創造性の必要条件とは?

先日、前職の広告会社のOB(卒業生)のうち、
主にネット系の仕事をやっていた10人ほどが集まり、

「同窓会」

を開きました。場所は、恵比寿のイタメシ屋。


およそ10年ぶりくらいに会う人たちも多くて、
とても懐かしい再会となったのですが、

「あの人、今はどうしてる?」

なんて、懐古趣味的昔話にはまったく花が咲くことなく、
延々とくだらないバカ話に終始したのが最高でした!

みんな過去を振り返ることなく、
前のめりに生きてるやつらばかりということでしょう。


さて、こんな愉快な仲間たちのうち、一人(女性)は

『ほぼ日刊イトイ新聞』

を運営している

「株式会社東京糸井重里事務所」

に数年前に転職しています。

彼女とは、前職以来の再会でしたが、
糸井事務所で楽しく働いているようです。


「ほぼ日」は、
私も大好きなサイトのひとつですし、
関連の本、例えば

『言いまつがいシリーズ』
『経験を盗めシリーズ』

などは全部読んでいます。


ですから、私にとって、糸井さんは憧れの存在。

糸井さんの身近で働けていいなあ・・・と
思いつつ、ミーハー丸出しの質問を彼女にしてみました。


“糸井さんって、どんな人?”

“すごい「面白がり」ですね。なんにでも興味を示して、
 すぐに手を出してみるんです。若い人の話も、
 偉ぶらず、純粋な気持ちで聴けるのがすごいです。”


なるほどねぇ。
糸井さんは来年還暦を迎えられるとのことですが、
いつまでも衰えない創造性の元は、この強い

「好奇心」

にあるようです。


この同窓会の翌日は、
演劇集団キャラメルボックスの代表、
加藤昌史氏の講演会でした。

この講演の中で、加藤氏は、
普段から心がけていることとして

「普通でいること」(=プロの気持ちになりすぎない)
「ミーハーでいること」(=好奇心を持つ)

を挙げていました。

加藤氏は、普段道を歩いても、
あれこれ面白いものを探してキョロキョロしてる
そうです。

また、お店に入っても、
たとえば、注文した料理の出てくるのが遅かったすると、
わざわざ厨房まで見に行って、人の動きを観察し、

「あいつの手際が悪いから、料理が遅くなってるんだな」

などと原因を解明せずにはいられない。


キャラメルボックスは、
斬新なアイディアに基づくユニークな取り組みが有名ですが、
加藤氏のこの「好奇心」が源泉にあるのは間違いないでしょう。


さらに、数日後、「情熱大陸」に出演した放送作家、
の秋元康氏の回を見ていたら・・・

秋元氏は、自分が取材対象なのに、
自ら情熱大陸の台本らしきものを作成していましたが、
そこには「好奇心」というキーワードがいくつも
書かれていました。

秋元氏もまた、自分の創造性を支えているのは、
自身の強い「好奇心」にあることを自覚しているようです。


こうして短期間のうちに、
高い創造性を発揮し続けるクリエイターに共通する特徴は

「好奇心」

であることを改めて再確認できました。


もちろん、好奇心さえあれば、
糸井、加藤、秋元氏のような高い創造性を獲得できる
というわけではないでしょう。

しかし、創造性の必要条件が、

「好奇心」

であることは間違いありません。

投稿者 松尾 順 : 2007年10月10日 10:31

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コメント

これ私だけかもしれないけど
好奇心って自分を作っていく過程のような気がするんだよね〜
自分の必要としてるものをどんどん自分から吸収していくような
自分の回りにあるもの全てが自分にとって必要なものって感じがする。

投稿者 こねこね : 2007年10月10日 13:11

こねこねさん、まいど!

>好奇心って自分を作っていく過程のような気がするんだよね〜

これは確かにそんな面もあると思う。
好奇心の強さは人それぞれだけど、強いひとはそれだけ自我拡大欲求が強いということが言えるのかもしれません。

投稿者 松尾順 : 2007年10月10日 13:15

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