ヒットの要因のキーワード20
チェッカーズ、おニャん子クラブ、だんご3兄弟などの
プロデュースを手がけた、デジタルハリウッド大学大学院教授、
吉田就彦(よしだ・なりひこ)氏は、自分自身の経験や
他のヒット作品の分析に基づいてヒットの要因を
「20のキーワード」にまとめています。
(日経産業新聞、2007/05/08)
こういうキーワードは発想の助けになりますよね。
というわけで、20のキーワードとそれぞれの簡単な解説をご紹介。
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1 必然性
その時代の人々の心の動きや気分を反映
2 欲求充足
「競いたい」、「怖いものをみたい」などの欲求を満たす
3 タイミング
時代のニーズに遅すぎず、早すぎず
4 サービス度
便利でお得、「買ってもいい」という安心感
5 差別化ユニーク
唯一無二の企画。過去に似たものがあったら見せ方を工夫
6 発想転換力
ちょっとした発想の転換がアイディアを生む
7 サイド&ディープ
登場人物のサイドストーリーで深みを持たせる
8 イベント連鎖
野球中継中の勝敗予測のような企画連鎖
9 コミュニティ発
同好の士が集まるコミュニティの声が企画に寄与
10 文化ミックス
日韓合作映画のような異文化の融合、交流が新鮮な驚き
11 だまさない
はったりは効かない。本当に優れたものを
12 自ら顧客探し
ネットを使うなどして、だれでも手に入れやすくする
13 デジタル口コミ
ネット上の情報交換が大きな情報波及力を持つ
14 コアコミュニティ
「デジタル口コミ」は、連帯感を持つコアなファンが主導
15 低コスト・高クオリティ
デジタル技術で、高品質の映像・音楽が低コストで提供可能
16 製作アライアンス
ドラマの中に企業の宣伝が入り込むといった新たな動き
17 顧客とつながる
デジタル配信ですばやく流通、顧客の反応も素早く把握
18 チャネル多様化
映像、音楽のデジタル配信
19 マス&パーソナル
放送などでの大量配信と双方向のネットでの個別対応の両立
20 デバイス機能
携帯電話、携帯音楽プレーヤーなど配信端末がヒットを左右
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ところで、吉田さんがチェッカーズを売り出した時、
マーケティング戦略上、「差別化」を重視したそうです。
当時の人気男性グループは、かたや典型的なアイドルのシブがき隊、
かたやツッパリ系の横浜銀蝿でした。
(私はリアルタイムで体験してるので、実に懐かしいです・・・)
吉田さんは、「柳の下に二匹目のドジョウはいない」と考え、
上記2つのグループとは異なる立ち位置、すなわち、
「同級生のように身近に感じるグループ」
をチェッカーズに与えたのだそうです。
これは、カッコつけて言えば
「ユニークなポジショニングを与えること」
であり、ベタな言い方をすれば、
「キャラがかぶらないようにする」
ということですね。
なお、吉田さんが学生に説く「ヒットの極意」は、
「考え、感じ、ワープせよ」
です。
「頭から血が出るくらい」に真剣に考え、時代の空気を
感じて、消費者の動きを捉える。
そして、さらにワープして、消費者に新鮮な驚きを
提供しなければ、本物のヒットは生まれないのだそうです。
投稿者 松尾 順 : 2007年05月08日 10:25
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