街の電器屋さんの復活
日経MJ(2006.01.27)に、‘どっこい生きてる街の電器屋さん’という特集記事が
出てました。
量販店やディスカウントストアに押されて、衰退するばかりと見えていた
街の電器屋さんも、やり方次第で生き残っていけるということなんです。
いまさら言うまでもないことですが、大手小売業にはできない人手をかけた
手厚いサービスをやる方向に強みを伸ばせばいい。どう逆立ちしたって、
安さでは勝てないんですから。
また、電器屋だから家電品を売るという枠を外してくことによって、
たとえ狭い商圏でも売り上げを確保できる。
家庭の信頼できるコンシェルジュとして、
リフォームなどを引き受ければいいんです。
もちろん、自前で工事をやる必要はなく、リフォーム業者に
依頼すればいい。
大事なのは、業者の立場ではなく、
家庭の立場、お客さんの立場で責任を持って監督してあげること。
家庭で発生する様々な需要(主に衣食住でいえば「住」まわりでしょう)を
電器屋さんという、おそらくもっとも身近な存在になりうる有利なポジション
を活かしてどんどん吸い上げることによって、顧客単価を引き上げていく。
これができるかできないかが、街の電器屋さんの生き残りの鍵なんでしょう。
街の電器屋さんの成功企業のひとつ、「でんかのヤマグチ」の
山口勉社長は、こんなことを言ってますね。(日経MJのインタビュー記事より)
「ウチは経営安定のために粗利益率35%を確保するから、
量販店で23万円の薄型テレビが28万円だったりする。・・・
お客さんにすれば『あちこちに安い店が』はあいさつ代わり。
実は『お前の言い値で買うんだからわがままを聞いて』という
人が大半です。」
「ウチの営業スタイルは、医者や弁護士などのお金持ちには
向いていないらしく、百万円くらいする65型テレビを買ってくれるのも
普通の人です。それも『中年になればテレビが友達。
いい友達を持たなきゃ』『いいテレビを見とかなきゃあの世に
みやげ話がないよ』なんて言える関係があってこそ。
松下というより『ヤマグチ』の文ランドを買ってもらいます。」
でんかのヤマグチは、まさに「顧客関係性」で売ってるんですね。
同社は、10年前に、顧客リストを3万4千人から1万4千人に
減らしています。アクティブな顧客だけに絞り込んだのです。
その発想は「ヤマグチがお客さんを選ぼう」ということ
この見切り方もすごいですね。
投稿者 松尾 順 : 2006年01月28日 11:11
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