イノベーションの達人:監督

10人も紹介するのはやっぱ大変だったなと思いつつ・・・(⌒o⌒;
今日は、

『イノベーションの達人! 発想する会社をつくる10の人材』
トム・ケリー&ジョナサン・リットマン著、早川書房

に紹介されている第6番めのキャラクター、

「監督」

を取り上げます。


本書の「監督」の章の冒頭に引用されている、
スティーブン・スピルバーグ監督の言葉が印象的です。

「私は夢で生計を立てている」

こんな人生送れたら最高ですね。うらやましい限りですね。(^_^)


さて、「監督」とは、

製作過程の計画を立て、ステージを構成し、俳優から最高の
演技を引き出し、プロジェクトや会社の趣旨を明確にし、
全体の調和をとって仕事を完成に導く人

です。

ただ、トムの考える監督は、決して「トップダウン型」の
リーダーではないですね。

むしろ、偉大な監督は、縁の下の力持ちを進んで引き受け、
舞台の中央を他人に委譲し、各メンバーがほとんど指導を
必要とせず、自ら実例を示して率先して行動するチームを
作り上げます。

公式の権限が仮になかったとしても、メンバーの士気を
高めることができる人心掌握術の持ち主と言えるでしょう。


ハリウッドには、

「監督の仕事の90%は配役だ」

という格言があるそうですが、企業組織でも同じですね。


監督は、プロジェクトに適したメンバーを見つけ、
巻き込み、各メンバーの才能や個性に応じた適切な
配置を行って、チームの調和を図ることができなければ
なりません。

これ、人が相手ですから、たぶん他のどんなキャラクターと
比較しても一番難しくて面倒な仕事です。

立場上、監督が一番偉いのは当然かもしれません。


ところで、同書の監督の章にはとてもうれしいことが
書いてあります。

それは「昼寝のすすめ」


IDEO社の経験によれば、ブレーンストーミングは朝が
一番盛り上がるそうです。

つまり、頭が冴えてアイディアが出やすい。
朝は、エネルギーと創造性がピークに達している刻限
なのです。

そこで、日中に適度な仮眠を取るようにすれば、
一日に2度、エネルギーと創造性のピークに達すること
ができるというわけです。


また、ハーバード大学のある調査によると、
昼間の仮眠は「情報過多」を緩和するのだそうです。
昼寝は脳がさまざまな仕事を学習する能力を高め、
記憶を強固にするらしいのです。


実は、私は会社勤めをしていた頃から、
日中、デスクに座ったまま、うつらうつら、
いや「仮眠」をしていました。

人にわからぬようにこっそり寝ていたつもりですが、
当時の同僚たちは皆気づいていたようです・・・(⌒o⌒;


5年前に独立して、
自分の事務所でデスクワークするようになってからも、
しょっちゅう眠くなってしまいます。
(しかし、幸いにも一人でやってるので、私の居眠りを
 見咎める人はいません)

それで、我慢できずについついソファーに横に
なってしまうのですが、いつも、

「自分はなんてぐうたらなんだ」

と目覚めるたびに自己嫌悪に陥っていたものです。


しかし、この本を読んだ今となっては、
ためらいなく仮眠することができるので、
とても喜んでいるわけです。


なんたって、トムは、偏見や先入観を捨てさえすれば、

「昼寝は、野心的で創造的な人間の強力なツール」

とまで言い切ってるんですから。(笑)

投稿者 松尾 順 : 2006年08月10日 13:19

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