これから何が起こるのか(10)商品生態系と顧客コミュニティ
ネット革命は、顧客中心市場の中で、
無数の「商品生態系」を生み出していきます。
「商品生態系」とは、
「顧客の特定のニーズを中心に互いに結びついた
様々な商品やサービス」
のことでした。
そして、この「商品生態系」が目に見える形で
姿を表している場が
「ポータルサイト」
だと、田坂氏は指摘しています。
顧客中心市場では、多くの顧客が、
自分のニーズに関連した商品とサービスが一箇所に集まっていて、
ワンストップで購入できる場所を求めるからです。
だから、すべての「コーマスサイト(商取引サイト」は、
自然に「ポータルサイト」になっていくと田坂氏は考えています。
それは、Webの持つ最大の特徴ともいえるリンク機能によって、
特定のニーズに関連したさまざまな商品・サービスを容易に
取り揃える(紹介する)ことができるからでもあります。
直近の具体事例としては、旅行におけるワンストップサービスを
標榜している「フォートラベル」が挙げられるでしょう。
さて、すべてのコマースサイトが自然にポータル化していく
ということは、「商品生態系」が自然に増えていくことを
意味します。
つまりポータル化が「商品生態系」の進化、創発を促すこと
になるのですが、これはなぜなのでしょうか?
それは「顧客の声」が集まるからです。
ポータルサイトには、必ず何らかの形で、
「顧客コミュニティ」が生まれてくるからですね。
(「フォートラベル」は、コミュニティ先行型ですが)
そうした顧客コミュニティ内では、
「こんな商品・サービスもほしい」
といった顧客の声が飛び交います。
そしてポータルサイトの運営者が、
そうした要望に次々と応えていくことで、
いつのまにか関連商品・サービスへとリンクが広がり、
ひとつの「商品生態系」を形成するようになってしまう
というわけです。
考えてみれば、事業者側の勝手な思い込みだけで
最初からあれこれ品揃えを広げると失敗しがちですよね。
むしろ、まず、コアのユーザーとの密な関係を通じて
活発なコミュニティを作り上げ、維持する。
その後は、コミュニティメンバーの要望を丁寧に拾い上げ、
顧客ニーズをしっかり反映した無理のない「商品生態系」を
サイト上で育てていくというのが、
最善のEコマース戦略
ではないでしょうか?
投稿者 松尾 順 : 2007年02月26日 10:51
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