シンプルマーケティング(2)ライフスタイル-1
今日は「ライフスタイル」のテーマを取り上げますね!
「シンプルマーケティング」で紹介されている
ODS社の消費者調査のデータベース、
「ODS-LSI」(ライフスタイル・インディケーター)
が明らかにした日本人の価値観の変遷が興味深いです。
ODS-LSIによれば、戦後の日本人の欲求は次のように
5段階に変化しています。
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第一段階(1940年代)・・・基本的欲求の時代
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敗戦直後。食べられればいい、住めればいいという基本的ニーズ
が充たされればOKでした。
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第二段階(1950年代)・・・雷同の欲求の時代
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基本的欲求は充たされ、隣もTVを買ったから我が家も・・・
という付和雷同型ニーズが主流。
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第三段階(1960年代)・・・優越の欲求の時代
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高度成長期。「隣のクルマが、小さく見えます」(日産サニー)
他人よりもっといいものを揃えたい。優越感を持ちたいという
ニーズが消費者を動かした。
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第四段階(1970年代)・・・差別化の欲求
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作れば売れる時代の終焉。好みの多様化。
他人と違うモノを持ちたいというニーズが高まった。
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第五段階(1980年代)・・・主観化の欲求
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成熟期。個人主義的傾向に拍車がかかる。
晩婚化、シングル化進展。他人を気にせず、
自分らしいモノに囲まれた暮らしを重視。
さらに、91年以降から始まる「第六段階」を
ODS-LSIでは、
「適正の時代」
と定義しています。
これは、人々の志向が、
「足元を見つめ直し、自分にふさわしい生活をする」
段階に移行したということだそうです。
この志向性、2000年以降もますます強まっていると
考えていいんでしょうね・・・
身のたけに合った暮らしをするというか、
無理をしない生き方を標榜する人たちが増えている。
「LOHAS」
(Lifestyle of Healthy and Sustainability)
のコンセプトもこの流れに沿ったものだと言えますし。
ただ、一方で、上昇志向、成り上がり意識が低下することで
経済・社会の活気は失われていってます。
要するにハングリーさが足りない。
日本の国際競争力低下は必至かなと思いますね。
森さんは、「適正の時代」に移行した結果として
“20-30代に「下流意識」が定着しつつあるのは皮肉
というべきだろう”
と指摘していますが、実際のところ、
日本は今、本格的な階級社会へと変化しつつあるんじゃ
ないでしょうか。(というか、戦前に回帰している?)
下流の対極にある「富裕層」、あるいは「新・富裕層」
といった言葉もまた、最近の流行語となっていますが、
これまでの日本社会ではあまり重要でなかった
社会階級別のマーケティング
が必要になってきているように思います。
明日も引き続きライフスタイルテーマで行きます。
投稿者 松尾 順 : 2006年10月18日 13:01
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