真夏のおでん
ご存知の方も多いと思いますが、
ほとんどのファミリーマートには1年中、
「おでん」
が置いてありますね。
涼しくなる秋以降なら、
熱々のおでんを食べたくもなります。
しかし、汗だくの夏に、
「おでん」
には、さすがに食指が動きません。
私は、
「真夏に買う人なんているんだろうか、いたとしても
あまり売れないから、具が煮詰まりすぎてんじゃないか」
などと思ってました。
ところが、実際、結構売れてるんですね。
売れるからこそ、1年中置いてあるわけですけど。
真夏におでんを買うのはOLさんがほんとんど。
冷房の効きすぎたオフィスで
冷えた体を温めるためにおでんを買うんだそうです。
暖房の効いた真冬の室内でアイスクリームを食べるのと、
ちょうど逆のような感じですかね。
ただ、楽しみというより「冷え性防止」とかの理由で
おでんを食べるわけですから、なんだかなあ・・・ですよね。
投稿者 松尾 順 : 21:46 | コメント (0) | トラックバック
ネット視聴率白書2008-2009を読む(8)一般企業(メーカー) サイトのトレンド
『ネット視聴率白書2008-2009』
の内容(一部)をご紹介するのは今回が最後になります。
これまでは、検索エンジンなど、
主にネット上のサービスを展開しているWebサイトのトレンドを
ご紹介してきましたが、今回は、一般企業のWebサイトのデータを
を拾ってみます。
一般企業といっても多様な業種がありますので、
主に一般消費者を対象としているメーカー(車、家電、飲料、
食品・化粧品)に絞りますね。
まず自動車の3大メーカー、トヨタ、日産、ホンダのWebサイト
のアクセスを見ると、3社ともネットユーザーの拡大に伴い
順調に訪問者数を伸ばしてきています。
ただ、トヨタの場合、新車発表前後にはアクセスが
急増するものの、普段の月間訪問者数は150万人前後です。
一方、日産は同200万人前後、ホンダは120-200万人の間で横ばい。
なお、利用者の男女比率は、
上記3社とも男性が70%を超えています。
電機メーカーでは、ソニー(sony.co.jp、sony.jpの2サイト合計)
が、月間訪問者数200万人と最大規模です。
松下電器産業では、panasonic.jp、panasonic.co.jp、national.jp
の3つのサイトを運営してますがそれぞれ120-150万人前後で推移。
東芝は、一時期160万にまで月間訪問者数が伸びましたが、
最近は下降気味で120万人程度になっています。
男女比率についていえば、上記3社の電機メーカーも、
自動車メーカーと同様、男性比率が70%程度です。
飲料メーカーの中では、
サントリーが月間訪問者数200万人前後、
キリンビールは最近低下気味で同150万人程度、
アサヒビールが120万人程度です。
サッポロビールは、最近まで60万人程度で
推移していたのですが、2008年3月に突然倍増して
150万人に迫る伸びを示しています。
(この倍増の理由ははっきりしません。ご存知の方、
ぜひ教えてください!)
男女比率をみると、サントリーとアサヒビールは
全くの同率で男性52.6.6%、女性47.4%とほぼ男女半々です。
キリンビールは男性60%、女性40%と男性の利用者が
多くなっています。また、サッポロビールは、
男性54.2%、女性45.8%と飲料メーカーサイトの中では
中間的な割合です。
さて、ファーストフードで圧倒的なシェアを誇る
日本マクドナルドのWebサイトは、意外にも
月間訪問者数は80-100万人前後と思ったほど多くありません。
ユーザーが若年層に偏っており、
PCよりも携帯によるネットアクセスが多いためでしょう。
実際、日本マクドナルドの携帯サイトに登録して、
携帯クーポンを利用するユーザーは相当数に上り、
競合他社を圧倒しています。
化粧品の最大手、資生堂のWebサイトへの訪問者数も
自動車や飲料メーカーと比較すると意外に少なく、
40-60万人の間で推移しています。
また、当然ながら、資生堂サイトの女性比率は75.9%と、
圧倒的に女性優位です。
一方、日用品から化粧品まで、
多様な一般消費財を製造する花王のサイトは、
最近は80万人前後で推移しています。
女性の比率が66.1%と、
生活に根ざした商品が主体であるだけに
女性の訪問者が多くなっていますね。
では、このぐらいにしておきましょう。
『ネット視聴率白書2008-2009』では、
2ちゃんねるやライブドア・ブログ、mixiといった
CGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)
のサイトのトレンドや、
さらに性別、年齢別の利用比率の高いサイトのランキングなど、
興味深いデータが惜しげもなく公開されています。
インターネット市場のマクロトレンドを把握する上で
非常に価値のある資料だと思いますので、機会があれば
ぜひ本書をじっくり読んでみてくださいね!
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 19:03 | コメント (0) | トラックバック
ネット視聴率白書2008-2009を読む(7)ECサイトのトレンド
『ネット視聴率白書2008-2009』から、
「オンラインショッピング」、すなわち「ECサイト」のトレンド
を拾ってみましょう。
先頭グループを走るのは、
「楽天市場」と「アマゾン」
です。
どちらもブロードバンド常時接続サービスの普及が進んだ
2003年以降に大きく成長しました。
2008年現在で、楽天市場の月間利用者数は、
2,000万人強
で推移。(利用者の伸びは落ち着いています)
一方、アマゾンの2008年3月時点の月間利用者数は
約1,500万人
程度です。
男女利用者比率を見ると、
*楽天市場 男性55.9%、女性44.1%
*アマゾン 男性59.2%、女性40.8%
となっています。
楽天市場の男女比率は、
インターネットユーザー全体の比率とほぼ同じ。
アマゾンは、男性が若干多くなっています。
楽天とアマゾンの利用者数の差、また男女比率の違いの背景には、
楽天市場では、アマゾンとは比較にならないほど多種多様な
カテゴリーの商品が販売されていることがあると思われます。
つまり、楽天はアマゾンよりも幅広い利用者層をターゲットに
できるだけの品揃えを実現しているということですね。
さて、ECサイトの2番手グループは、
「ベルメゾン」や「ニッセン」などの通販系サイト。
それぞれ月間利用者数は2008年では、
300万人前後の規模になってきています。
「TSUTAYA online」も同250万人程度まで伸び、
「ヨドバシカメラ」は、200万人前後で推移してます。
男女比率を見ると、
TSUTAYA onlineの男性比率が56.7%、
ヨドバシカメラが同76.8%と男性優位であるのに対し、
ベルメゾンでは女性が70.4%、ニッセンでも63.4%と、
女性向けサイトですから当然なのですが、女性利用者が
男性を上回っています。
また、購入者が増えると販売価格が下がる
「ギャザリング」
の仕組みを始めて導入した「ネットプライス」は、
このところ月間利用者数150万人程度で安定しています。
ECサイトとしては異質な、
主として個人間の不用品や稀少品の売買システム
(プラットフォーム)を提供しているネットオークションでは、
「ヤフーオークション」
が月間利用者数1,000万人を超えダントツ1位。
2位の「ビッダーズ」は、
一時期同500万人弱まで伸長したものの、
最近は300万人弱に落ちています。
蛇足ながら、
私はWebマーケティング講座の受講生の方に対して、
事例としてネットオークションの話をする際、
「ビッダーズって知ってますか?」
という質問を毎回必ず投げかけるんですが、
「知ってる」と答える人は毎回ほとんどいません。
ネットオークションの世界は、
ヤフーオークションが完全に支配していることを
実感させられる瞬間です。
とはいえ、ビッダーズ事業は黒字化していますし、
同サイトを運営しているDeNAさんは、モバイル分野では
「モバゲータウン」
で大成功を収めていますね。
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 12:01 | コメント (0) | トラックバック
ネット視聴率白書2008-2009を読む(6)検索エンジンのトレンド
今日は、
『ネット視聴率白書2008-2009』
から主要検索エンジンのトレンドを見てみます。
「ヤフー」(yahoo.co.jp)は、
現在はポータルサイトとして様々なサービスを
展開していますが、核となるサービスはもちろん
「検索サービス」
です。
「Yahoo!検索」(search.yahoo.co.jp)は、
2000年4月の月間利用者数500万人から、
2008年3月にはその6倍、3,000万人を突破しています。
(注:あくまで検索サービスの利用者のみ、
Yahooの各種サービス全体の利用者数ではありません)
ヤフーはそもそも「ディレクトリ検索」、
すなわち、
・エンタテイメント
・趣味とスポーツ
・各種資料と情報源
・芸術と人文
など、テーマ別にサイトを人力で分類するサービスから
事業を開始しました。
しかし、ディレクトリ検索(dir.yahoo.co.jp)の利用者数
は、2002年以降に月間利用者数が1,000万人を超えたあたりから
横ばいになってきていました。
2004年5月には、ヤフーが採用する検索エンジンの技術
(ロボット検索)をそれまでの「Google」から、
自社開発の
「YST(Yahoo! Search Technology)
に切り替え、さらに2005年10月には、
YSTのロボット検索結果をディレクトリ検索結果よりも
優先する表示に変更して以来、ディレクトリ検索の利用者は
大きく落ち込みました。
そして、ヤフーでは、2008年1月、
事業開始以来ずっと維持してきたディレクトリ検索のメニューを
トップページ画面から消すサイトリニューアルに踏み切っています。
このヤフーのサイトリニューアルは、
検索の主流が、デイレクトリ型からロボット型へと
完全に移行したことを象徴するものだったと言えます。
一方のGoogleは、過去8年間安定して伸びてきています。
白書ではカバーされていませんが、月間利用者数は
現時点で2,000万人を超えているのは間違いないでしょう。
まあ、それでもヤフーとは1,000万人もの開きがあるわけですが。
「ヤフー!検索」と「Google」の男女利用者比率を
比べてみると、次の通りとなります。
*Yahoo!検索 男性54.8%、女性45.2%
*Google 男性62.1%、女性37.5%
(Googleの男女それぞれの利用者比率の合計が
100%になりませんが、原典どおりの表記です)
検索サイトの中で、「Yahoo!検索」は
女性の利用比率が一番高いサイトだそうです。
ヤフーは、ネットユーザーなら男女問わず、
ほぼ全員が認知、利用しているメガブランドですから、
うなずける結果ですね。
Googleは、これまでは純粋な検索サービスのみを
提供してきたこともあり、当初は効率的に目当ての情報が
探せるビジネスユースとして主に男性の支持を高めていきました。
女性の認知度はまだそれほど高いわけでなく、
「Yahooで十分」とあえてGoogleを利用しない女性が
多いものと想定されます。
また、年齢別の利用者比率は、他の検索サイトと比較して、
ヤフーは「35歳以下」の利用者が多く、
Googleは、「35-49歳」の利用が多くなっています。
なお、ヤフー、Googleに続く検索エンジンの3番手は、
「MSN Windows Live Search」
ですが、2004年まではGoogleを利用者数で上回っていたもの
近年は利用者数が増えずぱっとしません。最近の月間利用者数は
700万人前後で横ばいとなっています。
また、4番手以降の検索エンジン(Goo、Biglobe、インフォシーク)
は、300万に満たない月間利用者数。
もはや改めて言うまでもないことですが、
検索エンジンは、
ヤフーとGoogle
の2強でほぼ決着がついていますよね。
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 15:21 | コメント (1) | トラックバック
ネット視聴率白書2008-2009を読む(5)アクセス数上位サイトの変遷
今週も引き続き、
『ネット視聴率白書2008-2009』
の内容を抜粋的にご紹介したいと思います。
まず、家庭PCからのアクセス数の多いサイトの変遷を
全Webサイトベースで見てみます。
『ネット視聴率白書2008-2009』には、
2000年4月と2008年3月、それぞれ時期の
ドメイン別ランキングが20位まで示されています。
ここでは、そのうち10位までご紹介します。
(利用者数、リーチ率、1人当たり利用ページ数の
実際の数値は省略します)
------------------------------------
<ドメイン別利用者数ランキング(家庭からのアクセス)>
*2000年4月
1 yahoo.co.jp
2 msn.com
3 biglobe.ne.jp
4 geocities.co.jp
5 dti.ne.jp
6 nifty.com
7 so-net.ne.jp
8 infoweb.ne.jp
9 nifty.ne.jp
10 microsoft.com
*2008年3月
1 yahoo.co.jp
2 rakuten.co.jp
3 fc2.com
4 goo.ne.jp
5 google.co.jp
6 wikipedia.org
7 nifty.com
8 youtube.com
9 biglobe.ne.jp
10 amazon.co.jp
------------------------------------
ネット創成期から現在まで、
一貫して圧倒的な強さを誇る1位の
「ヤフー」(yahoo.co.jp)
は別格として、
2000年4月時点での上位のほとんどは、
インターネットプロバイダー(ISP)
が占めていますね。
これらは、インターネットにアクセスする際の
初期設定(デフォルト)ページとして閲覧されたこと、
また一方で、各種ECサイトやネットサービスがまだ未成熟
であったことが背景にあると思われます。
なお、4位のgeocities.co.jpは、
個人ホームページ開設サービスの草分け的存在ですし、
また、3位のbiglobe.ne.jpもプロバイダーのポータルへの
アクセスではなく、個人ホームページ開設サービスへのアクセス
が大半を占めていたことがわかっています。
これは、現在のブログ人気の源流とも言える傾向ですね。
さて、直近の2008年3月になると
「楽天市場」(rakuten.co.jp)
が2位に登場。
オンラインショッピングが日常になったことが
うかがえます。
fc2.com、goo.ne.jpの3位、4位はブログ閲覧のおかげで上位に。
個人ホームページのbiglobe、geocitiesの後を継いだ感じです。
googleが5位に顔を出しています。
しかし、リーチ率は37.8%にすぎません。
つまり1カ月の間に、ネットユーザーの3人に
1人しかgoogleにアクセスしていないということです。
一方、不動の1位を占めるヤフーのリーチ率は86.8%と、
ネットユーザーのほぼ全員が1カ月に1回以上ヤフーを
利用しており、まだまだgoogleとは大きな差をつけていること
がわかります。
オンライン百科事典の
「ウィキペディア(wikipedia.org)」
の記事は、サーチエンジンの検索結果画面では、
ほぼ常に上位に表示されますね。
そのためでしょうか、googleに次いで6位です。
リーチ率はgoogleとほぼ同じ。
また、過去数年で急激に利用者が増えた
「youtube」
が8位に登場してます。
このように、8年前と比べて、
現在は多様な特徴を持つWebサイトが上位に
ランクインしていることがわかります。
今後、どのような順位の入れ替わりが起きるのか、
とても楽しみですね。
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 11:29 | コメント (0) | トラックバック
100人突破、京都の舞妓さん
京都の舞妓さんが、
とうとう100人を超えたそうです・・・
(2008年4月現在)
『京都花街の経営学』の紹介記事で書いたように、
舞妓さんの数は、1975年にはわずか28人に減少し、
「舞妓さんは絶滅危惧種」
と言われたほどでした。
舞妓さんの数が急激に増えたのは特に最近のことです。
これには、地元や関係筋の女性だけでなく、
広く全国に舞妓さんの門戸を開いたことに加えて、
芸妓・舞妓、置屋のホームページやブログが開設され、
ネットを通じた情報収集がやりやすくなったことが
背景にあります。
京都五花街の保存と、伝統芸能の保存継承のための
各種事業を行っている
おおきに財団(京都伝統伎芸振興財団)
には毎年、舞妓志願者からの履歴書が30通ほども届くそうです。
(日本経済新聞夕刊、2008/08/11)
舞妓さん時代を経て、
独立自営業者の芸妓さんになれば、
がんばればがんばっただけ稼げます。
定年退職もありませんし、舞踊や小唄・長唄など、
日本の伝統芸能の継承者としての誇りも持てる。
実にやりがいのある職業だと言えるんじゃないでしょうか。
(関連記事)
京都花街の経営学(1)芸舞妓さんのキャリア前編
投稿者 松尾 順 : 13:39 | コメント (2) | トラックバック
戦艦ポチョムキン
「映画通」の方にオススメの映画を聞くと、
必ずといってよいほど、
『戦艦ポチョムキン』
がその一つとして挙げられます。
このちょっとお茶目な響きのあるタイトルの映画は、
1925年のロシア作品、サイレントムービーです。
セルゲイ・M・エイゼンシュテイン監督作。
名画の誉れの高い映画です。
ご覧になった方は決して多くないでしょうね・・・
というのも、私が知る限りでは、
テレビで放送されたことはこれまでありません。
DVDは出てますが、いくら名作とは言え、
70分足らずの昔の映画としては割高感があるのです。
アマゾンで3,675円ですよ。
消費者の足下を見てるとしか思えない。
私もぜひ見たい!とずっと願ってましたが、
DVDの高価格に二の足を踏んでました。
ところが、つい最近、
500円DVDシリーズとして発売されたんですよね!
WOW!
というわけで早速購入し拝観。
まあ、さすがに80年以上前に制作されたものですから、
映像の迫力とかは物足りませんが、よくできた映画だと
思います。
映画が好きな方なら、一度見てみる価値ありです。
余談ですが、
‘ポチョムキン’
という名前がお茶目というか、かわいい印象を与えるのは、
パ行の‘ポ’
から始まってるからですね。
パピプペポは、
幼児向け商品のネーミングによく使われます。
幼児が好んで口にするのがパ行だからです。
現在大ヒット中の
『崖の上のポニョ』
の対象年齢層が、今までよりもぐっと低く感じられるのは、
“ポニョ”
のせいでしょう。
いい大人だけで見に行くのはちょっと抵抗感ありますよね。
投稿者 松尾 順 : 11:22 | コメント (1) | トラックバック
ネット視聴率白書2008-2009を読む(4)利用者属性とアクセスパターンの変化
今回は、『ネット視聴率白書2008-2009』から、
家庭のパソコンからの
ネット利用者の属性とアクセスパターンの変化
についてのデータを拾ってみます。
まず「男女比」。
2000年4月の男女比は約63:37でした。
インターネットユーザーの6割強が男性だったというわけです。
これが、2008年3月段階では同56:44となっており、
まだ若干男性の比率が高いものの、女性利用者が
着実に増えていることがうかがえますね。
ちなみに米国では、
男女比はほぼ5:5に近いそうです。
「年齢構成」について見ると、
2000年4月時点で最も構成比が高くなったのは、
30歳代で27.0%でした。次いで20歳代(23.6%)。
しかし、2008年3月時点では、
40歳代が24.8%と最も高くなっています。
30歳代は21.9%へ低下。
そして、20歳代はわずか
10.2%
となっており、8年前から半減しています。
20歳代以下は、
パソコンよりもケータイでネットにアクセスする方が
増えたことが背景にあると考えられます。
なお、上記はあくまでネット利用者全体における
各年代の「構成比」です。
前回ご紹介したように、ネット利用者全体は、
8年前の450万人から2008年3月現在では5,000万人へと、
10倍以上に増大しており、各年代とも
実質的な利用者は8年前よりも増えている
という点をご留意ください。
つまり、構成比が低下しているというのは、
その年代の利用者数の伸び率が他の年代よりも
低かったということです。
(年代別の総人口の大小も影響してますが)
次にアクセスパターンの変化。
時間帯別のアクセス状況を見ると、
2008年3月時点でのインターネット利用のピークは
夜9時台
です。
ブロードバンド常時接続サービス以前は、
一般電話回線を利用したモデム接続。
このため、夜11時以降に使い放題・定額料金となる
「テレホーダイ」
の利用者の影響を受けて
夜11時台
にアクセスのピークがありました。
しかし現在は、夜9時台という、
テレビのプライムタイムと重なっているわけです。
もちろん、お茶の間でテレビを見ながら、
手元でブラウザーをいじっている方も多いでしょう
(私もその一人)から、テレビとネットが完全に
バッティングしているというわけではないでしょう。
なお、職場からの利用時間のピークは、
午前10時から11時だそうです。
会社に着いたら、なにはさておき、
まず「eメール」をチェックし、ニュースサイト等を
閲覧するという方が多いということなんでしょうね。
*上記データの出典はすべて
「Nielsen Online(ネットレイティングス)」です。
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 11:33 | コメント (3) | トラックバック
ネット視聴率白書2008-2009を読む(3)ネット利用行動基本トレンド
ネット視聴率調査の仕組みについての説明は
前回までで終わりにしておきましょう。
私も書いていてちょっと頭が痛くなってきました(笑)
さらに詳しく知りたい方は、
『ネット視聴率白書2008-2009』
をお読みくださいね。
とてもわかりやすく説明してありますよ。
今回は、ネット視聴率調査結果から、
ネット利用行動の大きなトレンドについて
簡単にご紹介します。
まず、Webサイトの利用者数ですが、
家庭のパソコンからのアクセスについて見ると、
2000年4月には約450万人
だったものが、
2008年3月には5,000万人弱
と8年の間に10倍以上にユーザー数が拡大しています。
過去8年間の中で特に成長が著しかったのが、
2001年から2002年にかけてです。
2001年4月は約1,500万人と、前年の3倍増。
2002年4月には、2,400万人を突破。
(翌2003年4月は2,700万人と前年からは
300万人増に止まってます)
2001年は、‘Yahoo! BB’を始めとする、
ブロードバンド常時接続で格安定額料金のADSLサービスが
開始されており、同年は
「ブロードバンド元年」
と呼ばれています。
格安定額のADSLサービスが、
ネットユーザーの急拡大において最大の貢献をしたことは
今さら言うまでもありませんね。
さて、「一人当たりの月間利用時間」を見てみましょう。
2000年4月では7時間弱だったものが、
2008年4月には、17時間を超えています。
常時接続定額料金のブロードバンドの普及によって、
接続時間を気にしなくてもよくなったこと、
ネット利用が生活の一部となっってきたこと、
また、動画を視聴する方が増えたことが背景にあると
思われます。
一方、「一人当たりの月間ページビュー数」は、
2006年以降、低下傾向にあります。
2006年4月に1,986ページであったものが、
2007年4月は、1,790ページへとダウン。
それ以降の数字は、
ネット視聴率白書には掲載されていませんので、
ネットレイティングス社のWebサイトで最新データを
探してみたところ、
2008年4月時点で1,667ページ
でした。やはり減少傾向にあることがわかります。
これは、動画(フラッシュやストリーミング)を
視聴するユーザーが増えたためであることは
間違いないでしょう。
これまで、サイトのパワーというか、
規模や影響力、価値を判断する尺度としては、
「ページビュー」
が重視されてきましたが、今後は、
「サイト訪問(滞在)時間」
も併せて評価する必要性がありますね。
*上記データの出典はすべて
「Nielsen Online(ネットレイティングス)」です。
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
ネット視聴率白書2008-2009を読む(2)ネット視聴率調査の4大指標
現在、「インターネット視聴率調査」の
商用サービスを提供している主要企業は以下の2社です。
・Nielsen Online(ネットレイティングス株式会社)
・株式会社ビデオリサーチインタラクティブ
前回触れたように、
上記2社の調査協力モニター(調査パネル)
は現在統合されています。
(つまり、元となるデータは同じもの)
したがって、両社のサービスの違いは、
収集されたデータの集計・分析方法や提供方法にあります。
(両社のサービスの違いについての説明は詳細になりすぎるため
割愛します)
さて、上記2社が提供しているインターネット視聴率調査の
サービスにおいて共通する
「4大指標」
と呼べるものがあります。
それは、現在公開されている各Webサイトに対する、
一定期間(週単位や月単位)における「拡大推計値」である
以下の指標です。
1.利用者数
2.利用回数(利用頻度)
3.閲覧ページ数
4.閲覧時間(滞在時間)
「拡大推計値」というのは、
約1万人の調査モニターのインターネット利用状況データに
基づき、
インターネットユーザー全体(母集団)
の利用状況を拡大推計(母集団推計)した
数値であるという意味です。
例えば、1の「利用者数」は、
日本のインターネット総人口に対して、
調査モニターの該当サイトの
「一定期間の利用割合」
を乗じたものになります。
具体数値を示すと、
ある月のYahoo.co.jpの「利用者数」は、
4,219人(単位:千人)
とネット視聴率調査のレポート上では示されています。
これは、1ヶ月の間にYahoo.co.jpを利用した人を
日本のインターネットユーザー全体で見たら全部で
約420万人
いたということです。
なお、該当サイトに対する
「一定期間の利用割合」
のことを
「リーチ」
と呼んでいます。
CMにおける「リーチ(累積到達率)」と同様、
インターネット人口のうちどれだけの人に到達(リーチ)
できたかという意味ですね。
先ほどの例では、Yahoo.co.jpのある1ヶ月間の「リーチ」は、
86.76%(アクティブユーザーに対して)
です。
これは、
当該月にインターネットにアクセスしたアクティブユーザー
のうち、9割近くの人がYahoo.co.jpを利用した
ということであり、要するに、日本のネットユーザーは、
ほとんどの人がYahooを使っているということがわかるわけです。
残りの4大指標、および派生する各種分析データについても同様に、
調査モニターの利用状況データに基づき、日本のネットユーザー全体
に拡大推計した数値がレポートとして提供されています。
*Nielsen Online(ネットレイティングス株式会社)
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 10:44 | コメント (0) | トラックバック
ネット視聴率白書2008-2009を読む(1)インターネット視聴率の調査方法
「2007年日本の広告費」から、
既存マス媒体の広告費について見ると、
・テレビは約2兆円で横這い
・新聞は約1兆円で減少
・雑誌は約4千5百億円で微減
・ラジオは約1千7百億円で微減
であるのに対し、
「インターネット(広告)」
は急拡大中で約6千億円。
すでに雑誌を抜き、テレビ、雑誌に次ぐ3番目に大きな
メディアとなっています。
このように、インターネットが存在感のあるメディアとして
成長するに従って、
「メディアとしての広告効果検証」
の重要性も高まっています。
さて、
『ネット視聴率白書2008-2009』
では、新聞、ラジオ、雑誌の既存マス媒体別の調査方法を
説明した上で、インターネット視聴率調査の調査方法を
詳述してあり、調査方法の違いがよくわかります。
以下、簡単に既存マス媒体の調査方法のポイントを
ご紹介します。
[テレビ視聴率調査]
*ビデオリサーチの「ピープルメーターシステム」の場合
(対象エリア)
全国32の放送エリアのうち27エリア
(対象チャンネル)
地上波各局とその他(BS,CS,CATVなど)
(調査対象世帯数)
関東、関西、名古屋地区は各600世帯、その他24エリアは各200世帯
合計6,600世帯
(調査方法)
「ピープルメーター」と呼ばれる機械をテレビに接続し、
毎分毎にどの番組が見られているかを自動的に記録、送信する。
(個人視聴率は、家族のうち誰が見ているかを本人が入力、または
日記式で記録する仕組みでデータを取得する)
[ラジオの聴取率調査] *ビデオリサーチの自主調査の場合
(対象エリア)
首都圏、関西圏、中京圏の限定エリア
(対象者)
12~69歳の男女個人
(調査数)
3,000人
(調査方法)
日記式郵送留置調査
[新聞・雑誌等紙メディア調査]
発行・販売部数の把握については、第三者機関である、
新聞雑誌部数公査機関(社団法人ABC協会)
が、発行社における発行部数、注文部数、発送・返品部数、
および流通段階(新聞販売店など)における仕入れ部数、
返品部数の調査の結果をとりまとめて、各新聞・雑誌等の
部数を発表している。
また、
・閲読率(実際にどの程度読まれているか
・回覧率(会社などで購入した雑誌は何人で回し読みされているか)
など、実際の購読状況やどんな属性を持つ人たちがどんな雑誌を
購入しているのかについては、ビデオリサーチが毎年実施している
「MAGASCENE(マガシーン)」
と呼ぶ調査(訪問による質問紙留置法)で把握することができる。
既存の4大マス媒体についての調査は、
以上のような方法を用いて行われてきたわけですが、
媒体としてのインターネットを測定する
「インターネット視聴率調査」
は、現在以下のような方法で行われています。
(調査モニター(パネル)を共有(統合)している
‘Nilsen online’、および‘ビデオリサーチインタラクティブ’の場合)
*「RDD」(Random Digit Dialing)と呼ばれる、
電話番号をランダムに生成する方法で電話をかけ、
インターネット利用状況についての電話調査を行い、
インターネット利用世帯については、インターネット視聴率調査
へのモニター(調査パネル)協力依頼を行う。
*インターネット視聴率調査へのモニター協力が得られた世帯については、
インターネット利用状況を自動的に捕捉するトラッキングソフトを
PCにインストールしてもらい、利用状況データを収集する。
(世帯でインターネットを利用する全個人の属性を記録してもらう
ことで、個人別の利用状況を把握可能)
*モニター協力者(調査パネル)数は現在約13,000人
トラッキングソフトを利用する方法は、
テレビ視聴率調査において、
「ピープルメーター」
と呼ばれる機械を接続することでテレビの閲覧状況を
自動的に捕捉する方法と似ていますね。
なお、PCにインストールされたトラッキングソフトを通じて
自動的にインターネット利用状況を捕捉し、
「インターネット視聴率調査」
と類似のデータを提供するものに、
「Alexa」
というサービスがあります。
これは、無償で提供されている同社のブラウザー用ツールバーを
インストールした全世界のインターネットユーザーが調査対象と
なっています。
調査対象者数は非公開であり、同社ツールバーをインストール
した人だけの集計データのため、統計的な信頼性に欠けるものの、
全世界の国別の人気サイトランキング等が同社Webサイトで無料で
閲覧可能です。
*参考リンク
『2007年日本の広告費とMC戦略の課題』
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 18:55 | コメント (4) | トラックバック
ネット視聴率白書2008-2009を読む(0)イントロダクション
今週は何回かに分けて、
今年(08年)7月に発刊されたばかりの
『ネット視聴率白書2008-2009』
の内容について詳しくご紹介したいと思います。
「インターネット視聴率調査」とは、
インターネットやWebサイトの利用行動調査
のことです。
この調査でわかること。
それは端的には、
・どんな人が、
・何人くらい
・どんなウェブサイトに訪問し、
・どのように利用しているか(ページビューや滞在時間など)
といったことになります。
そして、上記のようなデータを総称して俗に
「ネット視聴率」
と呼んでいます。
Webサイトにアクセスして閲覧する行動を
テレビ番組を見ることと同じような行動であるとみなして、
「視聴率」
という言葉を利用しているのです。
ただし、テレビの視聴率とネット視聴率では、
・調査方法
・取得されるデータ
・分析方法
などに大きな違いがあります。
さて、『ネット視聴率白書2008-2009』は、
「インターネット視聴率調査」
にテーマを絞った初めての白書です。
このため、
・テレビの視聴率調査
・ラジオの聴取率調査
・雑誌メディア調査
など、各種メディア調査の概要について触れて
ネット視聴率調査との比較を行いながら、
ネット視聴率調査の歴史や調査方法、分析方法、
提供会社のサービスメニューや特徴
などについて詳しい解説が掲載されています。
また、インターネット視聴率データに基づく、
2000年4月から2008年3月
までの過去8年間における
インターネット利用者数や利用時間
といった利用者ベースのトレンド分析、および
検索エンジン、オンラインショッピング
などの普及・発展の推移についての説明があります。
さらに、利用者属性別(性別、年齢)、
業界カテゴリー別の人気Webサイトのランキングも
掲載されており、ランキングをざっと眺めるだけでも
結構楽しいですよ。
私自身は、視聴率調査のデータを提供会社から入手して、
閲覧したり分析する業務を行う立場ですが、
そうでもなければ入手するのがあまり容易ではなかった
(相応の費用が必要なので)、
インターネットやWebサイトの利用行動
についての貴重なデータが公開されているので、
インターネット戦略立案等のための資料としての価値は
とても高いと思います。
では、明日以降は、
当白書の内容の紹介に入っていきたいと思います。
『ネット視聴率白書2008-2009』
(衣袋宏美著、翔泳社)
投稿者 松尾 順 : 11:36 | コメント (0) | トラックバック
セカンドライフの成功が難しい理由
現状の「セカンドライフ」では、
日本で成功することは難しいと考える方々が
その最大の理由として挙げるのは、
「日本人はチャットをする文化(習慣)がない」
という点です。これには、私も同意します。
「なぜチャットをしないのか」の背景には、
日本人は4つの文字(漢字、ひらがな、カタカナ、アルファベット)
を駆使しなければならないことがありますね。
とりわけ、リアルタイムでのチャットでは
漢字変換がまどろっこしい・・・
アルファベットしか使わなくて良い欧米人のように、
ポンポンと実際の会話並みのスピードでやりとりが
できないですよね。
結局、チャットでの会話はめんどくさくて
セカンドライフを利用する気にならないというわけです。
「インスタントメッセンジャー」も、
要するに「チャット」なわけですけれど、
やはり欧米ほど日本では利用されていませんよね。
私もマイクロソフトの「インスタントメッセンジャー」
をたまに利用していますが・・・
でも、「リアルタイム」なやりとりのためではなく、
eメールよりはちょっと気楽で、eメールよりも多少急ぐ時に
利用するだけ。
つまり、「セミリアルタイム」的な状況でのみの利用です。
(電話と同様、強制的に相手の時間を奪うという点もあまり
利用しない理由ですが)
投稿者 松尾 順 : 12:58 | コメント (2) | トラックバック
アマゾンチェックは欠かせない・・・
先日、安売りで知られる某ショッピングサイトで、
ちょうど購入しようと思っていた
「日用品」(タオル関連)
がセール中でした。
「過去再安値!」
のキャッチコピーに思わずつられて購入決定。
クレジットカードの番号を入れ、
最後の「購入ボタン」を押そうとして、
「そうそう、念のため他店の価格を調べてみよう」
と思い出し、「楽天」で同一製品を検索したところ
やっぱりこのショッピングサイトが一番安いことが確認できたので、
購入ボタンを押しました。
購入金額は送料(525円)込みで4500円ほど。
その後すぐに、「アマゾンでも売ってるかなあ・・・」
と思って調べてみたら、なんと約3,000円で販売してました!
送料もかからないので、先ほどのサイトより1,500円も安い。
残念ながら、購入したサイトは
「ギャザリング(共同購買)方式」
なので注文後のキャンセル不可なのです。
とっても悔しい!
改めて、何を買うにせよ、
「既製品」ならアマゾンでの価格チェックは
忘れてはいけないと心に強く誓ったのでした・・・
投稿者 松尾 順 : 00:19 | コメント (0) | トラックバック
「マニュアル」に不備はありませんか?
「マニュアル」に依存しすぎることの弊害を示す例として
よく知られた次のような話がありますね。
(ハンバーガーショップにて)
客「えーと、ハンバーガー20個ください!」
店員「こちらでお召し上がりですか?」
この店員は、自分の頭を働かせず、
マニュアルどおりに「口パク」しているだけ。
だから、ハンバーガー20個も注文したお客さんが、
その場で「お召し上がり」するわけはないだろうという
状況判断ができないというわけです。
ただ、「ハンバーガー大食い競争」で上位を狙う人なら、
いちどに「60個」とか食べられる力量が必要ですから、
「こちらでお召し上がり」
ということもありえないことではないですけど・・・
さて、マニュアルは、端的には、
最低限遵守すべき「基本行動」を記述したもの。
言い換えると、スタッフに期待する行動に対する
「最低要求水準」
を示したものです。
マニュアルの意義は、主に新しいスタッフに対して、
最低要求水準の行動を短期間で身に付けてもらうこと
にあります。
マニュアルのおかげで
まだまだ未熟な新人さんの技量の底上げが図れます。
ですから、
「マニュアルなんて役に立たない、不要だ!」
などと頭から否定する人は
ある意味、考え違いをしています。
「マニュアル」で最低限のところを押えた上で、
さらに、マニュアルを超えた臨機応変で柔軟な行動や
サービスを行えるようにするために必要な人材教育に
注力するのがポイントなのです。
ただ同時に、そもそもマニュアルに記述された
「最低要求水準の行動」
は永久不変、固定的なものではない点を認識しておく
必要があります。
日々変化する外部環境に応じて、
マニュアルの内容を頻繁に見直して改訂し、
最低要求水準自体を引き上げていくべきなのです。
(現実には、ほとんど改訂されないままのマニュアルが
多いですよね)
「外務省のラスプーチン」と呼ばれた佐藤優氏が
次のようなことを書いています。
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「マニュアルがだめだ」という事例で、
次のような事例があげられることが多い。
<ファミレスで、「急いでいるから、カレーライスにして」
と言った。カレーライスがすぐにでてきたのはいいが、
ウェイトレスが「ごゆっくりどうぞ」と言った。
癇にさわる。だからマニュアル型の教育はだめだ>
この事例は、マニュアル型の教育の欠陥を示すものではない。
マニュアルの不備を示すものに過ぎない。マニュアルを
次のように改訂すれば、解決することができる問題である。
<お客さんに食事を出すときは、「ごゆっくりどうぞ」と
言うこと。ただし、お客さんが「急いでいる」という場合には、
この言葉をかけてはいけない>
出典:『30歳ビジネスパーソンのためのインテリジェンスの技法』
(Think! 2008 No.26)
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近年は、昔なら教えなくても良かった基本的なマナーや振る舞い
を知らない新人さん、また‘KY’な新人さんが増加しています。
もし、現行のマニュアルだと業務上のトラブルが絶えない、
あるいは、お客さんからのクレームが多いということであれば、
それはマニュアル依存傾向の強まっている新人さんだけの問題でなく、
マニュアル自体に不備がないか再検討すべきではないでしょうか?