銭湯ランナー

豪華な設備と手ごろな値段のスーパー銭湯が増え、
ますます存在価値が薄くなっている昔ながらの「銭湯」ですが、
思わぬことで、再び人気を盛り返しているところもあるんですね。
(日経新聞夕刊、2006/10/14)


地下鉄半蔵門駅そばのマンションの1階、

「バン・ドゥーシュ」

というしゃれた名前の銭湯には、夕方になると仕事帰りの
ビジネスマン、OLが次々とやってきます。

彼らは、まずロッカー荷物を預けます。
そしてトレーニングウェアに着替えると、
歩道に出て準備体操をし、マラソンの練習。

戻ってきたらお風呂で汗を流してさっぱり。


同銭湯の経営者は、

「一時は廃業も考えたけれど、今は洗い場の拡張を検討中」

だとか。


マラソン客が増え始めたのは、2007年2月に初開催される

「東京マラソン」

の一般申し込みの受付が始まった夏ごろから。


最近は健康意識がますます高まってますが、
ジョギング用のおしゃれなウェアも登場して、
とりわけ、若い女性のランナーが急増しているようです。

皇居周辺なら警官が多く、
夜間に走っても安心なんですね。

ただ、仕事帰りに走ろうとする場合の問題は、
着替えたり、荷物を置いておける適当なところが
なかなか見つからない点でした。

しかし、「銭湯」がランナーのための格好の場所を
提供してくれてありがとうというわけです。

皇居周辺を走る「銭湯ランナー」、
ますます増えそうですよね。


このケース、非常に特殊な状況なので
あまり参考にならないと感じるかもしれません・・・

でも、人々のライフスタイルの変化が、
新たなニーズを生み出すということはしばしば起きている
ということ、それをうまくすくい取れば、
たとえ斜陽産業でも復活できるという可能性を示していると
思いませんか?

投稿者 松尾 順 : 2006年11月14日 11:46

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