価値は客が決めるもの・・・裏向きに写るテレビ

どん底のホームレス生活から成功を収めた

堀之内九一郎氏

のことはご存知でしょうか?


堀之内氏が設立したリサイクルショップチェーン、

「生活創庫」

は、他の古物商と異なり、
あらゆるガラクタをほとんど選別することなく、
一切合財引き取ります。

そして実際、

「こんなものが売れるはずがない」

と思えるようなものが、
生活創庫の店頭には並んでいます。
しかもちゃんと売れていく・・・


たとえば、

・ウイスキーの空き瓶・・・1個1000円
・薬用の小さい空き瓶・・・1個300円

(もちろん、どちらもきれいに洗浄済み)

どのような用途に使われるのでしょう・・・
にわかにはわかりませんね。

趣味のボトルシップ用かもしれません。


欠けたり、ひびが入っている瀬戸物の茶わんなども、
一山いくら(数十円)で売られています。

これは、細かく割ることで、
「タイル」のように用いることができます。

瀬戸物には様々な絵柄が入ってますから、
センスよく組み合わせれば、
なかなかおしゃれな装飾品に仕立てることができます。

こんな趣味のために、
実用にならなくなった食器を買う人が
全国にはたくさんいるのだそうです。


こうした話を聞くと、
モノの「価値」というのは結局のところ、
お客様が決めるのだということが実感として
わかりますよね。

逆に言えば、
様々なニーズを持つ顧客が「価値」を感じるような
工夫をすれば売れるということです。

堀之内氏は、自社の事業は「中古品の流通業」ではなく、
中古品に新たな価値を与える「付加価値業」であると
言っています。


10年前ほどに数万円で販売されていた石油ストーブ。

円柱の上に半球状のドームが乗った発熱部分があり、
その後ろに反射板がついている昔ながらのストーブです。

そのままでは古臭いだけのストーブでまず買う人はいません。

でも、鮮やかなパステルカラーに塗り直すだけで、
レトロでおしゃれなストーブに変身。

数千円程度の値付けで難なく売れます。


また、14型程度の中古テレビ。
回路をちょっといじって裏向きに写るようにする。

これは、理髪店が買っていきます。

鏡に写った状態では正常に見えるので、
散髪中の客向けサービスになるわけです。


まあ、実にいろんな付加価値の生み出し方が
あるものですね。


もちろん、まず、

「こうした簡単には拾えない潜在ニーズをどうやって発見するか」

が大事なのですけど!

投稿者 松尾 順 : 2008年02月27日 12:55

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