合脳的プレゼンテーション
先週の「プロフェショナル 仕事の流儀」(NHK)では、
これまで登場された方の「仕事術」を特集してたんですが、
ご覧になったかたもいらっしゃいますよね。
いろいろと紹介された仕事術の中で特に面白いと思ったのは、
「生茶」などをヒットさせたキリンビバレッジの商品企画部長、
佐藤章さんの「プレゼン術」です。
まず、佐藤流プレゼン資料の作り方。
佐藤さんは、パワーポイントのスライド1枚の説明時間を
「約1分」
として枚数を決めるそうです。
例えば、プレゼン時間が20分だとすると資料は20枚になります。
こうする理由は、だいたい1分間に一つのテーマを話すのが
相手にとって理解しやすいから。
私としては、これが普遍的に良い方法とは思えませんが、
毎年、相当数の新商品を開発しなければいけない清涼飲料メーカー
だけに、簡潔でスピーディな説明が求められるんでしょうね。
次に、佐藤流プレゼンテーションのコツ。
それは、「接続詞」に気をつけることだそうです。
「だからこそ、この商品の・・・」
「ですから、消費者の・・・」
などと、話のつなぎや場面転換に、
だから、ですから、したがって、つまり
など、接続詞をきちんと意識して流れを作っていく。
プレゼンに慣れない人に多いのは、
「えーと、この商品は・・」
「えーと、ネーミングについては・・・」
と間投詞「えーと」を連発することですが、
これだと話がつながっていかない。
聞いてるほうは、いらいらします。(笑)
でも、接続詞を意識して話をしていくと、まるで
「物語」(ストーリー)を語っているかのようなものに
なりますね。
これは脳科学者の茂木健一郎氏によると、
物語として語ると、脳のシステムにすっーと入ってくる。
理解・記憶しやすいものとして受け取ることができる。
こういう脳にとって受け取りやすいコミュニケーションのことを
「合脳的」(脳に合っている)
と言うそうです。
昨今、コミュニケーションにおいて「物語」が注目されて
いますが、
佐藤さんは、実践の中でプレゼンの物語化の必要性を実感し、
「接続詞に気をつける」という具体的なテクニックを
編み出されたんでしょう。さすが!
ところで、ご参考までに番組の中で説明のあった
20分のプレゼンテーション資料の枠組みをご紹介しておきます。
(新しい清涼飲料開発の場合のようです)
Page [タイトル]
1 市場動向
2 社会動向
3 ターゲット
4 開発案件
5 テーマ
6 商品コンセプト
7 ユーザーベネフィット
8 マーケティング上の意義
9 プロダクト・プロファイル
10 ネーミング
11 パッケージ
12 味
13 広告
14 調査結果
15 市場導入戦略
16 商品戦略
17 営業戦略
18 セールスプロモーション
19 広告戦略
20 採算計画
紹介されたのはタイトルだけなので、
内容は推測するしかないんですけど、飲料メーカーらしい
構成ですよね。
投稿者 松尾 順 : 2006年07月06日 12:23
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トラックバック時刻: 2013年09月27日 06:02
コメント
番組は見ませんでしたが、PPTの枚数=分数は
私も全く同じです。
中扉が入ったり、ページ毎に粗密の差はありますが、
ならしてみると、1枚1分計算になりますね。
これを超えるようだと、かなりせせこましくなり、
早口にもなるので、どうしても超えるときは、
早口でもきちんと伝わるように、より言葉を選んで
話すようにしています。
それから、接続詞の話も納得ですね。
私の場合は文章を書くときに注意している点ですが。
(文章の場合、他にも主語抜かしをしないとか、
指示代名詞を多用しないなどの留意点がありますね)。
もう一つ気をつけている(のですが、克服できていません)
のは、やはり「あのー」とか、「ええと」などの間投詞を
使わないこと。
これを1回も入れずにプレゼンをやり遂げた人は
過去一人しか見たことがありません。
ただ、間投詞撲滅ばかりに気を取られていると、
プレゼン全体の流れが悪くなるので、本当に詰まりそうに
なったときには流れ優先と思った方がいいと思います。
・・・と少々、とりとめがなくなりましたが、感想まで。
投稿者 金森努 : 2006年07月06日 13:20
私も、間投詞はつい使っちゃいますね。
つなぎとしてある程度はやむを得ないです。
逆にまったくないプレゼンは、聞いてる方も
ちょっと疲れるかもしれません。(笑)
投稿者 松尾 順 : 2006年07月09日 11:08
佐藤章さんの「プレゼン術」を偶然TVで見て、それから何人かにその内容を紹介しているお節介な人間です。ただ書き留めてなかったので「プロフェショナル 仕事の流儀」のホームページを検索したところ、さすがNHKなので肝心な所は出版本を買わないといけない。ですが、このブログをヒットしました。助かりました。これでまたお節介ができます。先日ある会でイベント紹介の場と時間を作ってどうぞと出て頂いた方があまりにも「あの~」を連発するので、あせって自分でもう一度紹介してしまいました。お蔭さまで、その方に「参考にして」とかるくちゃんとお節介ができます。ありがとうございます。
投稿者 y.tanihira : 2006年09月24日 19:08
私も佐藤さんのプレゼンの方法に少しは倣ってみようとして、たとえで放送されていた20枚の内容を探していました。
業界は違っても、どの程度のボリュームを1分でされているのかが参考にしりたかったのでです。
助かりました。
投稿者 kerry : 2008年03月21日 10:26
kerryさま、お役に立ててなによりです!
投稿者 松尾順 : 2008年03月21日 13:29
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