通勤快足の原点回帰(1)
足元から漂ってくる臭いニオイを抑えることのできる、
高い抗菌効果を持つ靴下は当初、
「フレッシュライフ」
という商品名で売り出された。
しかし、初年度こそ3億円を売り上げたものの、
翌年以降はあえなく失速。
そこで、
「通勤快足」
と軽妙な名称に変更したところ、CMの投入も奏功して大ヒット!
この超有名な事例を知らないマーケターはいませんよね。
さて、通勤快足は今年(07年)に発売20周年を迎えるそうです。
(日経産業新聞、2007/03/30)
記事によると、「通勤快足」と改称して再スタートを
切った87年の売り上げは、一気に13億円に到達。
89年には、45億円も売り切ってます。
当時は、予約券を配る売り場もあったとか。
「そうそう、こんな靴下欲しかったんだよね・・・」
それほどまでにも、お父さんたちの足のニオイの悩みは
大きかったということでしょうか。
しかし、その後は競合品の登場、低価格販売店の登場などで
「通勤快足」も苦戦を強いられます。
抗菌機能を維持しつつ、足を温める「カプサイシン加工」
などの機能を追加して差別化を図ったものの、
直近05年の売り上げは、わずか3億円にまで縮小しています。
そこで、通勤快足の開発・製造・販売元、レナウンインクスでは、
この20周年を機に、再び「原点回帰」を図ることにしました。
つまり、改めて当商品のわかりやすい特色である、
「抗菌防臭効果」
を前面に打ち出すことに。
ロゴマークも変更し、これまでは「通勤快足」だけだった
ものに、「抗菌防臭ソックス」とタグラインが追加されてます。
つまり、この靴下の持つ「機能」を明示したわけですね。
また、「吸水速乾機能」を持つ新製品もラインアップに追加。
もろもろ機能性を向上させてます。
このリニューアル製品は、今年2月頃から店頭に並んでますが、
百貨店の仕入れ担当者などからは、
「機能がわかりやすくなった」
と評価されています。
今のところ、出荷ベースでは前年実績15%アップ、
07年度の目標の20%アップは達成可能と見込んでいるそうです。
さて、この通勤快足の取り組み、私の導師、森行生さんの
「プロダクトコーン」をベースに考えてみましょう!
*プロダクトコーンについては下記記事参照のこと。
「シンプルマーケティング(9)プロダクトコーン理論:訴求の順番
「シンプルマーケティング(11)「R25」のプロダクトコーン修正モデル」
おっと、よく見るとすでにずいぶん長くなってますので、
続きは明日にします!
この「通勤快足」のマーケティング事例ですが、
あなたならどう読み解きますか?
投稿者 松尾 順 : 2007年04月02日 22:25
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