詐欺免疫の作り方
先日、フィッシング詐欺で逮捕された男性の報道がありました。
フィッシング詐欺が摘発されたのは初めてだったんですね。
「フィッシング」とは、メールを送り付け、
偽造したホームページ(HP)に誘導、ID、パスワードなどの
個人情報を盗み取ることです。
逮捕された男性は、ネットオークションの参加者にヤフーを装って
メールを送り、ヤフーのHPに似せた偽HPで
ヤフーオークションのID、パスワードを入力させて
不正入手したようです。
興味深いのは、この男性は、偽メールを約5500件送信し、
結果として約500件のID、パスワードを入手していた点です。
これは、いわゆる「回答率」では9%で、ダイレクトマーケター
にとっては夢のような高いレスポンスなんです!
フィッシングではありませんが、いわゆる典型的なスパムメールで、
アダルトサイトへの入会を促すやつがありますね。
どこかで読んだ話では、あれも10%近くの反応があったと思います。
それで、1スパム(数万~数十万通の迷惑メール一斉送信)
当りの売上は、500万円とかあるらしいです。
メールを大量に送るだけ、楽してこれだけ儲かるのなら、
迷惑メールが一向に減らないはずですよね。
さて、オンラインでも、次々と詐欺の新手が登場するとはいえ、
そうした情報がネットによって伝達されやすくなっています。
それにも関わらず、フィッシング詐欺で言えば9%もの人が
だまされてしまうのは驚きです。
「誰かがこんな風にだまされた」とかという話が流れていても、
普段は他人事のように聞き流してしまって、腑に落ちていない。
つまり、詐欺に対する免疫ができていないってことでしょう。
ちなみに、私は若くてもっとウブだったころに、
いろいろとリアルな場面でだまされました。(⌒o⌒;
幸い、被害は小額でした・・・
ただ、おかげで強力な「詐欺免疫」ができていて、
今はまずだまされることがありません。
皆さんの中にも、オンラインの巧妙な詐欺でうっかり
騙されてしまったという方がいらっしゃるかもしれませんが、
被害がたいしたことがなかったのなら、
いい詐欺免疫ができたとお考えになったらいかがでしょうか。
ただ、被害にあわないで免疫を作る方法はないのでしょうか。
つまり、オンライン、オフラインに関わらず、
相手の言うことを簡単に信じてしまわない方法ということです。
もちろん、「人を見たら泥棒と思え」じゃないですよ。(笑)
こうしたことを研究した心理学者のMcGuireさんの考えを
ご紹介すると、
・日ごろから自分の信念や態度を自明のものとせず、
一度疑問を持ってみる・・・端的には「常識を疑ってみる」
・人の話に対して、一度疑問を投げかけたり他者と意見を
交換して、多様な考え方があることを理解しておく。
のが免疫づくりになるのだそうです。
大事なのは、相手の言うことに疑問を持つだけじゃなくて、
自分自身が今持っている考えや信念、価値観など客観的に
考えてみることですね。
盲目的に作り上げられた自分の信念や態度は、
相手が巧妙な手口を使ってくると簡単に覆されてしまうからです。
投稿者 松尾 順 : 2006年02月09日 13:15
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