お笑いの教科書 -紳竜の研究-
島田紳助が吉本入りしたのは、
B&Bの島田洋七の漫才にショックを受けたからというのは
有名な話ですよね。
島田洋七といえば、
大好きです。(^_^)
さて、お笑いの世界で成功するために
紳助がまず取り組んだのは、
「お笑いの教科書」
を作ることでした。
「お笑いの教科書」は、
本屋などで買えるものではなかったので
自分で作るしかなかったわけです。
具体的には、
先輩漫才師のしゃべりを一字一句ノートに
書き写すことを続けました。
そして、
・どうしたら客に受けるのか
・客が引くのはどんな場合か
を徹底的に分析し、
「笑いを取るパターン」
を発見、整理していったのです。
客と一緒になって先輩のネタに大笑いしていたら、
その裏にある、
「笑いを取るパターン」
が見えてきません。
そのため、録音テープを回したり止めたりしながら、
「ノートに書き出す」
というわざわざ手間のかかる作業をやったのだそうです。
紳助は、こうしてつかんだ、いわば
「お笑いの原理原則」
を自分たちのネタに応用することで成功します。
たとえば、
竜介は公立高校、紳助は私立高校出身だったため、
2人は公立と私立の違いをよくネタにしていました。
これは、B&Bがやっていた広島、岡山(対東京)を
いじるパターンを置き換えたものでした。
ところで、
紳助が、先輩漫才師のしゃべくりから抽出した
「お笑いの原理原則(パターン)」
は一般に「理論」と呼びます。
よく「机上の空論」と言う方がいますよね。
しかし、本来「理論」とは、
さまざまな実践の中から、成功の可能性が高い
「一定のパターン」(=原理原則)
をエッセンスとして抽出したものです。
もちろん、エッセンスですから抽象性が高くなります。
したがって、別の新たな実践に落とし込む、
つまり応用するためには知恵と工夫が必要です。
どんな世界にも、
成功率を高める一定のパターン(原理原則)としての
「理論」があります。
それを学ぶことが成功の近道じゃないでしょうか。
- 蛇足 -------------------
“この間な、「理論なんか役に立たん」と言うやつがおったんよ”
“ほう、それで?”
“こいつはアホや、本質がわかっとらんと思うて、
役に立たんのは「理論」やなくて「あんたや」 と
言うたったんや!”
“きついなあ・・・”
“そしたら、いきなり殴りかかってきよった”
“まずいことになったな”
“待て、待て、わしを怒らすな、この「右手」を使わすな!
と止めさせようとしたんやけどな”
“おまえの右手はそんなにすごいんかい”
“この右手には暗い過去があると言うてな・・・”
“なんや、暗い過去って?”
“深爪してるねん”
すんません。最後のオチ、完全パクリです。
参考資料:
・ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する
(島田紳助著、幻冬舎新書)
投稿者 松尾 順 : 2007年07月05日 11:57
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