やっぱり閉じたものは開かれたものに負けてしまう?

今頃の時期、皆さんの事務所・家庭にタウンページが
届けられますよね。もう来ましたか。

ところで、

過去1年間で、1回でもタウンページを開いた記憶ありますか?

私はもう何年も開いたことがありませんでした。
この拙文を書くために数年ぶりに開きました。(笑)


手にとると、実にでかくてぶ厚いタウンページ、
私の事務所には「東京23区版」と「豊島・文京区版」の2冊が
配布されますが結構場所取ります。正直邪魔です。

使わないのだから、「いらないよ」と断ろうかとも思うのですが、
「タダ」なのでついつい受け取ってしまいます・・・(⌒o⌒;


もはや、タウンページもその役割を終えつつありますよね。
欲しい商品やサービスを探す媒体としての役割です。

企業名や店名だけで探して、それから詳細情報を問い合わせて
なんて、かったるくてやってられない。

今は、「企業・店名+詳細情報」とセットになっているのが
当たり前。そうしたら、すぐに比較検討に入れますから。


マーケティングコンサルタントの石原明さんは、

「情報は先出し」(しかも、できるだけ詳しく)しないと

顧客は寄ってこないとおっしゃってますが、
紙のタウンページはそれができないわけです。


タウンページは、広告媒体として
まだまだかなりの収益を上げていると思います。

でも、実際の問い合わせにつながる反応率など、
費用対効果はおそらく以前より下がっているだろうし、
だんだんと広告を取りづらくなっているに違いありません。

そう遠くない将来、紙のタウンページが廃止される日が
やってくるんでしょうね。


もちろん、紙のタウンページがどのような運命を辿るのか、
とっくの昔にわかっていたはずのNTTさんは、
インターネット上のサービス、

「iタウンページ」
に力をいれています。


でも、なぜか存在感が薄い・・・

「iタウンページ」利用してみると、飲食店情報などは
かなり充実しています。お得な割引クーポンもついている。

しかし、おそらく「ぐるなび」には負けていると思います。
情報量ではそれほど大差ないと思いますが。


「iタウンページ」がネット上での存在感を増せない理由、
それは、検索エンジンに引っかからないからでしょう。

「iタウンページ」は、完全に閉じたシステムのようです。
GoogleやYahooの情報収集ロボットの侵入を許さない。

したがって、検索結果に「iタウンページ」の情報が
表示されることはありません。


昨日も書きましたが、ユーザーとしては、

「検索されないものは、存在しない」

と考える傾向が高まっているわけですから、

「iタウンページ」の存在はすっかり忘れ、
検索結果の上位に表示される「ぐるなび」や
「ホットペッパー」のサイトを利用してしまうわけです。


NTTさんとしては、タウンページの情報は大切な財産であるから、
しっかり鍵を掛けて外部にはもらさないようにしようと
お考えのようですが、

オンラインでは、

「クローズド」(閉じたもの)より「オープン」(開かれたもの)

が優勢です。

そのベースにあるのは「協調+競争」、すなわち「協争」の原理。


iタウンページも、
思考のパラダイムを変えた方がいいんじゃないでしょうか。

投稿者 松尾 順 : 2006年02月22日 10:53

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