機内販売のプロが語るセールスの極意
あなたは、飛行機の機内販売で
「ブランド品」
とか買ったりしますか?
機内限定販売の商品がメインとはいえ、
あの狭い空間でわざわざバッグなどを購入したくなる気持ち、
正直よくわかりません。
おそらく、旅行中の高揚した気分が
財布の紐をゆるくしてしまうのでしょうね。
こんな私にとって、機内販売は、
客室乗務員の方が手に商品を持って
ゆっくりと通路を通過していくだけの他人事の風景です。
機内は、そもそも積極的に商品を販売できる
「売り場」
ではありませんし、
「売れても売れなくてもいい」
という程度のものなのかなと思っていました。
しかし、この世界にも、
やはりトップセールスはいるんですね。
わずか2時間程度の国内線のフライトで、
機内積み込みのブランドバッグを売り切ったこともある
全日本空輸(ANA)の別府奈津美さんのセールスの極意は、
第一に
「ターゲティング」
にあるようです。
(日経ビジネスアソシエ、2008.05.06)
すなわち、別府さんによれば、
「どのお客様が買う雰囲気を持っているか。
それを搭乗時に見分けること」
が重要なのだそうです。
前述したように、
機内はそもそも「売り場」=店舗ではありません。
乗客全員が見込み客ではありません。
したがって、早い段階で
「見込み客」
を的確に発見し、
ターゲットを絞り込んで攻めることが
鍵になってくるわけです。
別府さんが特に注目するのは、
女性のグループ。
中でも、そのグループのリーダーが誰かを見定めます。
なぜなら、リーダーに売ることができれば、
周囲に、
「あなたも一つ、どう?」
と勧めてくれることが多いから。
機内販売においても、
「オピニオンリーダー」
をまずおさえることが有効なんですね。
機内の場合、仲の良い仲間が至近距離で
集まっているだけに、リーダーからの「口コミ」が
効きやすい状況にあると言えます。
また、機内販売のネクタイを着けている
ビジネスパーソンもねらい目。
彼らは、いわゆる
「既存客」
ですから、新規客開拓よりもはるかに楽に
販売できる可能性が高いですね。
さて、機内販売の時間が始まってから、
別府さんが会話のきっかけづくりに活用しているのが、
「目」
です。
通路を歩きながらくまなく目線を走らせる。
買う気がある人は、
気づいてもらおうと顔を別府さんに向けてきます。
しかし、ここですぐに近づくことはしません。
恥ずかしがって顔を背けてしまう人もいるからです。
別府さんは、顔を向けてきた人を心持ち長く見つめ、
さらに小首をかしげてかすかに微笑む。
これは
「ロングアイコンタクト」
と呼ばれるテクニックです。
この無言のメッセージを相手に送ると、
たいていの客は手を挙げたり、
「すいません」
と声をかけてくるそうです。
さらに、会話中には、
相手の感情を刺激するような言葉、
「ゴージャス」「キュート」「セクシィ」
などを織り交ぜることで気分を高揚させ、
決断を促します。
上記のような言葉(形容詞)は、
「エモーショナル・ワード」
と呼ぶようです。
単価数万円の高級ブランドを売るためには、
こうした歯の浮くような言葉の後押しが効くというのは
私でもわかる気がします。
以上ご紹介した別府さんの機内販売の極意は、
新幹線の車内販売のトップセールスの方と
共通点が多々あります。
新幹線の車内販売の場合もやはり、
買う気がある人を見極めるターゲティングと
目の使い方が鍵なのでした。
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投稿者 松尾 順 : 2008年04月14日 13:10
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