シンプルマーケティング(14)記号と意味
今回は、ブランド戦略成功の鍵を握る
「記号」と「意味」
を取り上げます。
学術的な定義は避け、
「記号」と「意味」を具体的に説明すると、
商品における「記号」とは、
名称(ネーミング)、ロゴマーク、パッケージデザイン
など、他の製品と区別するてがかりとなるものです。
一方、商品における「意味」とは、
生活者のベネフィット(その商品を購入して得するコト、モノ)
になります。
そして、ブランド戦略の成功度合いは、
この「記号」と「意味」の双方向のリンク
の度合いで判断することができます。
シンプルマーケティングで例示されているのは
「スニッカーズ」です。
「おなかがすいたらスニッカーズ」
「ピーナッツぎっしり、確かな満足」
といったコピーが印象に強く残ってますよね。
スニッカーズは、圧倒的な広告量と配荷量で、
「スニッカーズ」(記号)といえば
「空腹を解消してくれる」(意味)
という[記号→意味]のリンクと
「空腹感を解消したい」(意味)と思ったら
「スニッッカーズ」(記号)
という[意味→記号]のリンク
の「双方向リンク」を確立することに成功しています。
こうした状態を
「記号性と意味性の双方向一致」
と言います。
一方、リンクが弱いブランドの例としては、
「ボルボ」が挙げられています。
「ボルボ」(記号)といえば、「安全なクルマ」(意味)
という[記号→意味]リンクは強いのですが、
「安全」(意味)にリンクする「車種ブランド」(記号)
としては、ボルボだけでなく、ベンツやクラウンと
考えている生活者も多いため、[意味→記号]リンクは弱い。
すなわち、「意味性から記号性への一致」
が成立していません。
この状態を
「記号性からの一方向一致」
と言い、ブランドどしてはまだ未熟であることを
示しています。
なお、「記号性」と「意味性」の双方向一致を強化することを
「意味性の純化」
と言います。
「意味性の純化」が高ければ高いほど、
ブランド力が強く、生活者から最も選好される確率の高い、
成功しているブランドです。
したがって、ブランド戦略の究極の目的は、
「意味性の純化」を目指すことにあると言えるでしょうね。
◎シンプルマーケティング
(森行生著、ソフトバンククリエイティブ)
投稿者 松尾 順 : 2006年12月19日 11:58
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コメント
「名前」と「特徴」とも言い換えられそうですね?
「支離滅裂な課長007」とか。(爆)
投稿者 課長007 : 2006年12月19日 18:13
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