知識は常に最新のものに更新すべし!
外部から取り入れた情報を頭で記憶すれば、
それは
「知識」
となります。
この「知識」というもの、
たとえ記憶した当時は正しくても、
時間が経つと古くなり、間違った知識になることも
多いのです。
ところが、私たちはしばしば、
古くなってしまった知識を疑おうとせず、
その知識に囚われ、その知識に基づいて
間違った判断をしてしまいがち。
この点は以前も、
という記事で触れました。
古い知識に基づく間違った判断は、
場合によっては「偏見」や「差別」にさえ
つながることもあるだけに、普段から
知識は常に最新のものに更新し続けるということを
心がけるべきだと私は思っています。
さて、突然の質問ですが、
あなたは「エイズ感染者」の余命は
現在どのくらいか、ご存知ですか?
1995年以前は、
25歳でエイズ感染が分かった人の余命は
わずか平均7年でした。
当時エイズが
「死を確実にもたらす病気」
として恐れられたのも無理はありません。
ところが最近の感染者の平均余命は、
なんと推定40年だそうです。
もし、今時点で感染者と判断された人なら
同50年くらい
になるだろうと推測されています。
(日本経済新聞、2008/02/17)
これは、健康な人の寿命とあまり変わらないですね。
エイズ治療が劇的に進歩したおかげで、
早めに診断を受け、ちゃんと治療をすれば
HIVウイルスの活動を抑えて長期にわたって発症を
防ぐことができるようになっています。
つまり、糖尿病などと同様、
生涯つきあう「慢性病」となったのが
今の「エイズ」なのですね。
ところが、世間一般では未だ、
エイズは
「すぐに死ぬ病気」
であるという誤解や、
エイズ感染者に対する差別を恐れて
検査を受けようとしない人が多い・・・
また医療従事者でさえ、
こうした最新の知識を持たないため、
HIVウィルス感染者に対する適切な説明ができず、
患者を不安に陥れているのだそうです。
ある妊婦さんは、
通っていた産婦人科からウイルス感染を告げられ、
まるで腫れ物にさわるように、
「エイズ拠点病院」
への転院を勧められたのです。
このため、この妊婦さんは、
「私は死ぬんだ」「子供はどうなるんだろう」
と毎日泣き続けたのでした。
しかし、3週間後、
エイズの現状に詳しい医師の診察を受け、
・子供への感染は薬と帝王切開で99%防ぐことが
できること
・上述したように、HIV感染者も普通の人と
同じように長生きできること
・2人目、3人目の子供も産めること
など正しい知識を教えられて、
安心することができたそうです。
というわけで、自戒を込めて、
知識は常に最新のものに更新すべし!
投稿者 松尾 順 : 2008年04月18日 18:58
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それは、死に至る病。
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