実体化するオンラインゲーム

ネットを通じて多数の参加者が共同して敵と戦ったり、
街づくりを行う、多人数参加型のオンラインゲームを
やったことありますか。

私は、まだ未体験です。(始めたらはまりそう)


今日の日経産業新聞(06.01.26)記事には、
オンラインゲームの実体化が進んでいることが伝えられています。

特にゲーム内の取引によって動くお金が莫大になりつつある
という点に驚きました。

つまり、

「オンラインゲーム・エコノミー」

が立ち上がりつつあるんです。


ゲーム内の金銭取引は、敵をやっつけると獲得できる武器を
手っ取り早く、「お金」で手に入れるというところから
スタートしたようです。

おそらく当初はゲームマニア同士の取引だったんでしょうけど、
そのうち、人気のある武器(アイテム)を販売することを目的に
ビジネスとしてアルバイトを雇い、組織的に敵をやっつけ、
武器を手に入れるハンター的集団が登場します。
(象牙のために象狩りをするやつらを連想しますね。)


最近では、「ディベロッパー型」が誕生しています。
ゲーム内の架空の不動産をゲーム運営者が販売し、
購入者がその土地を開発し、付加価値をつけて販売するのです。

例えば、10万ドルで架空の島を購入した人は、
次のような事業モデルを構想しています。

「魅力的な音楽や、戦いがいのあるモンスターを提供して
 プレーヤーをひきつけ、参加するプレーヤーから
 税金を徴収する」

年間売り上げ予測は、少なくとも168万ドルとか。

こうしたオンラインゲーム・エコノミーの市場規模は、
2億ドル~10億ドルと推定されています。


さて、オンラインゲーム内の経済・社会活動は、
より現実の社会に近づいているわけですが、
そもそもなにをもって「実体化」と呼ぶんでしょうね。

オンラインで取引されるのは、まさに、物理的には存在しない
架空のモノゴトです。しかし、現実(オフライン)の社会も
IT化の進展によって、実体を伴わない情報だけのやりとりが
増えています。

オンラインとオフライン、どっちがリアルでどっちがヴァーチャル
なのかだんだん区別がつかなくなってきましたね。

おそらく、将来はオンライン・オフラインの区別をすることなど
意味がなくなるほど、完全に一体化するんじゃないでしょうか。


気になるのは、人間心理・行動はどのような変化を受けるのか
ということ。

オンラインエコノミー、オンライン・ソサエティという、
これまで経験したことのない新たな世界に
足を踏み入れてしまった人類は、
どのような新たな心理・行動様式を身につけていくのでしょうね?

投稿者 松尾 順 : 2006年01月26日 10:32

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.mindreading.jp/mt/mt-tb.cgi/114

このリストは、次のエントリーを参照しています: 実体化するオンラインゲーム:

» just click the up coming article from just click the up coming article
デイリーブログ『マインドリーダーへの道』 [続きを読む]

トラックバック時刻: 2014年01月17日 16:58

コメント

コメントしてください




保存しますか?