居酒屋の全体最適化
取引先の会社の移転のご案内が届きました。
新しいオフィスは麹町です。
麹町というと、私は学生時代にアルバイトでどっぷりと
浸かっていた「居酒屋とんちゃん」を必ず思い出します。
ノスタルジックな感情とともに。(⌒o⌒;
「とんちゃん」は汚い、いや庶民的な店。
おやじさん、おかみさんも味のある人たちで、
お客さんにとても慕われていました。
やたらとツマミの量が多い・大きいのが特徴で、
おにぎりは、確か砲丸投げのボールくらいありました。
片手では重過ぎて持てません。
近くの国会図書館、麹町警察署、ダイヤモンドホテルの方々など、
固定客が多く、ほぼ毎日満員御礼で大変忙しかったです。
私は当時、毎日開店から閉店までいたので、
‘ミスターとんちゃん’と呼ぶお客さんがいました。(^-^)
さて、若い人や警察のガタイのいい方々は、
飲むのも食べるのが早く、すぐにツマミがなくなります。
でどんどん追加注文が入る。
でもそうなると厨房がおっつかなくなるんですよね。
当時は、注文はメモへの手書きのみ。
壁に突き出た釘に、
そのメモをどんどん突き刺していくんですが、
メモ用紙が10枚とか超えると、何を何個作ればいいのか
混沌としてきます。
そこで、ミスターとんちゃんの出番です。
新しい注文を手に厨房に入り、すべての注文を整理し直して
まとめて作れる同じ料理が何個あるかを伝えます。
また、テーブルを見回り、ツマミの皿が空になっていて
食べるものがなく、
「お兄ちゃん、さっき注文した焼きうどんまだ?」
などと言われそうな注文の優先順位を上げて、
先に作るようお願いします。
こうした「注文捌き」の技は経験を通じて学んだわけですが、
今振り返ってみると、来店客全員が一定以上の満足を感じて
帰ってもらえるような「全体最適化」を図っていたことになる
んですね。
上記のようなことは、先日ご紹介した「愛されるサービス」
の本にも書いてありました。
なるほど、当たり前だけどどこの店でもやってるんだと
思った次第です。
顧客満足を考える時、1人(1組)ひとりの個別最適化ではなく、
顧客全体の最適化という視点が必要になってくる業種・業態が
あるというわけです。
投稿者 松尾 順 : 2006年04月21日 06:00
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コメント
私はとんちゃんを心から愛していた飲ん兵です。とんちゃんが引越したと聞いたのですが引越先を知っていたら知りたいのです。3/14にとんちゃんがあった場所に行ってみたらみつ屋ビルとなっていてシャッターが降りていました。たしかみつ屋とんちゃんだったのでオウナーは変わっていないと思います。
投稿者 とんちゃんの引越先? : 2009年03月15日 12:24
とんちゃんは、引越していたんですね。
残念ながら引越し先を知らなくて・・・
すいません。
元とんちゃんの場所は、
みつ屋ビルになっていますね・・・
私は、現在は貸しビル業をやられているのか
と思っていました。
投稿者 松尾順 : 2009年03月17日 12:51
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