目に見えないほどの差異で勝負してどうする?

テレビを買い換える時、「画質」は重視されますか?


私は、あまり「画質」は重視しないんですよね。
結構鈍感なので(⌒o⌒;、‘そこそこ’でいいと思っています。

実際、映画とか、美術館めぐりのようなドキュメンタリー
を見る場合なら、画質の良さが実感できるのかも知れません。

でも、例えば、お笑いタレントが出演するバラエティ番組や
普通のドラマを見るのならまあ、画質はどうでもいいですよね。


さて、これからのテレビ市場の主役になる(らしい)のは

「フルスペックハイビジョンテレビ」

だそうです。


そうなんですよ、すでに普及している「ハイビジョン」よりも
さらに画質の高い上位規格があったんですね。

従来のものは「標準ハイビジョン」。
実は、デジタルハイビジョン放送の信号を5割程度に間引いて
表示しています。

一方「フルスペックハイビジョン」は、
デジタルハイビジョン放送を100%表示できます。
したがって、標準ハイビジョンよりもさらに‘微細な部分’
の表現力が高い。


もちろん、価格も若干高い。

画面サイズが同じものだと、標準ハイビジョンよりも
5-10万円ほど高くなっています。

これでも、以前よりもずいぶん安い価格設定で
販売できるようになったそうです。

そもそも、標準ハイビジョンを最初に市場に出したのは、
当時のフルスペックでは、高すぎて売れそうもなかったから
なんですね。


さて、この5-10万の価格差、消費者が納得できるだけの
画質の違いがあるのか、といったらそうでもないんです。

例えば、シャープさんでは、画質の細かさの違いを
確認してもらうために「虫メガネ」を販促ツールとして
量販店に配布しています。

つまり、もはや裸眼では違いがわからないところまで
行き着いた品質で競争しているわけです。


目に見える製品、つまり「有形財」を製造しているメーカーの
場合、どうしても、機能、性能、価格(コスト削減の反映)
といった、「目に見える次元」での技術競争に邁進し、
本当にそれが消費者のベネフィットにつながっているかどうか
考えない傾向がありますよね。

「フルスペックハイビジョンテレビ」

もその典型的なケースですね。

「目に見える次元」での競争でありながら、
もはや目に見えないほどの差異で勝負してどうするんでしょう?

メーカーのひとり相撲というところでしょうか。


ところで、最近の類似のケースとしては、
デジタルカメラ市場で、「超薄型」でヒットしたカシオの
エクシリムに対抗し、それを上回る薄さを実現したソニーの
「サイバーショット」があまり売れなかったというのがあります。

また、カメラと言えば、
富士写真フィルムの「写るんです」の高機能版が5月に
登場しますね。シャッタースピードを二百分の一秒に高速化
したものです。

レンズ付フィルム市場では世界最速。


しかし、私たちは、お手軽・便利で使ってた「レンズ付フィルム」
にそんなもの求めてるかなあ?

投稿者 松尾 順 : 2006年04月06日 00:00

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コメント

フルスペックハイビジョンは、50インチ、60インチなどの大画面用のスペックですね。
30インチぐらいだと、確かにあんまり意味がありません。

50インチ、60インチになってくると、従来のアナログ画質だと引き伸ばされまくりで、いくら画質にこだわりがない人でも、気になってしまうのではないでしょうか。

昔はどれだけテレビが大きくても30何型という上限がありましたので、「画質の向上」は微細な差にしか感じられませんでしたが、これからは若干違うのかと思います。

投稿者 菅原 : 2006年04月07日 17:27

菅原さん、ども。
テレビのこと、詳しいんですね。

画面サイズのことを書き忘れていましたが、本文中のシャープのテレビは45インチでした。その程度だと、標準ハイビジョンとの差が虫メガネでないとわからないんですね。

ただ、ご指摘の通り、50、60インチとなると、かなり差が明確に出るでしょう。そこまでの大画面となると、逆に価格差はあまり重要でなくなってくるかもしれません。

投稿者 松尾 順 : 2006年04月07日 17:47

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