オンライン店舗生き残りの鍵は独自の商品開発力

「無印良品」のネットストアは、昨年度「35億円」の売上げを
記録しているんですね。(日経情報ストラテジー JUNE 2006)

ネットストアをひとつの店舗とみなすと、売上げのトップの
有楽町店に続くナンバー2の売上げを誇る巨大店舗に成長した
ことになるそうです。

今年度は、47億円の売上げを見込んでおり、2000年9月の開店
から約6年で、有楽町店も抜いてナンバーワンになる見通し。

ネットストアは実店舗より経費が少ないので利益率が高く、
しかも、客単価は12000円と、リアル店舗の6倍。

商圏、品揃えに制限のないバーチャル店舗ですから、
これからも、どこまで成長するのか計り知れないですね。


さて、ご存知のように「無印良品」はオリジナルブランド。
同社以外の店では購入することはできません。

ですから、「無印良品」の商品を買いたいと思ったら、
同社のネットストア、またはリアル店舗に行くしかありません。

つまり、同社は「製造小売業」です。

生産そのものは外部委託するとしても、移ろいゆく消費者ニーズ
を捉える商品企画・開発力と、マーケティング・販売能力の
どちらも強化していかなければなりません。

様々なメーカーが製造した商品を仕入れて売るだけの「小売業」
とは違って、格段に経営が難しい。

しかし、このハードルを越えることのできた「無印良品」の
良品計画は、ネットエコノミーの中でさらに存在感を増していく
ように思います。


なぜなら、どこでも手に入るような商品なら、
どのお店で買っても同じだから。

リアル店舗の場合は、まだ近くに住んでいるとか、
物理的な制約条件が大きいですが、ネットの場合はそれがない。


既に私たちは、Yahoo、Googleなどで商品名をダイレクトに検索し、
検索結果に並んだ複数の店舗の中から、総合的な評価を行って
購入先を決めるという購買行動を取るようになってきてますよね。

極端に言えば、欲しい「商品」さえ手に入れば、
購入先はどこでもよいのがネットエコノミーの消費者です。

もちろん、アフターサービスが重要な商品ジャンルは、
店舗の選定も重要です。

また、オンライン店舗側としても、
様々なCRM施策によって購入客のストアロイヤルティを
高めていくというアプローチは依然として有効です。


ただ、明確なのは従来型の仕入れて売るというだけの小売手法を
ネットに持ち込んだだけでは、アマゾンのような巨大資本や
SEO対策に長けた企業は勝てない。

消費者の店舗への流入経路が、検索エンジンや比較サイトに
絞られつつある今、どの店舗もそこその売上げで仲良く「共存」
ということが起きず、勝ち負けがはっきり出てしまう。

そんな厳しい環境で、オンライン店舗が生き残る鍵は、
良品計画のような、独自性の高い商品の企画・開発力を
磨くことになっていかざるを得ないでしょうね。


そういえば、「ユニクロ」のファーストリーテイリングも
製造小売型ですが、オンライン店舗のショーバイは
上手くいってるんでしょうか?

投稿者 松尾 順 : 2006年04月25日 10:50

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コメント

こんにちは。

MUJIとの比較という意味では僕もuniqlo.comの売上げは興味があるところです。

MUJIは生活に関わりがあるという意味では、商品展開はわりと多岐にわたっていて、一方、uniqloもGOODSはやっているようですがやはり衣料品というイメージが強いのかなあという印象があります。
これが、わりと双方の初期の頃からのイメージとして根付いているのかなあって。

で、上述のような商品展開のイメージに加えて、uniqloは「リーズナブルだけど~」っていうイメージが強くて、コンシューマの意識にブランドネームとしてのuniqloに対する好き嫌いがハッキリ出やすく、MUJIはノーブランドというイメージづけを一環してやってきた強味のようなものがあり、ゆえに双方の違いをさらに助長させているような気もします。

uniqloは何をやるんだろう? っていう読ませない部分もあるので、それがうまくいった時はいいような感じに見えるのですが、ヒットを出していかないと、という点が難儀なのかもですね。

投稿者 Jules : 2006年04月25日 21:44

Julesさん、まいど!

uniqloさんは、定番品中心のカジュアル衣料分野で勝負しているのに、へたにイメージ重視型のブランディングをしたばかりに、流行を追わざるを得なくなってますよね。

uniqloの安さと品質の高さはすばらしいのですが、それだけじゃなくて、カジュアル衣料なりの流行りを先取りすることを消費者が期待してしまうようになってますから。だから、当たり外れも大きい。

一方、MUJIさんの場合は、「ノーブランド」というブランド作りによって、時代を超えた価値を一貫して訴求してますから、
uniqloさんほどは当たり外れが少なくなってますよね。

投稿者 松尾 順 : 2006年04月26日 09:09

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