円滑すぎる請求書発行

先週21日(金)、事務所の郵便物を取り出してみると、
A社からの請求書が届いていました。

「変だな・・・A社のログ分析ソフトは1年前に購入したけど、
 保守費用とか発生しないはずだし、心当たりがないなあ!」


請求書というものは、おおむね心臓によくありませんよね・・・
遅かれ早かれ払わなければいけないとわかってはいても、
気分が滅入るものです。(笑)


さて、ここでいったん話を2日前の19日(水)に巻き戻します。


19日、A社からメールで案内が届きました。

新しいASPサービスの紹介です。
ブログの仕組みを使ってホームページの立ち上げや運用が
簡単にできるというもの。

仕事柄、こうした情報は逃すわけにはいきませんので
早速、詳細説明のWebサイトにアクセス。


サービス内容をざっと眺めると、なかなか良く出来たASPです。
ビジネスユースにも耐えるデザインや品質に仕上がっている
という印象を受けました。

料金設定もビジネスユースであれば妥当な水準であり、
悪くありません。


「もう一つ自分のサイトを立ち上げるかな・・・まあそれは
時間がなくて無理かもしれないけれど、今後、クライアント
のWebサイト立ち上げの選択肢とて使えそうだ」

と考え、まずは自分でちょっと試してみることにしました。
幸い、登録から最初の14日間は「無料お試し期間」となっています。


それで、ともあれユーザー登録だけ済ませました。
サイトの詳細設定は結構手間がかかりそうなので、
週末以降にぼちぼちやろうかなと思ってたんですね。


そう、そして中一日後の21日金曜日、
A社から届いた請求書は、このASPサービスのものだったのです。

請求書やWebサイトを改めてよく見ると、
請求書記載の金額を払えば、
無料お試し期間終了後も継続利用できるし、
もし、継続利用する気がないなら払わなくてよい、
ということらしいです。


なるほどそれはそうかもしれませんが・・・
請求書発行のタイミングがあまりに早すぎると思いませんか?


まだ、当サービスに「興味・関心」を持ったばかりで、
ろくに「理解」も「確信」もしていない時点で、
早々と請求書を送ってしまうことが、
見込み客の心理にどんな影響を与えるか、
当サービスの担当者は想像できなかったんでしょうか?


請求書を受け取るということは、支払いが先のことであれ、
すぐにでも「購入の決断」を迫られているような気分に
嫌がおうにもさせられます。


今回、ユーザー登録からわずか2日後に
請求書が届くというのは、実に円滑なワークフローですよね!

しかし、

「えーなにー、まだろくに試してもいないのに、
 いきなり請求書送りつけやがって・・・」

という気持ちを与えてしまったら「アウト」じゃないでしょうかね。

コミュニケーションのプロセス設計がまったくなされていない
と考えざるを得ません。


定石的には、

・ユーザー登録後3日目くらいに、使用感についてたずね、
 またわからないことがあれば問いあわせしてほしい旨の
 eメールを送る。

・7日目あたりで、試用期間があと1週間であること、および
 紙の請求書が2-3日以内に届くことを事前に知らせるeメールを
 送る。

くらいのことをやるべきではないでしょうか。


円滑な業務遂行は本来歓迎されるべきことですが、
今回の場合は、お試し登録ユーザーの歩留まり率を
大きく低下させることにつながっているんじゃないでしょうか。


A社のこのサービス、なかなか優れものであるだけに、
大変残念に思いました。

投稿者 松尾 順 : 2006年07月24日 10:45

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