見てサイトを離れるビジターの数。
日本では、一般に「直帰率」と呼んでいますね。
直帰率は低いほうがもちろんいい。
同記事によれば、
ホームぺージ(トップページ)に異なる商品が8つあるサイトが
最も低い「ワン・アンド・アウト率」を達成しており、
コンバージョン率はほかのサイトの3倍以上だそうです。
・検索toカート率
どの検索キーワードが、
カートに最も結びついたかを示す。
販売促進の指針として役立ちます。
・製品ページ訪問toカート率
どのページが強力にコンバージョン率に貢献しているか
を示すもの。あるページにおいてこの率が低い場合には、
コピーやグラフィックを改善すべきです。
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同記事では、ご紹介した上記項目以外の項目についても
いくつか説明されていますが、長くなりますので割愛します。
(詳細はアイ・エム・プレス本誌を参照ください)
最近注目されている指標は、
行動の結果(すなわち「ゴール指標」)ではなく、
おおむね、なぜその行動を起こしたかという動機や、
きっかけを推測できるなものだという点に
お気づきでしょうか。
*月刊『アイ・エム・プレス』
http://www.im-press.jp/
投稿者 松尾 順 : 2008年11月28日 11:25
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