キャリアの羅針盤
週末は気分転換のため(⌒o⌒;、
マインドリーディングのテーマをちょっと脱線することにしたんですが、
今週末はキャリアアドバイザーの立場から書いたものを掲載します。
(知恵市場に投稿したものです)
自分のこれからのキャリア形成を設計する場合、
・キャリアのゴール(目標)の設定
・キャリアのゴール到達のための「実行計画」作成
の2つを行うことが定番ですね。
確かに、
「どこに行きたいのか」
そして
「どうやってそこに行くのか」
が明確になっていないと、
日々の行動に落とし込むことができません。
ただ、注意しなければいけないのは、
実際、キャリアのゴール目指して行動開始したはいいが、
物事は、なかなか「実行計画」通りには進まないという点です。
「実行計画」は、キャリアのゴール(目標)までの道順を示した、
いわば「地図」(ロードマップ)ですが、本物の地図とは違って、
道順自体がぐにゃぐにゃと動いています。
突然道が切れたり、大きな障害物で塞がれてしまったり、
逆に予想もしないところに新たな道が現れ、
どちらに進めばいいのかわからなくなるといったことが
しょっちゅう起こります。
つまり、「実行計画」は、一度立てればOKというものではなく、
かなり頻繁に見直す必要があるのです。
ところが、頻繁に見直していると、自分が目指すべき方向は
こちらでいいのだろうか、といった迷いが出てくることがあります。
これは、要するに方向感覚を失った状態です。
こんな時、持っておくべきものはなんでしょうか?
そうです、「羅針盤」、つまりコンパス(方位磁石)ですね。
キャリアデザインを行う際には、キャリアのゴール、実行計画と
併せて「キャリアの羅針盤」を持っておくことがいいんです。
キャリアの羅針盤とは、端的に言えば、人生やキャリアに対する
基本的な考え方や価値観と言えます。
「自分は人生やキャリアの中で、どんなことを大切にしたいのか、
優先したいのか」
という答えが「キャリアの羅針盤」です。
キャリアの羅針盤は、生き方の大きな方向性を示してくれます。
したがって、キャリアの実行計画、すなわち地図(ロードマップ)を
頻繁に書き換えたとしても、日々の細かい道順は教えてくれない
ものの、進むべき方角を間違うことはありません。
さて、「キャリアの羅針盤」ですが、
社会人の人生やキャリアに対する考え方、価値観を調べた研究によれば、
大きく次の5つの方角(キーワードで表されています)が
あるとされています。
1 上昇
2 安全
3 自由
4 バランス
5 成長
それぞれの方角を持つ人は、おおよそどんな考えや価値観を持ち、どんな
行動を取る傾向があるのかを次に説明します。
上昇:昇進を望む、権限・責任を受け入れる、挑戦を好む、成果を重視
安全:成果を仲間と分かち合う、「会社のため」の発想強い、雇用安定性を重視
自由:自由を求める、規律を好まない、孤高を保ち、自分らしさを追求
バランス:私生活を大切にする(ただし、非常事態にはハードワークをいとわない)、
余裕のある生き方を重視
成長:自分の能力が発揮できる場を求める、飽きっぽく、報酬よりも、
わくわくできる仕事を優先。アイディア志向
あなたの羅針盤はどれでしょうか?
あなたの羅針盤が明確であれば、日々の行動に迷いがあまり出ません。
キャリアの地図(実行計画)があまりあてにならず、
右往左往する毎日であっても、進むべき方角がはっきりわかっているからです。
なお、上記に示した羅針盤の5つの方角は、あくまで研究から導かれた
ひとつの分け方であり、自分の羅針盤が必ずどれかに該当しなければ
ならないと思い込まないでください。実際には、いくつかの方角の組み合わせ
であっても、またこれ以外の方角であってもいいのです。
大切なのは、自分が納得できる、自分なりの「キャリアの羅針盤」を持っていることです。
ちなみに、私のキャリアの羅針盤の方角は、若い頃は「成長」と「自由」の中間
くらいでした。最近は「バランス」も重要になってきています。
投稿者 松尾 順 : 2006年03月04日 15:52
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