これから何が起こるのか(2) 「web1.0革命」から「Web2.0革命」へ
情報革命による「情報主権」の移行プロセスを
田坂氏は、次のように振り返ります。
移行プロセスの始点は、95年の「インターネット革命」です。
これは「Web1.0革命」とも呼ぶべき革命でしたが、
この革命によって、世の中に次の3つの革命が始まりました。
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・情報バリアフリー革命
これまで世の中に存在した様々な「情報のバリア」が壊され、
誰でも手軽に、欲しい情報を入手できるようになっていく
・草の根メディア革命
世の中に「草の根メディア」とでも呼ぶべきものが数多く生まれ、
誰でも手軽に、自分のメッセージを発信できるようになっていく
・ナレッジ共有革命
単なる「データ」のレベルの情報だけでなく、高度な「ナレッジ」
(知識)のレベルの情報が、多くの人々の間で共有できるように
なっていく
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ただ、上記3つの革命は、
当初「革命」と呼ぶには中途半端でした。
なぜなら、それぞれの革命に大きな壁が存在していたからです。
しかし、日本では2000年ごろに始まった
「ブロードバンド革命」
がこれら三つの壁を打ち破り、
「Web2.0革命」
への道を切り拓きました。
田坂氏は、この意味で「ブロードバンド革命」は、
「Web1.5革命」
と呼ぶべきものだと述べています。
さて、「ブロードバンド革命」が打ち破った3つの壁とは、
・通信料金の壁
・機器操作の壁
・文字情報の壁
です。
ブロードバンド革命は、常時接続・定額料金を浸透させ、
情報の「コストバリア」を打ち壊しました。
また、ブロードバンドと同時期に普及した携帯電話やPDAは、
その使い易さのおかげで、パソコンの操作方法や
インターネットの技術を知らなくとも、
誰もがインターネットの世界に入れるようにしました。
さらに、ブロードバンドのおかげで、
ナローバンド時代と異なり、文字情報だけでなく、
データの重い音声、動画も自由に共有できるように
なってきました。
こうして、3つの壁が「ブロードバンド革命」に
よって打ち破られたことで、先ほどの3つの革命は
次のような進化を遂げます。
これが、トム・オライリーが命名した「Web2.0革命」です。
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・「情報バリアフリー」革命は、「衆知創発」に進化
誰でも、多くの人々の智恵を集め、新たな智恵の創発を
促すことができるようになる革命。
「情報バリアフリー革命」との違いは、「すでに存在する
情報」だけでなく、「まだ存在しない情報」(衆知による
新たな智恵の創造)が入手できるようになる点です。
・「草の根メディア革命」は、「主客融合の革命」に進化
情報の発信者、受信者、あるいいは生産者、消費者といった
これまで別々のもの、すなわち「主」と「客」が一体化し、
融合し、区別がなくなっていく革命。
「草の根メディア」の使われ方は、
「情報発信」(コミュニケーション) から
「協働作業」(コラボレーション)へと深まっていきます。
・「ナレッジ共有革命」は、「感性共有革命」に進化
人々が、「ナレッジ」(知識)だけでなく、
感情や感動、感覚、感性を共有できるようになる革命。
文字情報の壁がなくなり、写真、映像、映画など、
感覚や感性に直接的に働きかける情報をネットに乗せる
ことができるようになったことから、
「言葉では表せない智恵」、「言葉を超えた感情や感動、
感覚や感性」が誰とでも簡単に共有できるようになって
きました。
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これらの「Web2.0革命」が、
どんなサービスとして具現化しているのか、
あなたは容易に思い浮かべることができますよね。
(はてな、You tube・・・などなど)
具体例や、革命の詳細説明については、
ぜひ本書を読んでください。
投稿者 松尾 順 : 2007年01月31日 12:20
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