世界ナンバーワン営業マンの極意

ギネスブックに

「世界一の営業マン」

として認定されているジョー・ジラート氏は、
15年間に13,001台の自動車を販売。

1973年には年1425台を売り、
1カ月で最高174台の販売記録を残しています。
(いまだこの記録は破られていません)


これほどの営業成績をあげられた秘訣を知りたいですよね?

営業に対するステレオタイプ(固定観念)で考えると、

相当押しが強かったんだろう

とか、

完璧なセールストークを身に着けていたんだろう

とかと思っちゃいますよね。


実際、トークのうまさや、
それなりに押しの強さというものを持っていたんだとは思います。


しかし、ジラート氏自身が語る営業の秘訣は、

「アフターサービスには骨身を惜しみませんでした。
 もう一台を売る暇があれば、アフターサービスに徹しました」

ということなのです。
(Diamond Harvard Business Review 2006 October)


その結果、営業マンになってから2、3年もすると
ジラート氏に会いたいという客が押し寄せ、予約制にしたほど。

つまり、客の方が、売り手のジラート氏の都合に合わせなければ
いけないということです。

売り手と買い手の力関係が完全に逆転してますよね。それでも
多くの客がジラート氏から車を買うことを望んだわけです。


なぜでしょうか?

ジラート氏が客に与えていた最大の価値は、
購入後の「利用価値」でした。

車が故障してジラート氏の店に来れば迅速に対応してくれる。
ジラート氏によれば、
25分以内に修理を完了するようにしていたそうです。


消費者にとっては、車を買うことが最大の目的ではなく、
快適に乗り続けられることがより重要ですよね。

しょっちゅう故障したり、故障したらなかなか修理が終わらずに
いつまでも乗れないという状態が一番困るわけです。

ジラート氏が自動車営業をやっていた頃は、今と違って
まだ自動車の故障も多かったでしょうし。


でも、売って終わりじゃないジラート氏なら、安心。
しかも、部品代をしばしば請求しませんでした。

「お金は結構ですよ。私はお客様のことが大好きなんです。
 またいらしてください」


こんな対応されたらどうです?
他の営業マンから買おうなんて絶対考えませんよね。

ジラート氏こそ、CRMの真髄、
わかりやすく言えば、

「釣った魚にえさを十分あげる」

ことでの「リターンの大きさ」を理解していた人でした。


ジラート氏は、顧客に毎月はがきを送って、

「いつもあなたのことを思っていますよ」

という気持ちを継続的に伝えていたことも有名です。


さて、世界ナンバーワン営業が言うんですから、

「アフターサービス」

こそが営業の極意であることは間違いないですよね。


ところが、今でも相変わらず常に新規顧客を追い続け、
既存客をないがしろにする

「自転車操業的営業スタイル」

で自らの首を絞めている営業マンが多いですね。
(ちょっと前にも指摘したばかりですが)


これは、営業マン本人の意識改革だけでなく、
会社としての営業方針や報酬制度の見直しも必要なんだろう
と思います。

また、アフターサービスを営業マン個々人に任せすぎると、
どうしてもムラが出ます。

したがって、会社全体の取り組みとして、
高いレベルのアフターサービスを安定的に提供できる
仕組みの構築が求められるわけです。

投稿者 松尾 順 : 2006年11月15日 09:27

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mindreading.jp/mt/mt-tb.cgi/322

このリストは、次のエントリーを参照しています: 世界ナンバーワン営業マンの極意:

» tarot from tarot
デイリーブログ『マインドリーダーへの道』 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年10月18日 08:04

» ugg outlet stores from ugg outlet stores
世界ナンバーワン営業マンの極意 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年10月31日 11:02

» voyance from voyance
デイリーブログ『マインドリーダーへの道』 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年11月11日 13:07

» グッチ バッグ 通販 from グッチ バッグ 通販
世界ナンバーワン営業マンの極意 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年12月07日 22:15

» モンクレール ダウン from モンクレール ダウン
デイリーブログ『マインドリーダーへの道』 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2013年12月29日 21:08

コメント

セールスマンではなくヘルプデスク
そんな人や組織が“買い続けてもらえる時代”なんでしょうね。

投稿者 課長007 : 2006年11月15日 15:49

結局のところ、顧客に対して個別対応がきちんと
できるかということでしょうね。

営業マン個々人にすべてを任せてしまうよりは、
きっちり機能分化してサービスも充実させるのが
得策だと思います。

投稿者 松尾順 : 2006年11月15日 23:52

松尾様
大変申し訳ありませんでした。
ジョー ジラートについて調べさせていただいて
松尾様のブログにたどり着き、非常に分かりやすかったので、転載させていただきました。
PCの扱いについては なにぶん 素人なため 上手な手順が踏めずに 松尾様に限らず 他の皆様にもご迷惑をおかけしている次第です。
ただ ご理解いただきたいのは 私を含め大勢の皆様に 松尾様のような記事を見ていただきたい! そう願っての事でございます。自身のブログから松尾様へのブログへいけるような方式をとれれば 良かったのですが・・・
無断で掲載したことについて 申し訳ありませんでした。

投稿者 FORCE ヨヤス : 2007年02月07日 11:19

コメントしてください




保存しますか?