できるだけリアルな「顧客の仮面」をかぶる方法
「お客様のために」
じゃだめだ、
「お客様の立場で」
考えろ!
と言うのは、確かIYグループ会長の鈴木敏文氏でしたね。
確かに
「お客様のために」
というのは、一見正しい考え方のようですが、
現実には、サービス提供者側の一人よがりに終わることが
多いかもしれません。
お客としては、
「そんな無意味なサービスより安くしろ」
と言いたくなる過剰サービスなどがそうでしょう。
嫌われるだけの結果に終わる押し売りコールもそうですね。
でも、「お客様の立場」になるというのはまこと難しい。
自分が何か買う段になる時には、ごく自然に「お客様」になれるのに、
いったん企業側担当者の立場に身を置くと、
とたんに顧客心理がわからなくなるのは不思議ですよね。
そんなあなたにお勧めしたいのが「ペルソナ法」です。
「ペルソナ法」では、まず、
自社の商品・サービスを使ってくれそうな、あるいは
使って欲しい「典型的な顧客像」をできるだけ具体的に想定します。
つまり、その顧客の名前(海田山男とか)、性別、年齢はもちろん、
職業、住居、年収、家族構成、趣味、レジャー、スポーツ、
ファッション、購読雑誌、結婚観などなど。
あくまでバーチャルな存在ではあるのですが、
あたかも実在の人物であるかのように
できるだけ詳しく書き出します。
そして、この「海田山男さん」は、自社の商品・サービス
に対してどんなことを言いそうか、どんな使い方をしそうか、
考えてみます。
通常、ターゲットの設定は、「20-30代の男性」といった
粗い決め方で走ってしまうことが多いですよね。
でも、こんな粗いターゲット設定だから、
なかなか顧客の立場に立てない。
「ペルソナ法」のアプローチだと、
詳細なプロフィールを設定する段階で、いわば自分が、
「顧客の仮面」をかぶったように感じるところがポイントです。
(ペルソナとは元々「仮面」という意味があります)
本当の意味で、顧客の立場に自分を置いて考えることが
できるわけです。
このペルソナ法、まだあまり知られた手法ではありませんが、
大手企業ではかなり採用されつつあります。
最近だと、日本IBMさんのホームページ作成ソフト
「ホームページビルダー」の最新バージョンの開発に当たって、
“実際には存在しない仮想ユーザー『ペルソナ』を5人ほど
設定し、その人たちが使いやすい設計とは何かを徹底して
考えた”(山崎和彦氏、ユーザーエクスペリエンスデザイン
センター マネジャー)
そうです。
できるだけリアルに「顧客の仮面」をかぶる方法、
それが「ペルソナ法」です。
投稿者 松尾 順 : 2006年03月09日 00:26
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トラックバック時刻: 2013年12月05日 13:17
コメント
松尾さん、おひさしぶりです。
「ペルソナ法」非常に良い話ありがとうございます。
ちょうど今、仕事でターゲティングをどうするか、まさに悩んでいるところでした。
早速、各層で具体的に名前からイメージしてやってみました。
そうしたところ、ターゲットイメージが前よりも具体的になり、より顧客の見方ができるような気がします。
PS.自分もマーケティング系ではないのですが、ブログを始めています。ちょっと「とぐろ巻き系」ですが。
ブログ名は、ちゃっかり幻の「守」の教室名を使わせてもらっています。
投稿者 キムラ(@クロシオ胡蝶) : 2006年03月09日 18:02
キムラさん、どうも!
コメントありがとうございました。
お役に立てたようでうれしいです。
たぶん、「神は細部に宿る」みたいなもんでしょう。
PS
ブログの名称、教えてくださいよ!
投稿者 松尾 順 : 2006年03月09日 20:01
松尾さん、おはようございます。
URLは、先日のコメントにも貼り付けていますが、
『合気アミーゴblog』 です。
あまり品(ひん)はないです。
よろしくお願いします。
投稿者 キムラ(@クロシオ胡蝶) : 2006年03月10日 09:31
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