ヒューマノイドロボットの過去・現在・未来
人手不足の影響もあって、サービス低下がはなはだしいのが、
流通・外食・サービス業界ですね。
私も、ファミリーレストラン等には、
過剰な期待は持ってはいないのですが・・・
感情のかけらもない、機械的な挨拶と笑顔に迎えられ、
声をかけたくても、わざと避けているかのように目をそらす
ウェイター・ウエイトレスに出会うたび、
「あんたらはいらん。セルフサービスがまだましや!」
「あんたら、うかうかしてると、そのうち
“ヒューマノイドロボット(人型ロボット)”
に仕事を奪われるで!」
と、なぜだか「なんちゃって関西弁」で内心毒づいております。
というわけで(やや強引な導入ですが)、今日は、
実用に供されるヒューマノイドロボット
の過去・現在・未来を語ります。(偏った内容ですけど・・・)
☆ヒューマノイドロボットの過去
回転寿司大手の「くら寿司」では、
今から20年も前の1986年に、
「お運びロボット」
を導入しました。
テーブル席まで注文された寿司を運ぶ、
このロボットは、1台500万円もしました。
しかし、様々な問題があったようです。
なかでも一番の問題は、
当時の技術ではバッテリーの持続時間が短く、
すぐに途中で止まってしまったことです。
すると、生身の店員が、
寿司を持ったまま立ちつくす直立不動ロボットを
「よいしょ」と後ろから押してあげなければいけない。
なんか情けないですね・・・
結局、ロボットを導入後に売上がどんどん低下したため、
半年でロボットはお役ご免になりました。
☆ヒューマノイドロボットの現在
三菱重工の人型ロボット、「ワカマル」。
かわいらしい姿が人気を集めましたね。
「ワカマル」は、東京都区内限定で、
2005年から家庭用販売を開始していました。
ワカマルは、家族の顔や名前を登録しておけば、
家族一人ひとりを識別して話しかけたり、
インターネットから天気予報やニュースを取り込んで
教えたり、メールの到着を知らせてくれたりします。
また、留守中の室内を監視してくれる機能も。
販売価格は157万5千円、販売目標は当初100台でした。
しかし、販売が思わしくなかったことから、今年07年春に
「販売中止」
を決定しています。
ワカマルのショールーム(丸の内・池袋)には、
05年秋の販売開始数ヶ月で延べ1万人を集めました。
ユーザーの関心は非常に高かったわけです。
ところが、実際に予約を受け付けると数十台しか
獲得できませんでした。
しかも、予約した家庭に行ってみると、
段差があってワカマルが移動できなかったり、
インターネットを導入していなかったりで、
実際に販売できるのは
10数台
にとどまることがわかりました。
これでは、アフターサービス体制の維持も困難と、
本格販売を断念したのです。
さて、この販売不振の原因ですが、開発担当者によれば、
「ロボットに対する消費者の期待値と、
現在の技術レベルに差がありすぎる」
と分析しています。
ショールームでは、
「(ワカマルは、)掃除や炊事はできないの?」
と尋ねる女性が多かったそうですが、
さすがに、現在の技術ではそこまでは無理でしょう。
また、ネット情報の取り込み、メール到着の通知、
室内監視などの機能は、もっと手軽な携帯でも
実現可能なサービスですね。
ヒューマノイドロボットの強みといえば、
人との「会話能力」ですが、ワカマルの音声認識能力は
まだまだだったようです。
ワカマルの大きさ(体長約1メートル、幅40センチ)も
家庭用としては若干大きめと感じられたようです。
ただ、無料貸し出しをしていた家庭では、
一緒に暮らすうちに、ワカマルに対する愛情が生まれ、
「そばにいてくれるだけでいい」
「言うことをよくわかってくれないのもかわいい」
というユーザーの声も多く聞かれたそうです。
こうしたコメントは、
人型ロボットならではだと思います。
三菱重工では、受付用などよりも、
はるかに市場規模の大きい家庭用ロボットを
あくまで狙うため、ワカマルをさらに進化させるための
研究開発を続けています。
☆ヒューマノイドロボットの未来
たった一人で二足歩行の精巧なロボットを
製作するロボットクリエイターの高橋智隆氏。
高橋氏のロボットは、
ロボカップ世界大会で4連覇を達成しています。
高橋氏は、近い将来、一般家庭には、
「ヒューマノイドロボット」
が欠かせない存在になると信じているそうです。
高橋氏のイメージするそんなロボットは、
小さめのサイズ(おそらく30-40センチ)くらいで
普段はそこらへんにいます。
そして、時折、
「そういえば、松尾さん、“劇団ひとり”が
好きでしたよね。今晩11時からテレビに出演しますよ」
などと、気の利いた提案をしてくる。
「そうか、でも今日は早く寝たいから、
その番組を録画しといてくれるかな?」
などと頼むと、HDDレコーダーに信号を送って、
録画予約を完了してくれるのです。
つまり、このロボットは、人間と、そして
家庭内の様々な機械の両方と会話できる能力を
持っているわけです。
いわば、人間と機械の仲立ちをしてくれる
通訳のような役割を果たしてくれるのが、
高橋氏の理想とするヒューマノイドロボットです。
なかなかいいと思いません?
こんなロボットなら
「一家に1台(人)の時代がやってくる」
というのも、荒唐無稽な夢じゃないと思います。
さて、以上、
ヒューマノイドロボットの過去・現在・未来
を簡単にご紹介しましたが、とりあえずは、
「大人向けおもちゃ」としての高額な
「ロボット組み立てキット」
がこれからブレークすると思います。
(出所)
くら寿司のロボット・・・カンブリア宮殿(TV東京)
ワカマル・・・日経産業新聞(2007/07/27)
高橋智隆氏の話・・・トップランナー(NHK)
投稿者 松尾 順 : 2007年07月31日 07:41
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