命を賭けたデザイン 第5章:本当の勝利者

今回が、産業スパイ小説もどき「命を賭けたデザイン」の最終章です。

前回までを読んでない方はこちらを先にどうぞ。↓

第1章:仕組まれた出会い
第2章:デザイン原器持ち出し計画
第3章:水面下の戦い
第4章:研究所侵入
 
 
 
 
 
第5章:本当の勝利者

「ふう、なんとか抜け出せた・・・」

ジョージは、研究所の脇のマンホールから姿を現した。

プロに対抗しようとするのは10年早い、そうジョージは思いながら、
体についた埃を払った。


「そいつを渡しな」

ジョージに銃口を向けた田中智史が叫ぶ。

プロのスパイ同士の対決だ。
ジョージも、田中が同類であることはすぐにわかった。


「そう簡単には渡さない」

ジョージはそう叫んで、草むらに逃げ込んだ。
田中も後を追う。


「ジョージ、こちらにそれ投げて!」

ひとみが叫んだ。
ジョージはデザイン原器をひとみにほうり投げる。

今度は、ひとみを追おうとする田中にジョージが飛びつく。
殴り合い。力はほぼ互角のようだ。なかなか勝負がつかない。


その間にひとみは、デザイン原器を持って車に乗り込んだ。
向かう先は、中国の電機メーカーP社日本本部だ。


「これが、S社のデザイン原器です」

ひとみは、P社幹部にデザイン原器を手渡した。

「ひとみ、君はラッキーだったな」


ひとみは微笑み返した。

「男たちを操るという点については、女の方が上手ですから」

(完)

投稿者 松尾 順 : 2007年01月05日 09:26

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コメント

峰不二子、恐るべし!

投稿者 課長007 : 2007年01月05日 17:28

課長007さん、まいど!
今年もよろしくお願いします。

ヒロインは、峰不二子っぽいですかね。
そういえば確かにそうだ・・・(笑)

投稿者 松尾 順 : 2007年01月05日 18:04

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