誰も教えてくれなかった診断学(前編)
「問題は何かが分かれば、
その問題は半分は解けたことになる」
ということが言われます。
問題が特定できさえすれば、
適切な解決策を生み出すことは簡単です。
(その「実行」は必ずしも楽ではありませんが・・・)
しかし、もし問題の所在を間違っていたら、
どんな解決策を打ったところで解決には至りません。
むしろ問題を悪化させてしまうことさえあります。
したがって、
「問題解決」
が必要とされる状況においては、
「問題が何か」
を正しく特定することが最も重要なことなのです。
さて、本日から2回に分けてご紹介する
『誰も教えてくれなかった診断学』
(野口善令、福原俊一著、医学書院)
は医師向けに書かれた本です。
医師における問題とは、もちろん
「病気」
ですね。
そして、患者さんの病気を解決する、
すなわち、病気のタイプに応じた適切な治療を行うためには、
「患者さんの病気が何か」
を正しく診断(特定)できなければなりません。
とりわけ、医師が扱う「問題」である病気の場合、
生死に関わる場合もあるわけですから、
病気が何かを正しく見極める
「診断力」
は極めて重要な能力であるわけです。
ところが、まだまだ知識や経験の浅い
研修医や若手医師にとって、
「病気が何か」
を正しく診断するのは相当に難しいようです。
同書は、そんな医師たちに、
「病気という問題の特定方法」
をわかりやすく解説したものになっています。
私たち一般社会人には関係のない内容に思えますか?
同書には、病名とか医学の専門用語が頻出します。
ですから、私のようなモノズキでもない限り、
わざわざお読みになる必要はありません。
(私も専門用語はチンプンカンプンでした・・・)
しかし、一般社会人も日々、様々な問題に直面し、
その解決策を考え、実行することに追われていますよね。
冒頭に述べたように、
問題を正しく特定できれば、
解決策を考えるのは難しくありません。
解決策を実行するのは多くの場合困難を伴いますし、
100%の解決が保証されるわけでもありません。
しかし、少なくとも手は打てます。
問題を前にしてただ悩んだり苦しんだりしているのではなく、
具体的な行動に移せる。
したがって、
「問題を正しく特定できる力」
は、誰にとっても必要であり、また役立つ能力と
言えるのではないでしょうか。
では、次回で
『誰も教えてくれなかった診断学』
で示されている
病気の診断方法=問題の特定方法
についてご紹介しましょう。
お楽しみに!
『誰も教えてくれなかった診断学
患者の言葉から診断仮説をどう作るか』
(野口善令、福原俊一著、医学書院)
投稿者 松尾 順 : 2008年11月10日 13:07
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