「いい汚れ」と「悪い汚れ」
小中学生の頃に学校で使ってた学習机、
どんなだったか覚えてますか。
思い出すだけでなんとなくなつかしくなりませんか。
天板にいろいろ落書きしたり、彫刻刀で傷をつけたり
しましたよね。
そんな使い古しの学習机の天板から作られた
フォトフレーム(写真立て)があります。
セレクトショップ‘D&Department’の
という商品です。
このフォトフレーム、当然ながら引っかき傷や、
テープをはがした跡、落書きなどがあちこち残っています。
新品なら不良品扱いです。
しかし、廃材として処分される運命だった学習机から再生された
「フォトフレーム」の傷は、価値を下げるどころか、
むしろ新たな価値を付加しています。
それは、自分の子供の頃を思い出させてくれる
ノスタルジーあるれる情緒的な価値であり、また
同じものが2つとないオンリーワンの価値なんですね。
D&Departmentの経営者、ナガオカケンメイ氏は、
“汚れの中には「いい汚れ」と「悪い汚れ」があり、
いい汚れには「汚れていてありがとう」と
感謝されるくらいの需要がある”
と言っています。(日経デザイン、March 2006)
これは、新品にわざわざ穴を空けたり、石と一緒に洗濯して
傷をつけるストーンウオッシュ加工のジーンズに価値を
感じる消費者心理が生み出す需要と同じですね。
高齢化が進む日本では、自分自身については
「アンチエイジング」(抗老化)
の商品がもてはやされているのに、
身の回りのものには、むしろ
「エイジング・ビューティ」(経年美)
がありがたがられるのは不思議な感じですね。
なぜなんででしょうか・・・?
投稿者 松尾 順 : 2006年02月24日 11:30
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