本のタイトルあれこれ
今年は、ここ数年で一番たくさん本を購入してしまいました。
「マインドリーディング」を体系化していくための研究用
としての心理学や社会学関連の本もろもろ、
そして、
ISIS編集学校の上級コースと言える「離」を受講したら、
自分の知識不足が次々と露呈したので、それを補うために
とにかく次々と青天井に近い予算を本代に投入しました。
私にとって、本は、斬新な発想、企画を生み出すための
「原材料」です。
したがって、純粋な娯楽本を除いては必要経費なのですが。
せいぜい数千円以内で買える本には、
有益な情報や知識、知恵が詰まっていますよね。
そのことを思えば、本は安い買い物ものです。
しかし、さすがに大量に買うと請求金額も膨大になります。
実は、今年下期には会社の資金繰りに影響が出てしまい、
あわてて財布の紐を締めました。(^^;;
ここまでくると、自分でも狂ってると思います・・・
さて、仕事柄、ビジネス系のベストセラーの本は
一通り読むようにしていますが、ここ数年は明らかに、
・キャッチーなタイトル(書名)
・巧妙なマーケティング
のおかげで、
それほど内容的には新味のない本でも、
バカスカ売れてしまうという現象が目立ちますね。
マーケターとしてこのことを否定する気はありません。
出版業界も本格的にブランディング、マーケティングに
取り組んできたということです。
ですから、読み手側もタイトルやマーケティングに
ただ乗せられるのではなく、内容の良し悪しをきちんと
見分けられる眼を磨くべきでしょうね。
ところで、本のタイトルについていえば、
最近、惜しいなあと感じている本があります。
「人は見た目が9割」(竹内一郎著、新潮新書)
です。
内容は非言語コミュニケーションについての入門書。
マンガの手法などを取り上げながら、
わかりやすく説明してある良い本だと思います。
しかし、このタイトルは、なんとなく不快感を与えますよね。
確かに目を引くし、思わず購入させてしまう力がある。
実際、かなり売れているようです。
でも、このタイトルは、「そこまで言い切らなくてもねぇ・・・」
というものだし、内容はどちらかと言えばまじめな書き方なので
タイトルと内容がマッチしてないんですよ。
アマゾンの書評を見るとかなり低くなってますが、
こうした不快感が反映されているように感じます。
いくら売るためとはいえ、奇をてらいすぎだなあ・・・
また、「これは考えすぎですね・・・」というタイトルの本も
ありました。
この2冊の本です。
「ハッピー社員」(金井壽宏著、PRESIDENT BOOKS)
「部長のハート」(河合薫著、PRESIDENT BOOKS)
どちらもキャリアや社内のコミュニケーションについて
書かれた素晴らしい内容の本なんです。
でも、このタイトル、はっきり言ってよくわからんですよね。
編集者の方は相当なこだわりを持って、このタイトルを決定
されたそうですが、伝える力が弱いように感じます。
まあ、こうやって偉そうに評論家ぶってますが、
実際、商品のネーミングは難しい。
当事者になると、様々なタイトル案を見比べながら
頭を抱えてしまうものなんですよね。夜も眠れなくなるほど。
やはり、もっともっと「言語感覚」を磨きたいです。
投稿者 松尾 順 : 2005年12月28日 11:26
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