努力だけでは超えられない壁を知ることはいいこと
今朝は、所用で母校早大へ。
商学部事務所のある11号館に入ったのは、実に約20年ぶりでした。
大学キャンパス内に入ると、自然に学生当時のことが思い出されますよね。
ただ、、私は正直なところ、とても悲しい気持ちになります。
というのも、当時は精神的にどん底でしたし、堕落した生活を送っていたから。
いい思い出がない。
社会人になってから、あまり自分の出身校のことを語りたくなかったり、
あまりキャンパスに行きたいと思わないのは、学生時代のことを思い出して
落ち込んでしまうからなんだろうなと、今日初めて気づきました。
ところで、早稲田ラグビー、先日の試合で関東学院大を圧倒し、
見事学生日本一の座を取りましたね。
現在のチームは「最強」の呼び声高いですが、日本選手権で
見事社会人ラグビーを粉砕できるでしょうか。
前回、ラグビー日本一の栄光を手にしたのは1987年。
私は、早大を卒業したばかりの社会人一年生でした。
私は、日本一になった東芝府中との試合をテレビで見てたんですが、
まだ1年生だった堀越さんや今泉さんの活躍が目に浮かびます。
でも、この優勝の裏には、ちょっと悲しいドラマがあったんですね。
当時、ラグビー部に4年生として在籍されていた方から聞いた話です。
この方は、レギュラーではなかったそうですが。
4年生でレギュラーだった某選手は、すごい努力家でした。
全員練習が終わった後も、一人で黙々とパスの練習をやっていました。
そこに、天才スクラムハーフと言われた堀越さんが入部してきます。
4年生の選手としては、レギュラーの座を奪われるかも知れないという
強い危機感を感じたでしょうね。
実は、堀越さんには、まだひとつだけうまくできないパスがあったそうです。
4年生の先輩としては、後輩に技術を教え育てることは義務です。
そこで、彼は堀越さんにそのパスのやり方を徹底して教え込みました。
そして、堀越さんがそのパスをできるようになった時、
夏合宿3日目だったそうですが、彼のレギュラーの座は、
自らが技術を伝えた堀越さんに奪われてしまいました。
努力だけでは超えられない壁があるんです。
これはとても悲しいことです。
でも、このことを知るのはいいことだとも言えます。
単に好きだから、やりたいからというがむしゃらな気持ちも
大切ですが、自分が勝てる領域、才能が活かせる領域を
冷静に見極めることも同時に大事なのです。
投稿者 松尾 順 : 2006年01月14日 11:00
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