ネット視聴率白書2008-2009を読む(3)ネット利用行動基本トレンド
ネット視聴率調査の仕組みについての説明は
前回までで終わりにしておきましょう。
私も書いていてちょっと頭が痛くなってきました(笑)
さらに詳しく知りたい方は、
『ネット視聴率白書2008-2009』
をお読みくださいね。
とてもわかりやすく説明してありますよ。
今回は、ネット視聴率調査結果から、
ネット利用行動の大きなトレンドについて
簡単にご紹介します。
まず、Webサイトの利用者数ですが、
家庭のパソコンからのアクセスについて見ると、
2000年4月には約450万人
だったものが、
2008年3月には5,000万人弱
と8年の間に10倍以上にユーザー数が拡大しています。
過去8年間の中で特に成長が著しかったのが、
2001年から2002年にかけてです。
2001年4月は約1,500万人と、前年の3倍増。
2002年4月には、2,400万人を突破。
(翌2003年4月は2,700万人と前年からは
300万人増に止まってます)
2001年は、‘Yahoo! BB’を始めとする、
ブロードバンド常時接続で格安定額料金のADSLサービスが
開始されており、同年は
「ブロードバンド元年」
と呼ばれています。
格安定額のADSLサービスが、
ネットユーザーの急拡大において最大の貢献をしたことは
今さら言うまでもありませんね。
さて、「一人当たりの月間利用時間」を見てみましょう。
2000年4月では7時間弱だったものが、
2008年4月には、17時間を超えています。
常時接続定額料金のブロードバンドの普及によって、
接続時間を気にしなくてもよくなったこと、
ネット利用が生活の一部となっってきたこと、
また、動画を視聴する方が増えたことが背景にあると
思われます。
一方、「一人当たりの月間ページビュー数」は、
2006年以降、低下傾向にあります。
2006年4月に1,986ページであったものが、
2007年4月は、1,790ページへとダウン。
それ以降の数字は、
ネット視聴率白書には掲載されていませんので、
ネットレイティングス社のWebサイトで最新データを
探してみたところ、
2008年4月時点で1,667ページ
でした。やはり減少傾向にあることがわかります。
これは、動画(フラッシュやストリーミング)を
視聴するユーザーが増えたためであることは
間違いないでしょう。
これまで、サイトのパワーというか、
規模や影響力、価値を判断する尺度としては、
「ページビュー」
が重視されてきましたが、今後は、
「サイト訪問(滞在)時間」
も併せて評価する必要性がありますね。
*上記データの出典はすべて
「Nielsen Online(ネットレイティングス)」です。
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 2008年08月21日 11:20
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