ローボールに気をつけろ!
ちょっと前の日経新聞に掲載されていた
マンション販売についての実例です。
高野道代さん(65歳)は、チラシに「デザイナーズマンション」
と謳われていた東京練馬区のワンルームマンション(中古物件)
を約500万円で購入しました。
築年数は20年を超えていたけれど、床や壁は大理石風の造り、
自宅から100メートルと近いことも気に入ったのです。
建物の壁にはヒビが入り、屋上に上がるハシゴなど至る所に
サビを見つけたけれど、仲介業者に聞くと、
「修繕積立金は、すでに1000万円あります」
という返事。
そこで、高野さんがほぼ購入を決めかけたところで、
業者は、「修繕積立金の額は、実は100万円台です」
と訂正してきました。
でも、高野さんは「なんとかなるだろう」と
購入に踏み切ったのが「後の祭り」でした。
実際、当マンションのオーナーになってみると、
あまりにもひどい実態に直面します。
清掃ひとつとっても手抜きされますし、
マンション組合の総会も18年間にわたって一度も開催されて
いなかったのでした。管理費の使途も不明。
要するに、所有者の無関心を逆手にとった
「管理会社にいいようにされた物件」
だったということです。
さて、最初に「修繕積立金は1000万円」と応えた仲介業者
ですが、意図的に嘘をついたことがおわかりでしょうか。
これは、販売テクニックとしては常套手段のひとつ、
「ローボールテクニック」
です。
最初に相手がとりやすい低い球(有利な条件)を投げておいて、
その気にさせた後で、その有利な条件を不利なものに変更する。
まあ、文書に残してあれば詐欺罪成立しちゃいます。
しかし、人間心理とは不思議なもので、
いったん決断してしまうと、その取引を打ち切ることよりも、
物事を都合よく解釈して自分を納得させてしまいがち。
高野さんのように、
「なんとかなるだろう」
と思っちゃうわけです。
販売の現場では、
こうした顧客心理のモロさを突いた様々なテクニックが
日々実践されていることがわかりますよね。
他にもいろんな販売テクニックがありまして、
知っておくと騙されずにすむんですけれど、
まずは
ローボールに気をつけろ!
投稿者 松尾 順 : 2006年03月16日 10:45
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コメント
まずは、メルマガ100号オメデトーございます!
怠惰なワタシがコーチングのおベンキョーをしなきゃと、「背中押し」されてます。これからも楽しみにしています。一生続けてください!
投稿者 swan : 2006年03月16日 12:50
100号なんてスゴイ☆
これからも先生のブログで勉強させてもらいます。
投稿者 イヌブシ : 2006年03月16日 14:39
swanさん、コメントありがとうございました。
今後ともよろしく!また飲みに行きましょう!
イヌブシさん、ありがとう。
ブログの内容で質問とかあったら、ぜひコメントしてくださいね。よろしく!
投稿者 松尾 順 : 2006年03月24日 20:16
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