直感リサーチ
次の製品カテゴリーを聞いたとき、最初に思い浮かぶメーカーは
何ですか?
・薄型テレビ
・デジタルカメラ
・携帯用ゲーム機
・携帯オーディオプレーヤー
・携帯電話端末
インターネットコム(株)とGooリサーチが共同で行った
ハードウェアに関するイメージ調査(直感リサーチ)
の結果を見ると、上記製品カテゴリーのトップはそれぞれ
次の通りになっています。
(調査対象:全国の10~60代のインターネットユーザー1084人)
・薄型テレビ >シャープ(72.05%)
・デジタルカメラ >キャノン(55.17%)
・携帯用ゲーム機 >任天堂(58.30%)
・携帯オーディオプレーヤー >アップル(64.21%)
・携帯電話端末 >NEC(37.27%)
当然のことながら、この結果と各製品カテゴリー市場の
占有率(マーケットシェア)は相関が高くなります。
「○○○○○○と言えば、XXXXXXXXXXXだよね」
(カテゴリ名) (メーカー名/ブランド名)
というブランド連想が高ければ高いほど、
実際の購入につながる確率も高くなります。
実際、上記メーカーは、
それぞれのカテゴリーのシェア一位ですよね。
この最初に思い浮かぶメーカー/ブランド名のことを
専門的には、
「TOMA:Top of Mind Awareness」
日本語では、
「第一非助成想起」
という難しい表現で表します。
通常、メーカー/ブランド認知度の調査では、
・次のメーカーの中で知っているものに○をつけてください
とメーカー名を羅列して選ばせるやり方(助成想起)
と、上記「直感リサーチ」のように、
・製品カテゴリー名を示して、
頭に思い浮かんだメーカーを書かせるやり方(非助成想起)
の2つの方法を採用します。
で、
TOMA(第一非助成想起)
とは、要するに、メーカー/ブランド名があらかじめ
リストアップされていない状態、つまり
「助けを借りないで思い浮かぶ最初の名前」
ということです。
さて、いわゆる「ブランディング」(ブランド構築)の最大の目的は
この「TOMA」のポジションを獲得することだと言えます。
もちろん、あるメーカー名、ブランド名を聞いた時に
「好意的なイメージや感情」が伴うことが必要です。
悪名がとどろいていてもしょうがないですから。(^-^)
ただ、ブランディングに成功してTOMAのポジションを獲得すれば
自動的にマーケットシェアトップになるわけではないのが
難しいところです。
いわゆるマーケティングの
4P(Product、Price、Place、Promotion)
全般における総合力を高めないと駄目なんですね。
例えば、「風邪薬と言えば・・・」
風邪薬カテゴリーの認知率トップは実は、三共の「ルル」。
(最近の調査によると)
老若男女、誰でも知ってる、
‘くしゃみ3回、ルル3錠’
名キャッチコピーのおかげでしょう。
しかし、売上げベースのシェアトップは大正の「パブロン」。
認知率ではルルの後塵を拝しているにも関わらず、売上では
ルルの3倍の規模です。
これは、端的には「流通チャネル(Place)施策」の差が
大きいようです。
ドラッグストアの店員が、お客さんにどの風邪薬を推奨するか、
というのが売上げを左右する鍵だと以前聞いたことがあります。
さて、直感リサーチの結果に戻ると、ソニーさんの名前が
一位にあがっている製品カテゴリーにないのが気になりますね。
インターネットコムさんの元記事を見ていただくとわかりますが、
だいたい、ソニーさんは2位か3位あたりです。
製品カテゴリーのうち、どれかひとつでもダントツトップの市場が
あると、それだけでソニーブランドのイメージがぐっと回復すると
思うのですが。
投稿者 松尾 順 : 2006年02月01日 11:55
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