売れない家

松戸の自宅から最寄り駅までの通勤途中に、
昔、古い社宅用マンションがありました。

今は取り壊されて、15戸ほどの建売住宅になってます。
(ミニ宅地開発といったところ)


これらはほぼ一斉に売り出されたんですが、
なぜだかいまだに1戸だけ売れ残ってるんですよね。

業者はなんとか売り切りろうと、内覧会のチラシを入れ、
週末には、案内人が一日詰めてるのをよく見ます。

しかし、なかなか売れないようです。
いまだに「販売中」ののぼりが立ったまま。


さて、私が毎日この家の前を通って感じる「売れない理由」
(仮説)を書かせていただくと、それは

「公」(パブリック)と「私」(プライベート)の境界

が引かれていないことです。


15戸のうち、公道に面しているのは3戸あります。

そのうち1戸は、塀で仕切ってあります。
もうひとつは生垣です。

しかし、売れない家は何もないんです。
2メートルほど公道から引っ込んでいるだけ。

公道から玄関のドアが丸見え。
2-3歩脇にそれるだけで玄関前に立てます。

なんか嫌ですよね・・・


自分の家というプライベートな空間と、公の空間は、
ちょっとでもいいから仕切られていないと、
なんとなく不安です。

ただ、公道と家の間は駐車スペースなので
塀や生垣が置けない設計になってます。

いまさら、公と私の境界はつくれません。


売れない理由は他にあるのかもしれません。
しかし、ひとつだけ売れ残るというのも変です。

同じ業者が開発したものですから、
規格や価格帯はほぼ同じのはずですし。


私の仮説が正しければ、
自分のテリトリーをはっきりさせたいという心理を
理解していなかった設計者の大チョンボということになりますね。


少なくとも、玄関の前にゴールドクレストあたりを
1本植えるだけでもずいぶん違うはずですが。

投稿者 松尾 順 : 2007年07月07日 09:38

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